功山寺決起

青山繁晴事務所から自由民主党の党員になりました。(2020年)

ミカエラ・シフリンと渋野日向子(2020-06-22 01:52:21)

2020-06-22 07:59:50 | On the Road

▼ずっと以前に、「たまには違うことも書きたい」と記しました。
 あのとき書きたかったのは、ミカエラ・シフリンのことでした。



▼ご存じのひとが多いと思います。アルペンスキーの選手です。
 雪上のミズスマシのような、その滑りが大好きです。特に試合中ではない練習中の滑りに、その夢のように自然なスキー・コントロールがよく表れていると思います。

 直近シーズンのアルペン・ワールドカップ ( WC ) は、やはり武漢熱の大きな影響を受けたようです。シーズン終盤のレースがかなり中止されたらしいです。
 シフリン選手は、総合優勝の4連覇がかかっていたと思います。
 アルペンWCの情報は、いま有力な日本選手が残念ながらいないこともあって、こちらから積極的にネットで調べないと、なかなか入りません。
 ところが武漢熱への対応を含めて今のぼくは当然の義務として、どんな時間の余裕もありません。WCの女子アルペンについてネットで検索する時間がないのです。
 頼みは、CS放送のJスポーツです。これなら音を消して付けておけば、電話を交渉したりEメールで議論したり、あるいは原稿を書きながら、ちらちら横目で視ているだけで最新の滑り、いま最前線の戦いがわかります。

 ところがなぜか、この頃の、と言ってもいつからかはぼくには判然としませんが、Jスポーツは男子の試合だけを放送して、女子のレースは一切、放送しないのです。
 なにかの契約上のことでしょうね。
 Jスポーツの番組で解説をなさっている岡部哲也さん ( WCで日本人初の表彰台、2位となったスラロームの名選手 ) に「女子の試合も視たいです」と言ってみたのですが、あまりいい見通しはないみたいです。
 だから、シフリン選手が4連覇へ驀進しているのかどうかが分からないでいました。



 そして、なにかの英文ニュースで「シフリン選手、長期欠場」ということだけ知りました。
 真っ先に、怪我、それも長期の欠場となれば大怪我が頭に浮かびます。
 シフリン選手はもともとは、いわゆる技術系、スラローム ( 回転 ) がいちばん得意だったと思いますが、最近では総合優勝を獲得するためなのか高速系、ダウンヒル ( 滑降 ) にも進出しています。
 滑降で怪我をすると、怪我の程度が違います。選手が亡くなることもありましたし、首の骨や背骨を折ることもありました。
 薄いレーシングスーツを着て、軽いヘルメットを被っただけの生身の人間が、モータースポーツと違ってブレーキ無し、ステアリング ( ハンドル ) 無し、シートベルト無し、ロールバー ( レーシングカーの内側に組み込む頑丈なフレーム ) 無しで、急斜面の落下というアクセルだけで、男子滑降では最大で時速150キロを超えて160キロに迫ったレースもありました。
 現在では、コースアウトに備えてセーフティーネットが張り巡らされ、レーシングスーツの背中にパッドを入れることが認められて、かつてのような重大事故はあまり見なくなりました。その点は、F1とも似ています。
 それでも、シフリン選手が滑降競技で大怪我をしたんじゃないか、心配になりました。

シフリンが回転第1戦に快勝、総合3連覇へ好スタート

▼そこで、なんとかわずか時間を捻り出して、調べてみました。
 すると・・・事故は事故でも、お父さんの事故で、ことし2月にお父さんが事故が元で亡くなったらしいと分かりました。
 こうした場合、休んでも1戦だけで、WC総合優勝のためにすぐに復帰する選手の方が多いと思います。
 しかしミカエラ・シフリン選手は、故郷のアメリカ・コロラド州に戻り、長い時間を亡きお父さんと、そして悲しむお母さんをはじめ家族と一緒に居ることを選んだのです。
 そして、彼女はタイトルをすべて喪いました。レースで獲得するポイントの表を見ると、2月までは、2位の選手を大きく引き離して総合優勝に近づいていたのに。
 それでも悔いる様子はありません。

 ぼくには、それが自然な、いわば人間らしい彼女の滑り、それでいて強靱そのものの滑りと重なって感じられたのです。

アルペン女王シフリン、父の死を告白「悲しみに打ちひしがれている」

▼なぜ今夜に、急に書く気になったのか。
 それは、原稿を書きながらBS放送を付けていたら、ゴルフの全英オープンでマサカの優勝を果たしたシンデレラ、渋野日向子選手の最後のホールをやっていたからです。
 あの世界でいちばん爽やかな笑顔を引き締めた渋野選手は、入ったら逆転優勝という重きも重いパットを、スコーンと打ちましたね。
 ほんとうに、スコーンと。

