公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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今読んでる『世論』W リップマン

2017-10-20 16:15:03 | 今読んでる本
リップマンの時代を知ることはFake news に溢れた現代輿論を知ることとなる。

1917年リップマンはかつての級友とニューヨーク5番街を歩きながら、これまでの世界は終わった、二度と戻っては来ないと話したことが逸話として残っている。彼らハーバード卒エリートでさえ、1917年米国がどのような国になるか予想できなかった。

その理解は五年を経て、リップマンの認識はかろうじて1922年輿論の弱く激しやすい性質が政治宣伝によって利用される運命にあることを予測したジャーナリスト段階にとどまる。この世の奥に悪が棲みついているとは、ほとんどのエリートが気づくことができなかった。しかもリップマンには利害は理解できる故に社会を利害の血脈によって解剖すること、それがジャーナリズムだが、はできてもビジネスとその背景経済を理解することはできなかった。大統領か国務長官になると同級生が予想したハーバード卒の一流の頭脳でも米国が1913年に国家機能の一部を盗まれてしまったことに気づけなかった。あまり意識していなかったが、リップマンは若くしてハウス大佐の手下としてニューヨークで秘密裏にパリ講和の準備を任されていた時期がある。月500ドルの報酬であるから厚遇されていたことは確かだろう。《リップマンとアメリカの世紀 ロナルド・スティール 浅野訳》を読んでみようと思う。図書館にもなく、初版しか古書に流通してないためか、随分な出費だ。

今日もまた100年後にその盗まれた世界が終わろうとしている。人工知能とブロックチェーン技術が管理効率と透明性を確保して、その反対側にいた不透明で効率の悪いところに棲息していた人間の価値を著しく、おそらくは銀行員をその駐車場の管理人以下に給与水準を低下させる。すでにジャーナリストの仕事も半ば人工知能が原稿を書いている。数値事実の裏付けはブロックチェーンで行われる。改変できない数字だけが記事の価値を表す時代になってくるだろう。

誰も人間の書いた新しい文章を載せたメディアを信用しなくなる、こんなブログも低俗Fake news扱いされる人間の社会会話、人工知能成果物なのか判別するプログラムサービスが繁盛することだろう。

この本ジャーナリストには必携の古典だが、日本人にはリップマンは馴染みが薄い。戦争の世紀19世紀から20世紀にかけて知るためには、これを読んで新聞記者諸氏は反省してほしい。Fake news判別サイトが決定権を握る前に。

『alphaGo Zeroは今までのAlphaGoとはいくつかの重要な点で異なる。最も重要なのは、人間の行動を真似るのではなく、完全に自己学習の結果だけで学習している点である。もう一つ異なるのはボード上にある黒と白の石のみ(盤面の生のデータ)をインプットにしていること。三つ目がポリシーネットワークとバリューネットワークを一つのネットワークにまとめてしまったこと。そして最後にモンテカルロロールアウトをやらずにもっと単純な木探索になっている。』何のことやらわかりませんが、自己学習で達成するなんてすごすぎ。
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