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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン /  リリー・フランキー

2006-01-16 00:00:55 | Book
あなたは東京タワーに登ったことありますか?
言わずと知れた東京の観光名所だが、都内に住んでいる人でもなかなか訪れたことがないかもしれない。
かえって都外近郊に住んでいる人の方が、修学旅行や都内観光なんかで訪れた経験があったりして・・・。
東京タワーは地方から出てきた人には都会のシンボルで、常にいろいろな表情を見せてくれる。

遅ればせながら、ベストセラーのリリー・フランキーの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を読んだ。
これはオカンが他界するまでの著者の半生を描いた自伝的な物語だ。
オトンとはほとんど別居状態の中で、著者とオカンが歩んできたおかしくも楽しく、また泣ける家族愛が書かれている。
念のため説明するとリリー・フランキーは文章家、小説家、コラムニスト、絵本作家、イラストレーター、etcとマルチな方面で活躍中の日本人だ。
前半は小倉や筑豊で過ごした少年時代、数々のワンパクなエピソードは笑える。
後半は著者が東京で働き、オカンを呼び寄せ始まった生活が描かれている。
流されっぱなしの著者に多少イライラしながら、オカンのためにもっとしっかりしろと思いながら読み進む。

「自分はマザコンだ。」とはばからない著者。
自分に愛を注いでくれたオカン、そんなオカンの思いを裏切ってばかりの息子。
でもオカンのことが好きで・・・。

こういう母親に対する思い、共感できる。
マザコンという言葉が当てはまるかどうかは別にして、男は多かれ、少なかれ、著者のような母親に対する思いをもっているのではないか?
だからだろう、抵抗なくすんなりと感情移入が出来てしまう。

時々登場するオトンも結構いい味出している。
別居はしていているが、やはり妻のことを思っている。
最後に見せるオトンの妻に対する思いに泣けた。

自伝といっても、けっして非日常的な話はなく、誰にも共感できるところはあると思う。
読んだ後に、もっと自分のオカンに親孝行をしなきゃと考えた。
でもオカンが元気なうちはつい安心して、いつでも出来るからと思ってしまう。
結局、自分も著者と同じような思いをするのだろうか・・・。


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