 あのとき、偶然に、やはり原稿を書きながら生中継で視ていたのでした。
 ボールがカップに飛び込んで、渋野選手が高々と片手を伸ばした瞬間、ぼくの脳裏にはシフリン選手も浮かんだのです。
 ほんものの勇気は、余計なものを纏 ( まと ) わない勇気、「勝ったらこうなる、ああなる」というわたくしごころを脱して、ほんらいの目的に即 ( つ ) く、そこに存する勇気だということを、ふたりの女子選手があらためて教えてくれる気がしました。



▼ぼく自身は、モータースポーツもアルペンスキーも、話にならない下手くそです。
 そのうえ現在では、サーキットに行くのは、自由民主党モータースポーツ議連が参加するレースに練習無しで年に一度参加するだけ、スキーは、ぼくと一緒に現場を体験する会員制クラブ、インディペンデント・クラブ ( IDC ) の雪上集会で、これも年に一度。
 いずれも「もし、あるとしても」の話であって、要はほぼゼロです。
 しかし・・・わずかな機会の走り、滑りにおのれの変化を感じるのです。
 競技なのに、いずれも猛速のなかで争う競技なのに、争わず、柔らかな、すべてに馴染む、それでいておのれのなかでは一番、強くなった自分を感じます。

 ふたりの世界の至宝と言うべき女子選手と、もちろん比べるべくもありませんが、こゝろのあり方としては共感、共鳴するところがあります。

 というわけで、来シーズンにはアルペンスキーの大回転、国内で開かれる草大会の試合に一戦だけ、参戦したいのです。
 わはは。
 真夜中の戯言 ( たわごと ) として、聞き流してください。
 さ、仕事に戻ります。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横田さんの話を西岡さんから聴く青山さん(2020-06-21 12:36:07)

2020-06-21 18:12:48 | On the Road

 おととい6月19日金曜に、自由民主党本部で開かれた「党・拉致問題対策本部」で救う会会長の西岡力さんが講演された、そのエッセンスのひとつを、ぼくの責任でお伝えします。
 講演されれるにあたって、西岡さん、また党から「オフレコで」という縛りは全くありませんでした。そうでなければ、ぼくは決して、この誰にも広く無条件で公開するブログにて講演内容を明らかにすることはありません。
 ただ同時に、この対策本部は、冒頭だけ報道陣に公開し、西岡さんの講演、ぼくを含め各議員の発言、それに対する政府のいわば答弁はいずれも、報道陣に退去を求めてからのことです。
 したがって、一定の配慮は、これもぼくの責任、ひとりの自由民主党議員の責任においておこないます。



▼さて、西岡さんは講演のレジュメを用意してくださっていました。
 そこに「執拗な横田家工作」という言葉がありました。

 西岡さんによると、その工作の鍵は「孫」と「骨」だったということです。
 以下、すべて西岡さんの説明です。

 北朝鮮は横田めぐみさんが自殺したと主張した上で、「骨は(めぐみさんが結婚された韓国人拉致被害者の夫の)自宅にある。いったん土葬していたが、夫が掘り返して火葬し、その骨だ」と奇妙な説明をし、「横田滋さん、早紀江さんがその家に来れば、渡す」と主張して、めぐみさんのご両親を北朝鮮に呼ぼうとしました。
 滋さんは、それに応じそうになりましたが、早紀江さんが「行ってはいけません」と引き止めて、滋さんも納得され、北朝鮮の奸計には乗りませんでした。
 すると、北朝鮮は他人の骨を1200度の高温で焼いて、日本に送ってきました。
 それは日本の技術力で他人の骨だと分かりました。
 しかし北朝鮮はその後も、「孫(横田めぐみさんが出産なさった女の子)に会いたいなら、北朝鮮に来い」と働きかけ続け、メディアに「滋さん、早紀江さんは会いたがっている」という情報を流し続けました。

 北朝鮮は、帰国が実現した拉致被害者5人に「日本に一時帰国させるから、やって欲しいことがある。横田(ご夫妻)を平壌に連れてこい」と耳打ちもしていたそうです。
 この最後の話は、西岡さんならではの証言だと思います。



▼西岡さんは「横田滋さんの功績」という項目を立てて話され、北朝鮮の二つの嘘、すなわち「拉致は無い」、「拉致したのは13人だけ。8人死亡、5人帰国で拉致は解決した」という嘘に対して戦ううえで、滋さんがどれほど功績があるかということを強調されました。
 それは平成9年に、滋さんが「横田めぐみ」という愛娘の実名を公表することを、その当時はほぼただひとり主張されたことです。
 このことが救出運動を国民運動に変えることに繋がり、家族会の結成、救う会の結成にも繋がり、拉致議連の結成にも繋がっていったという認識を、話されました。

 ぼくも、まさしくその通りだと考えます。
 今となれば埋もれがちのことですが、当時は、横田めぐみさんの実名を公表することに反対論が横田さんご夫妻の周囲に非常に強かったそうです。
 ぼくもその証言を、複数のひとから聴いています。



