おやぢタイプ

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天使と悪魔 / ダン・ブラウン

2007-06-18 00:01:35 | Book
映画化され大ヒットした『ダ・ヴィンチ・コード』の作者ダン・ブラウンによるサスペンス小説である。
『ダ・ヴィンチ・コード』で大活躍した宗教象徴学者「ロバート・ラングドン」が初めて登場するラングドン・シリーズ第1弾だ。
つまり『ダ・ヴィンチ・コード』より先に発表された作品で、現時点でラングドンが登場しているのはこの2作のみだ。
そしてこの作品もトム・ハンクス主演で映画化が決定している。
映画化の話を聞いていたので、非常に読みたいと思っていた。

本作は宗教と科学の対立をテーマとしている。
事件は新しいローマ教皇を選出する歴史的な「コンクラーベ」の日にバチカン市国で起きる。
スイスの欧州原子核研究機構(セルン)で開発された反物質という超強力なエネルギーが何者かによって盗まれ、バチカンのどこかに隠される。
微量でバチカン市国全体を吹き飛ばすと言われる反物質は早く発見しないと数時間で爆発してしまう事に・・・。
しかもバチカンでは4人のローマ教皇最有力候補が突然失踪してしまうと事件も起きていた。
事件の陰に秘密結社「イルミナティ」の存在が明らかになり、いつの間にかロバート・ラングドンも巻き込まれていく・・・。

『ダ・ヴィンチ・コード』では小説の中でキーとなる組織となる「シオン修道会」が実在しているとショッキングな事実が冒頭に書かれていた。
本作でも「反物質」は実在していると冒頭に書かれている。
自分は最先端の科学には非常に疎いが、読み進んでいくに従って「反物質」が実在しているということが非常にショッキングなことであることが分かってきた。

はっきり言って、本作、非常に面白かった。
『ダ・ヴィンチ・コード』と同じくらい、いや、それ以上に面白いかも知れない。
本作でも主人公が暗号を解読しつつ、バチカンやローマの町の歴史的な建造物を巡っていくあたりは同じような展開だ。
ただし展開にタイムリミットが設定されている点やほとんどファンタジーとも言えるようなクライマックスは『ダ・ヴィンチ・コード』にはなかった点だ。
スリルという点ではこちらのほうが上だ。
しかしこの主人公のロバート・ラングドン、ハーバード大の教授だが、今回もとんでもない事件に巻き込まれていく。
まるで映画『ダイ・ハード』の主人公ジョン・マクレーンみたいなものだ。
しかもジョン・マクレーンのように肉体的に強いヒーロータイプではない。
普通にその辺にいそうな大学教授だ。
そのラングドンがどうやって、数々のピンチを乗り切っていくのかが見ものだ。

しかし面白かった。
早く次のロバート・ラングドンシリーズ第3作目を読みたい。
映画が公開されたら、絶対観に行くつもりだ。
今から楽しみでしょうがない。




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3 コメント

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反物質は実在します (くまんちゅう)
2007-06-18 23:36:18
確かに存在も確認されていますが、、安定的に大量に保存する技術は確立していないはずです、が、それを開発しちゃたらどうなるか?という形のサスペンスとして面白く描いてありました。
読みながら、内心ツッコミを入れつつ楽しめました。
どうゆう風に映画化するのかも楽しみです。
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コメント、ありがとうございます。 (おやぢタイプ)
2007-06-20 00:05:39
この小説を読むまでは反物質の存在をまったく知りませんでした。
これは使い方次第では素晴らしいエネルギーであり、悪魔の兵器にもなり得る。
戦争が常にどこかで行われている世の中では、量産されない方が良いような気がします。
ところで私が初めて使ったWebブラウザがCERNが開発したMOSAICでした。
名前だけは知ってましたが、CERNってすごい研究機関だったのですね。
知らなかった・・・。
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セルンが『天使と悪魔』に答える (おやぢタイプ)
2007-06-20 00:16:04
こんな記事を見つけました。
「基本的に反物質からは爆弾を作ったり、エネルギーを検出することはできない」らしい。
紹介されているセルンのサイト「『天使と悪魔』にスポットライト」(CERN=欧州原子核研究機構)にはANGELS&DEMONSの見事なアンビグラムが・・・。
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