公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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書評 「学校では絶対教えてくれない 僕たちの国家」三橋貴明 (著)

2015-01-27 20:46:20 | 今読んでる本

メルマガでも三橋さんは、珍妙な学説を気持ちよくぶった斬ってくれています。ちゃんと教えないことだけを選んで本にすると、憲法、国家、国境、不法占拠、政府、移民、経済が面白くなる。まず経済は経国済民で総所得を増やすための、政府の仕事、民間は交易と経営にすぎないこと。福祉は単なる分配ではなく、国民国家を前提としなければ成り立たないこと。運命同伴者としての国家国民という立派なナショナリズム。





『日本は ○ ○であるため 、デフレは何をやっても終わらない 」と主張する 、おもしろい人たちがいます 。 ○ ○に入るのは 、 「人口減少 」 「少子化 」 「経済の成熟化 」などになるわけですが 、日本が本当に 「何をやってもデフレ脱却できない 」が事実であるとすると 、これほどすばらしいことはありません 。何しろ 、日本が永遠にデフレであると仮定すると 、日本銀行がどれだけ莫大な通貨を発行しても 、インフレにならないということになってしまいます 。日本政府は必要なだけ日本銀行に通貨を発行させ 、消費 、投資 、所得再分配として支出すればいいのです 。税金は徴収する必要はありません 。 「無税国家日本 」の誕生ということになります 。もちろん 、日本銀行が 「無限に 」通貨を発行しても 、インフレにならないなどということはあり得ません 。日本のデフレは 、単に政策のミスにより継続しているだけです 。政府が正しいデフレ対策を打ちさえすれば 、我が国の長年の宿痾とでもいうべきデフレは終わります 。』


法人税減税


『これは 、グロ ーバルに見ると 、 「企業の投資先の国において 、その国の国民の雇用が生まれ 、所得が生じている 。トリクルダウンは発生している ! 」と強弁できないことはないのですが 、筆者が問題視しているのは 「日本国民の所得が増えているか 、否か 」です 。グロ ーバル化が進んだ世界では 、法人税減税が 「国民 」経済の成長に貢献するとは限らないのです 。』




私が気になったのは、世界で最初の貨幣国定学説(名目貨幣説)の実行者にしてリフレ派官僚、荻原重秀を知らずにいたことだろう。自分、浅学だなあ。新井白石よりよほど重要な人物である。白石の貨幣観「天災がうち続くのは、 貨幣改鋳というまちがった政策のせい」で、「家康時代の幣制に戻せば、 家康時代のように金銀生産量も増加する」というとんでもない言説記録があるほど。

次は「勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚...」これだな。勉強する。

徳川家康とされている。家康は大御所としての隠居の地にここを望んだとする文献資料が残されており、例えば『駿府記』によると、1615年11月29日に三島近辺に隠居所を探すよう部下に命じており、12月15日に三島に立ち寄った際には泉頭の土地柄を気に入り、ここへの隠居を決めたとする記述がある。
さらに、側近の以心崇伝が京都所司代の板倉勝重に宛てた書状『本光国師日記(ほんこうこくしにっき)』には、城の普請に取りかかるまでの約1カ月の様子が細かく記されている。しかしながら、この計画は突如として中止となる。理由については諸説あるが、真相は定かではない。

江戸時代初期の日本は 、徳川家康以来の金本位制を採用していました 。ところが 、元禄期になると幕府が財政危機に陥ってしまいます 。この危機を乗り越えたのが 、勘定奉行の荻原重秀 (江戸時代前 ~中期の幕臣 )による貨幣改鋳でした 。荻原は小判の金含有量を減らし 、実質的な貨幣量を 1 ・ 5倍に拡大しました 。結果的に 、江戸初期の平和の中で拡大した生産力に通貨量が追い付き 、元禄の大繁栄が実現されました 。荻原が残した 、「貨幣は国家が造る所 、瓦礫を以ってこれに代えるといえども 、まさに行うべし 」という言葉は 、まさに通貨の本質を表しています 。通貨とは 「財産 」ではないのです 。後にお話しする 「政府の目的 」を達成するために必要であるならば 、荻原の言葉通り 「瓦礫 」を通貨にしても構いません 。現在から 3 0 0年も昔に 、通貨の意味を正しく理解していた日本人がいたわけですから 、我が国の歴史は本当に奥が深いです 。」

修羅の世界を回避するためには 、どこかの国が 「国民 」を中心に繁栄し 、世界の規範とならなければなりません 。そして 、現在の日本はナショナリズム 、絆の力が健全に維持されていることもあり 、世界の規範となる可能性がもっとも高い位置に付けています 。 「そんなことはない 。自分はダメな国に住んでいる 」と思った日本人は 、本当の 「地獄 」を知らないだけです 。国民が 「個 」に分解され 、誰もが 「同じル ール 」の下で 、一切の政府の保護がない中で戦い 、所得を奪い合う 。勝ち組の 「国民 」は負け組の 「国民 」に対し 、 「同じル ールで戦って負けたのだから 、それはあなたたちの自己責任 」といってのける 。そこにはすでに 「国家という共同体 」は存在しません 。実際にこの種の 「グロ ーバリズムの世界 」を経験すれば 、すぐに自分が 「天国 」に住んでいることが理解できるでしょう 。」
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