▼滋さんは、ほんとうに、ほんとうに優しい、どこまでも温厚なかたでした。
 だからこそ、北朝鮮がそこにつけ込もうとして、そのことでも苦しまれたと思います。
 しかし実際には、あの滋さんがいざという時は、孤独な決断をできるひとだったからこそ、横田めぐみさん事件の存在がきちんと日本国民と国際社会に伝わりました。
 そのおかげで、ようやくにして、北朝鮮と、産経新聞以外のメディアが実質的に組んだかのように「拉致なんてあるはずが無い」、「在日朝鮮人が北朝鮮に帰国もしているのに、わざわざ日本人を拉致する必要がどこにあるのか」という俗説が広く流されていた現実が一変しました。
 滋さんたったひとりの孤独な決断が、覆したのです。


▼この日の拉致問題対策本部にて、不肖ぼくが何を発言したか、あるいは西岡さんの講演で他に何が話されたかを含めて、来月に新動画で資料を提示しつつお話しします。

 拉致被害者もまた、海外の同胞です。
 海外の同胞を国内のわたしたちと同じくお扶(たす)けすることをめぐって、この日曜も朝早くから政官に対する電話交渉を続けています。
 横田滋さん、有本嘉代子さんのご遺志を継ぐためにも。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月19日金曜、午前11時、拉致問題対策本部、(2020-06-20 08:42:57)

2020-06-20 09:25:00 | On the Road


▼さて、きのう6月19日金曜の午前11時から、自由民主党本部の最も広い部屋、部屋と言うよりは小ホールに近い場所にて、「北朝鮮による拉致問題対策本部」が開かれました。
 感染対策のために、今回はご家族、拉致被害者と特定失踪者それぞれの家族のみなさまをお呼びしていないということでした。
 ご家族は高齢のかたもいらっしゃるので、万やむを得ないことだと思います。
 たいへんに寂しく、申し訳なく感じましたが、救う会会長の西岡力先生が参加してくださり、ミニ講演もなさってくださいました。



▼こうした党の対策本部や部会について、以前は虎ノ門ニュースにて実際の配付資料をぼくの責任にてみなさんにお見せし、詳しく解説もしていました。
 これは、ぼくがあえて自由民主党の議員になった以上は、欠かせない義務のひとつと考えて、おこなっていました。
 虎ノ門ニュースのレギュラーから去った今、それができなくて、その義務が果たせていません。
 新たな動画を始めるのは、そのためがいちばん、大きいのです。
 新動画は、さまざまに考え協議した結果、チャンネル桜の協力のもとで7月から開始する予定が決まりました。
(チャンネル桜の番組の一つになるのではありません。あくまでぼくの個人動画です。そのうえで撮影やアップの実務をチャンネル桜が全面協力してくださるということです。チャンネル桜はスポンサーを付けて、それがチャンネル桜を支えることにも繋がります。ぼくは当然、スポンサー収入は1円も受け取りません。このブログも含めて、ぼく自身はスポンサーを一切、付けません)
 この新動画にて、部会などの報告を、以前と遜色なく行いますからお待ちください。
 これは、あらためて詳しく報告します。



▼さて、まずはこのブログにて、きのうの拉致問題対策本部で行われた西岡先生の講演内容を、これもぼくの責任にて、紹介しておきたいと考えます。
 西岡さんがいちばん印象深く強調されたのは、あの温厚な横田滋さんが、いざという時にどれほど強靱な決断のひとであったか、その決断があってこそ、拉致被害者を取り戻す運動がようやくにして本格化した、その事実でした。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欺しのオールドメディア(2020-06-19 15:23:41)

2020-06-19 16:17:53 | On the Road


 オールドメディアの一部に、海外の同胞への一律10万円給付を政府が諦めたという記事を準備して、その裏取り取材をしようとしているところがあります。
 違います。
 真逆です。
 昨日と今日の交渉、協議で、はっきり具体的に前進しました。

 最新の動きも何も知らずに、否定的な話を出して、前に向いている動きを台無しにするかのようなことが、いったい正しいでしょうか。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月号は「同胞、はらからとは何か」(2020-06-19 09:26:41)

2020-06-19 12:46:13 | On the Road


▼こうしたなかでも、論壇誌「月刊Hanada」のための連載エッセイ「澄哲録片片」(ちょうてつろく・へんぺん)は、強い志と優しいこゝろを持った編集者、もちろんお世辞は一切抜きです、ぬまちゃんの忍耐のおかげでぎりぎり、入稿できました。
 今月のタイトルは「同胞、はらからとは何か」です。
 拉致被害者の全員救出と、海外の同胞への一律10万円給付、このふたつに疑問、関心をお持ちのかたは特に、ご一読されることを願います。
 6月26日の発刊だと思います。定期購読の情報は、ここです。ぼくはひとりの寄稿者、執筆者であり、出版元の飛鳥新社から一切、何も頼まれてはいません。しかし、このような王道で戦う論壇誌が生き残り、それだけではなく最善の発行部数を確保しているらしいのは、ぼく自身を含め、みんなが勇気づけられることではないでしょうか。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする