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にゃりんたが行く

バツイチママの徒然草~思いのままに・・・
人生色々あるけど、今日も上を向いてがんばろっ♪

妊娠初期<6>

2008年10月16日 16時23分54秒 | モラハラ
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Kの言葉の意味が全く理解出来ず、私は視線をKから外の景色に移しながらぐるぐると思いを巡らせていました。

しかし、この雰囲気を元に戻すにはとにかくKが怒った原因がわからないと対処のしようもないので、私はKに出来るだけ優しい口調で

「え?でもKが『もう行けねぇだろ!』って言ったから、私 他に何か約束してて忘れてたんだと思ってたんだけど・・・違うの?」

と言ってみたのです。

するとKは私の視界のはじっこで、首を横に振っていました。

ますます意味が分からず、1人悶々と考え続けていると、あっというまにショッピングセンターの駐車場に着いてしまいました。

Kはいくつかある駐車場の内、自分がいつも停める駐車場に入ると、ささっと車を停め、エンジンを切って車から降りました。

私もシートベルトを外し、急いでドアを開けて降りると、いつも先に歩いて行ってしまうKの後を追おうと小走りになりかけました。

しかし、Kは運転席から助手席側に回って来てくれていて、私の前に立つと

「大丈夫か?」

と声を掛け、私がバッグをつかんでいた手と反対の手を握って歩き出しました。

それまでの流れと全く違うKの態度に驚いた私はしばらくKに手をつながれたまま歩き、その間も頭の中が混乱していましたが、すぐに

(そっか、私が妊娠してるから気遣ってくれたんだ・・・。)

と思い、ゆっくり歩くKの横顔を見ていました。

それにしても、出かける前のことが気になって仕方がない私。

どうしても突き止めておかないと、この次に同じことが起きた時、また同じように不機嫌にさせてしまうのではないかと心配だったのです。

どうにかしてKにその理由を教えてもらわないと気が済まない気持ちでしたが、先ほどまでとはうって変わって私を気遣うように静かに歩くKに、またそんな話を蒸し返して不機嫌にさせてしまうのではないかと思い、聞くのをためらってしまうのでした。

そんなことを考えているうちに、私たちは駐車場からショッピングセンターの入り口にたどり着き、中に入りました。

ショッピングセンターは休日の昼過ぎとあってかなり人が出ていました。

私はそこで

「お昼だし、先に食事する?」

と声を掛けました。

いつ起きるかわからないKを待って朝ごはんも食べないでいた私と、朝は食べない主義でしたが、さすがに昼過ぎまで何も口にしていないKだったので、ここはその方がいいだろうと思い、そう言ったのでした。

しかし、その言葉を聞いてKは

「いや、俺は(さっき起きたばかりだから)腹減ってねぇし。先に本買おうぜ?」

と言って私の手をひき、ずんずんとエレベーターに向かって行きました。

(ええ?何で?)

正直私はとてもお腹が空いていました。

なので、

「そっか・・・Kはお腹空いてないんだね。私は結構空いてるんだけどなぁ~。」

とつぶやくように言ってみると、Kは急に私の方に向き直り、はぁ~とため息をついて

「お前って本当にいっつもいっつもメシのことばっかりな?お前の用事で来てんだろ?」

と言って呆れた顔をしました。

そしてつないだ手を離すと、

「お前の都合で動いてんじゃないんだからさぁ。少しはこっちのことも考えろよ!」

と言ってすたすたと先に歩いて行ってしまったのです。

私はその言葉にかち~んと来てしまい、一気に怒りがこみ上げて来ました。

そんなことを言われるなんて、全く心外でした。

その場に立ち尽くしたままエレベーターホールにまっすぐ向かうKの背中を睨むようにしていると、しばらく行ったところからくるっと振り返ったK。

その顔は不機嫌そうにこちらを睨んでいました。

そして私の様子に気がつくと、チッと舌打ちしてこちらに戻ってきました。

私はそんな様子をゆっくりと睨みながら心の中で湧き上がる思いに必死に耐えていました。

Kは私の目の前まで来ると、

「何だよ、お前何か怒ってんの?何で怒ってんだよ!」

と言い、急にまた私の手をつかむとぐいぐい引っ張りながら

「早くしろよ!疲れてんのに来てんだから!」

と言ったのです。

そこで私は はっとなり、

(そうだ・・・確かにKは毎日疲れているのに貴重な休みをこうやって私の為に使ってくれてるんだった・・・。
ちょっとは我慢しなきゃ。)

  
と思うと湧き上がってきていた怒りも何とか静められそうな気持ちになって来ていたのでした。

それでもこれだけは言いたいと思い、

「それは悪かったけど・・・でも、自分の都合ばっかり考えてるわけじゃないんだから、そんな言い方しないで。」

と、そう口にしたのです。

Kはたどり着いたエレベーターホールの前でエレベーターのボタンを押しながら

「ああ。」

と短く返事をしました。

そして2人して来たエレベーターに乗り込み、目指す階のボタンを押すと、静かに到着するのを待っていました。







エレベーターを降り、目指すお店へ足を進めると、想像以上に混雑しているのが見えて来ました。

私は気にせずにまっすぐお店に入ろうとすると、後ろからKがついて来ていないのに気がつきました。

不思議に思い、振り向くとKは2~3歩手前で立ち止まっていました。

そして振り向いた私に

「俺、混んでんの嫌だからお前行って来いよ。」

と声を掛け、そのまま向きを変えてお店とは別の方に歩いていってしまいました。

私もその方が探しやすいと思い、またお店の方に向き直るとお目当ての本がありそうなコーナーへと足を進めました。

そこは前に私が行った書店と違って、赤ちゃんや育児の本が山のようにあり、私はそんな優しい色のカバーのかかっている本や雑誌を見て顔をほころばせていました。

ふと見ると平積みされた雑誌の中に、”初めてのたまごクラブ”という本が置いてあるのに目が留まりました。

そっと手にとってみると、それはまさに私が探していた妊娠初期の頃からのことが書いてある雑誌のようでした。

まだ発刊されたばかりのその雑誌を手にして、これだというものが案外早く見つかったことで、私はそれまでのKとの嫌な雰囲気を忘れ、雑誌を手に持ったままウキウキした気持ちでお店の入り口に向かいました。

きっとKはお店の外にでもいて、ぼ~っとしていると思ったのです。

しかし、予想に反して、辺りを見回してもKの姿は見当たりませんでした。

私は大体、Kと一緒に買い物に来て自分のものを買う時には、必ずKに聞いていました。

その時もそうするつもりだったので探したのですが、居そうにありません。

ひょっとして私を待つ間に外にでも出てしまったかもしれないと思い、仕方がなく手に持った雑誌を脇に抱えるようにして店内に戻ろうとした時、混雑した店内の奥のほうに向かって歩くKの姿が見えました。

(混んでるのが嫌だと言ったのに、何してんだろ???)

そう思いながらも、Kを見つけることが出来てホッとした私は、Kを見失わないように後を追い、人を掻き分けるようにして進んで行きました。

ようやくたどり着くと、Kは旅行のガイドブックが沢山置かれているコーナーにいました。

「K~!」

私がそう声を掛けて近寄ると、Kは手にした雑誌を持ち上げながら私の方を向き、

「何だ・・・もう終わったのかよ?」

とつぶやきました。

私はうなづいて脇に抱えていた雑誌をKに見せると、

「ほら、こんなのがあったんだよ。」

と言って、笑いかけました。

するとKは少しだけ柔らかい表情で

「そっか、良かったな。」

と言って、そのまま手にしていた雑誌をぱらぱらとめくり、眺め始めました。

どうやらKはその雑誌を見ていたいようだったので、

「じゃあ、これ買って来るね。」

と言って私はその場を後にしました。

そしてまた人を掻き分けてレジにたどり着くと、ずらりと並んでいる列の最後尾に立ち、順番を待っていました。

待っている間も表紙を眺めながらニヤニヤしていました。

何だか妊娠したんだなぁ~と実感して、その雑誌を買うのが誇らしい気持ちでした。

そしてようやく会計を済ませると、私は急いで雑誌を抱え、さっきまでKがいたコーナーへ急いで戻って行ったのでした。










結局Kの言った言葉の意味は分からないままでした。ワケ ワカラズ。

うう~何気ない休日のヒトコマが、こんなに疲れる状況だったことに、思い出して改めてガックリ来ています。

この日はまだまだ終わりません。

何とかまた書き進めて行きますので、是非とも応援をお願いいたします。

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妊娠初期<5>

2008年10月10日 13時18分53秒 | モラハラ
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ようやく授かった命と共にできれば穏やかに暮らしたいと願っていた私。

でも、私のその気持ちとは裏腹に、不機嫌さをかもしだしながら生活するK。

毎日少しずつ帰ってくる時間も遅くなり、出勤する時間すらも早くなって行くので、くたくたなのは目に見えて分かっていました。

そしてそれに比例するようにして機嫌の悪さとアパートに帰ってきてからの愚痴の時間も増していくK。

私にとっては毎日緊張の連続でした。

先生には大丈夫と言われた私の体調も、一度流産している私にとって大きな不安のタネだったので、Kに話を聞いて欲しいと思っていました。

しかし、とてもそんな状況ではなく、少々いらだったりもしましたが、毎日のハードすぎる仕事になんだかんだと言ってもきちんと出かけていくKにわがままを言ってはいけないと思い、我慢していました。

とにかく少しでも笑ってくれることを探していました。

そして、そんな中 約束の休日になりました。

前日も機嫌が悪く、妊娠に関する本を隣の駅の大きなショッピングセンターの中にある本屋さんに探しに連れて行ってくれるという約束を確認することはしませんでしたが、きっとKも覚えているだろうと思い、その日は朝から出かける準備をしていました。

しかし当然、Kは疲れて寝ていて、まだ寝室から出てくる気配もありませんでした。

ショッピングセンターが開く時間になっても起きて来ないK。

でも、唯一ゆっくり休める日でしたし、その日はそれ以外に特に予定もなく、いつ行ってもいいという状況でした。

なのでのんびり居間でテレビを観たりしながら過ごしていた私。

するとお昼近くにいきなり寝室のドアが開いて、Kがトイレに向かいました。

私はゆっくり立ち上がると、いつものようにコーヒーを入れるためキッチンに向かいました。

マグカップを用意していると、Kはトイレから出てきてキッチンにある壁の時計を見て、いきなり

「おい!お前なんで起こさねぇんだよっ!」

と不機嫌そうに言ったのです。

私は一気に緊張していきながら、すぐさま
「いや・・・疲れてるかと思って。今日は本を探しに行ってくれるって言ってただけだし、ゆっくりして欲しかったし・・・。」

と言い、何とか平然を装ってマグカップにコーヒーを注いだのでした。

しかしイライラと機嫌が悪い様子で、ダイニングのイスにどっかり座ったKは、

「もうこんなんじゃ、行けねぇだろ?!」

と言ったのです。

私はKの言っている意味が分からず、急に不安になりながら

(もしかして、今日って他に何か用があったっけ・・・約束してたっけ・・・?)

と考えを巡らせました。

途中ダイニングテーブルの上に置いてあるカレンダーをみて日付を確認して思い出そうとしても、全然思い出せないのです。

私は仕方がなくまた不機嫌にさせてしまうのを覚悟で

「・・・今日って何かあったっけ?」

と、うっかり出し忘れていたコーヒーをKに差し出しながら小声で聞いてみました。

すると目の前でタバコの火をつけたKはコーヒーを一口飲み、ゆっくり立ち上がり、換気扇の下まで移動すると、はぁ~とため息をつきました。

そしてしばらく黙って私の背後でタバコを吸っているK。

顔を見ているのも嫌だったので、私はその場に立ち尽くしながらKの言葉を待っていました。

その間、私の心の中は相変わらず

(何だろう・・・何を忘れてたのかな・・・。)

ともの凄く焦るばかり。

そしてまたこんな展開になってしまったと、ため息をつきたい気持ちでした。

しかしKは尚も黙ったままでタバコをもみ消し、そのままマグカップを持って居間へ消えて行きました。

私は慌てて後を追うと、居間にどっかり座っているKの隣に座り、Kの肩に手を置いて、

「ねぇ・・・ごめんね?私、何か忘れてたの?」

と必死に訴えました。

しかしKは黙ってテレビの画面を見つめたままです。

もうこうなってしまうとどうしていいのか分からず、私はなすすべなくKの隣でうつ向いているしかありませんでした。

そんな状態でどれくらいの時間そうしていたのか分かりませんが、そのうちコーヒーを飲み終えたKが静かに立ち上がると、洗面所に向かい、顔を洗っている音が聞こえてきました。

私は条件反射のように立ち上がると、寝室に行き、とにかくKの着替えを用意し、いつものように居間に持ってきてKの座る場所にそっと置きました。

歯を磨いてそのまま居間に戻ってきたKは、その置かれた着替えをチラッと見ると、眉間にしわを寄せ、その上にどっかり座り、また黙ってテレビを観始めました。

てっきり出かける気になったのではないかと思って着替えを用意した私でしたが、そうとは思えないKの様子に動揺し始めてしまいました。

(何か言わなければ・・・。)

そう思って

「ねぇ・・・何か言ってよ。私 何か忘れてた?」

と話しかけても、Kは不機嫌そうに

「んあぁ?」

と短い返事をするだけで、じっとテレビに観入っています。

そしてまたしばらくするとはぁ~とため息をついて、お尻を浮かせると、お尻の下に置かれた着替えを抜き出し、座ったまま着替えを始めたのです。

私はどうしていいか分からず、とにかくそんな様子をKのすぐ近くで見つめていました。

Kが面倒臭そうな顔でだらだらと着替えをしているのが終わると、私はKが脱いだパジャマを手にして立ち上がり、洗面所の近くまで行って手にしていたものを洗濯かごに放り込みました。

そして、そのまま居間に戻ろうかどうしようか迷っていると、Kはテレビを消し、車の鍵の音をさせながら私のいる洗面所の近くを通りすぎて玄関の方へ歩いていきました。

私は慌ててまだ塗っていなかった口紅を塗り、家中の戸締りを確認してバッグをつかむと急いで玄関を出ました。

そしてアパートの前に出ると、もうエンジンを掛けて車をアパートの前の道に出し、運転席で不機嫌そうにタバコを吸っているKの横顔を見ながら、助手席のドアを開けて車に乗り込みました。

私が乗り込んだと同時にKはゆっくり車を動かし、目的のショッピングセンター方面に向かって出発したのでした。

途中、思いっきり気まずい雰囲気が漂う車中で、私は何ともいたたまれない気持ちでいました。

(こんなんなら1人で買いに行けばよかった・・・。)

と後悔してしまい、もう思いっきりため息をつきたい気分でいると、Kがポツリと

「ショッピングセンターに行けばいいんだろ?」

と思ったより優しい口調で話してきました。

私は驚いてチラッとKの方を見ると、相変わらず無表情で運転をしているK。

その横顔に向かって

「うん、お願い。」

と言う私に、Kは何も言うことなく、ひたすら前を見て運転しています。

私は今だ!とばかりに

「K、ごめんね。私何か約束してたのを忘れてるみたい。今日、何か約束してたんだっけ?」

と再度聞いてみました。

するとKは

「約束って、本買いに行くって言ったろ?」

とふてくされたように言ったのです。

私はその言葉を聞いてイマイチ意味が分かりませんでした。

確かに本を探しに行く約束をしていました。

でも、それが遅く起きた事と何の関係があるのか、分からなかったのです。

ショッピングセンターの本屋さんは夜9時まで開いています。

だから他に予定がないならそれまでにそこに行けば済むことだったのです。

なのにKは「もう行けねぇだろ?」と言ったから・・・。

(何でだろう?その他に約束をしていて行かなければならないところがあったのなら言われても仕方がないと思ったんだけどな・・・??
他に約束・・・してなかったのかな・・・???)


もう全然訳が分からなくなってしまい、Kの横顔をじっと見つめながら、頭の中は凄い勢いで考え続けていました。

でも下手なことを言ってKをこれ以上怒らせたくない・・・。

そう思うと余計に何を言っていいのか分からなくなってしまうのでした。










はぁ・・・今 こうして書いていてもため息が出ます。

この空気、本当に耐えられたもんじゃありません。

今後の更新も続けて期待してくださる方は、是非ともお願いします。

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妊娠初期<4>

2008年10月07日 10時09分40秒 | モラハラ
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安心して病院から戻り、いつものようにマイペースで家の事をやりながら、Kの帰りを待っていました。

ちょうど忙しさはピークだったKの仕事。

段々と帰って来る時間も遅くなり始めていました。

うつらうつらしそうになっている頃、ようやく帰るコールが鳴り、程なくしてKが帰ってきました。

にこやかに

「お帰りなさい。」

と声を掛けても不機嫌な顔で

「ただいま。」

と言い、ドカドカと部屋に上がって来るK。

部屋中に不機嫌な空気が充満し始めました。

私は分かっていたこととはいえ、想像通りのKの状態に心の中でため息を吐きながらKから受け取ったお弁当箱や汚れ物を片付けていました。

居間にどかっと座り、片ひざを立ててふんぞり返った格好でタバコを吸い始めたKは、片手にテレビのリモコンを持ち、あちこちボタンを押してはチャンネルを変えていました。

私はとりあえずKの側に座ると、そんな様子を静かに見ていました。

すると突然

「なんだって?」

と、テレビから視線を外さずにKはつぶやきました。

きっと病院でのことだろうと思いましたが、一応

「あ・・・病院のこと?」

と聞き返したのです。

しかしKはうなづきもせず、ずっとそのままの姿勢でまっすぐテレビを見つめています。

私は仕方がなく

「メールにも書いたけど、特に心配することはないでしょうって。」

と短く答えました。

するとKは

「そんな下痢してて大丈夫なのかよ?」

と大きく息を吐きながら言いました。

私は静かにうなづくと、

「先生がそう言ってたし、今日もね、エコー写真撮ってくれた。」

と言って立ち上がり、バッグの中からエコー写真を取り出すと、Kの前に差し出しました。

Kは黙って受け取ると、その写真をじっと見ていました。

その横顔は少しだけ表情がやわらなくなったような気がしました。

Kはしばらくその写真を眺め、そしてテーブルの上に置くと勢いよく立ち上がり、

「じゃ、風呂入ってくる。」

と言って居間から出て行きました。

そして私もゆっくり立ち上がると、Kの着替えを用意しに、寝室へと向かったのでした。







「いただきます。」

エコー写真を見て少しは顔がほころんだように見えたので、和やかに食事が出来るかと期待していた私。

しかし、浴室から出てきたKはまた元通りの不機嫌な顔をしていて、食事の間もまるでお通夜かのように2人して黙々と食べ続け、Kはあっという間におかわりをしたかと思うと、先に食べ終わり、再び居間に戻っていきました。

私も慌てて食事を済ませると、片付けもそこそこに居間に向かいました。

不機嫌だと分かっているなら側に行かない方がいいと思ってはいても、その不機嫌をどうにかして直してあげなければいけないと思っていた私。

Kの側に座りかけた私に、Kは

「何だよ、お前片付けはしたのかよ?
そうやって食べた後すぐにやらないからいつまでたっても片付かないんだぞ?」


と、低い声で言いました。

自分が食べたものをシンクに運ぶこともせず、居間にどっかり座ってタバコを吸い始めたKにそう言われて、正直悔しい気持ちもありましたが、確かに自分のしなければならないことなのだから・・・と私は黙って立ち上がり、再びキッチンに向かい、小さくため息をつきながら洗い物を始めました。

とにかくガチャガチャと音を立て次々お茶碗やお皿を洗いながら、私は何度かため息をつきました。

(せっかく病院に行って私の不安が少し解消されたかと思ったのに。)

そう思うと、Kをここまで不機嫌にさせる会社に恨みを言いたくなる気持ちでした。

洗い物が終わり、テーブルの上を片付けて居間に向かうと、Kは先ほどまでの格好と同じ状態でテレビをじっと観ていました。

私が再びKの側に座ると、Kは

「終わったのか?」

と、テレビから目を反らさずに私に言いました。

Kはこんな状態の時、大体は私のことを無視したりしませんでした。

話しかければ、相槌や返事くらいはしてくれました。

しかし、逆に不機嫌さをかもし出しつつ、私に話しかけてくることも多かったのです。

無視されるのも嫌でしたが、そんな状態で不機嫌さをぶつけるかのように発せられる言葉は気持ちのいいものではありません。

私は

「うん。」

と言うと、いつも私が座る位置にすとんと腰を下ろしました。

Kはそんな私を待っていたかのように近くに置いてあったタバコの箱を手に取ると、ごそごそとタバコを取り出し、口にくわえました。

私が禁煙するようになってから、大体タバコを吸う時はキッチンの換気扇の下に行ってくれていたK。

しかし、機嫌が悪くそんなことに気が回らなくなっているのか、その頃は度々そんな風に私の前で平気でタバコに火をつけて吸っていました。

そんなことからもKの機嫌が伺えて、私はますます暗い気分になっていたのでした。

大きく息を吸い込み、そしてゆっくりとため息をつくように息を吐いたKは、ぽつりと

「・・・どうしてあの会社はどうしようもないんだろう。」

とつぶやきました。

やはりまた会社の愚痴が始まるのです。

私はいやぁな気持ちになりながら、

(今日はどのくらいで終わるかな・・・。)

と内心ハラハラしていました。

するとKは何も言わない私の横顔をじっと見つめながら

「今日はよ、現場の助っ人に来てくれた奴がさぁ・・・。」

とイライラした様子で話始めました。

自分の体調に不安があり、妊娠したばかりで出来れば心穏やかに過ごしたいと思っていた私。

しかしそんな私に構うことなく段々と声を荒げ愚痴を言い続けるK。

なるべく違うことを考えつつ話を聞いているのですが、Kは途中、

「なぁ?お前はどう思う?」

などと聞いてくるのです。

なので、適当に話を聞いている訳に行きません。

必死にテンションが下がらないようにしつつ、Kの話を聞いていました。

しかしKの話は堂々巡り。

確かに不満は分かることでしたが、言っても仕方がない、考えても仕方がないことをずっと聞かされているのは本当に嫌でした。

Kに適当に話を合わせ、とにかく早く終わらせたい一心でなだめすかしていると、ようやくすっきりしたのか、

「まぁこんなこと言っててもしょうがないか。」

という言葉が出てきました。

こうなるとそろそろ愚痴の終わるサイン。

私は心底ホッとしつつ、時計を見ると、食事が終わってから既に1時間は経っていました。

(今日は早く終わってくれて良かった・・・。)

そう思いながらゆっくり立ち上がると就寝準備を始めたのでした。










思いの外 更新が滞ってしまってごめんなさい。

このところ色んなことがありすぎて、向き合う余裕がありませんでしたが、乗り越えたい気持ちがまた強くなったので、頑張って行きたいと思います。

今後の更新を応援してくださる方は・・・是非

                       
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モラハラ関連情報♪

2008年09月10日 06時58分23秒 | モラハラ
        今日の順位はどれくらい?           にほんブログ村 家族ブログ 離婚・別居へ


なっかなかモラハラ記事が書けずに悶々としている私です。

早く書き上げてすっきりしたいのと、私の記憶に頼っている分、時間が経つに連れてあまり思い出せなくなって来ているのもあって焦っているのに、その反面思い出すことをどっかで拒否しているようなところがあって揺れ動きまくってます。

と、そんな状況ではありますが、今日はモラル・ハラスメント被害者同盟の管理人さんから頂きました、モラハラ特集のテレビ放送のお知らせをUP致しますので、是非ご覧下さい。






みなさまへ


TBSの報道番組「イブニングファイブ」で、モラハラ特集の放送があります。

放送日は9月12日(金)、関東ローカルで18時17分から12分程度のVTRです。
その日のニュース状況により、日にちも含めて大きく変わることがあります。
今回は総裁選がらみのため、変更になる可能性が高いので、ご注意ください。

多くの方に見ていただきたいのでコピペは大歓迎です。

なお、ただいま発売中の「新潮45」にモラハラ関連の記事が掲載されていますので、こちらもどうぞ。







この「新潮45」は私も購入して読ませていただきました。

以前取材を受けた時にお会いした橘由歩さんがお書きになった記事(どの記事かはモラハラ同盟のサイト、トップページでご確認ください)で、被害者の追い詰められていく心理や、またどうしてそんな事件が起こってしまったのかという背景を丁寧に綴っていらっしゃいます。

被害者は被害者でい続けてはいけない・・・という橘さんのメッセージが伝わってくる記事です。

是非こちらも読んでみてくださいね





モチベーションが上がったり下がったりでややまだ不安定?な私に、とりあえず応援クリックお願いします。

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妊娠初期<3>

2008年09月04日 17時01分55秒 | モラハラ
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今までのエピソードはこちらからどうぞ  目次 




弟と出かけたことがきっかけで、付き合っていく自信がないと言い出してしまったKを安心させる為に必死だった私は、いつでも自分がどこにいるのかをKに報告するようになりました。

そして、もうあんなケンカ(?)をしたくないと思った私は、知らず知らずのうちにKに自分の行動をいちいちKにお伺いをたてるようになって行きました。

もちろん家族と出かけることすらも、決める前に必ずKに聞いていました。

Kはダメということはありませんでしたが、あまり行って欲しくない時には機嫌が悪くなるので、そんな時は自分から行くのをやめていました。

弟とはその時以来、一緒に飲みに行くことはなくなりました。

しばらくして弟に

「ねーちゃんは彼氏に何でも聞かないと何もできねぇんだな。」

と言われてしまうようになりましたが、その頃の私にはそんな自覚はありませんでした。

Kに強制されている訳ではありません。

でも私はそれでKが安心するならと、そう思ってしまっていたのでした。






・・・そんな風にして、どこに行くにもいちいちKにお伺いをたてていた私。

いつものように何のためらいもなく携帯を取り出し、Kに電話をかけました。

もしかしたら仕事で出れないかもしれないと思いながらも、呼び出しコールの間じっと待っていました。

するとKは思ったより早くに

「どうした?」

と、ちょっと焦り気味にも取れるような声で出たのでした。

私はびっくりして

「え?ああ・・・本を買いに駅前まで来たんだけど、ないから隣駅まで行ってもいいか、聞こうと思って。」

と言うと、Kはホッとしたような声で、

「何だ・・・何かあったのかと思って、びっくりしたよ。」

と言ったのです。

前回の流産があったので、Kも私の体を心配してくれているようでした。

そんなKの気持ちが伝わってきて、私はそんなことでもじ~んとしていました。

Kは

「う~ん。」

と言いながら一瞬考えたようで、

「・・・今日はもうそのまま帰れよ。」

と言いました。

半ばいいよと言ってもらえると思っていた私は驚き、

「何で???」

と、とっさに聞いてしまいました。

するとKは

「本屋に行くなら休みに俺が連れてってやるよ。だから今日は買い物だけして帰れ。・・・あ、重いもんも休みに買えばいいんだから、持つなよ?」

と優しい声で言ってくれたのです。

「うん、分かった。」

私はもしかしたら手に入ったかもしれない本をあきらめなければならないことに少しガッカリしつつも、Kの言葉が嬉しかったので、素直に聞き入れました。

じゃあ、と言って切ろうとした時、

「あ、待って!」

とKが慌てて言うので、私も慌てて耳から離した携帯を再び耳につけると、Kは

「これからはなるべく電話に出るようにするから、何かあったら必ず真っ先に電話してこいよ?」

と言ってくれたのでした。

私はとても嬉しくなり、電話を切った後もしばらく顔はにやけていました。

そしてそのままスーパーに立ち寄り、その日はまっすぐアパートに戻ったのでした。







それから1日~2日して、私はまた激しい下痢に見舞われました。

前回の妊娠同様、お腹が痛み、トイレに行く回数も増えてきました。

でも不思議と下痢をしていても前回のように下腹部が張るような感じは全くなかったのです。

「お腹の張りは?」

前回の妊娠で、流産しかかった時に必ず聞かれていたことでしたが、この時は実際お腹が張るという状態がどういうことか分かっていませんでした。

しかし、私はこの時初めて、お腹が張るということがどういう感じだったのか、分かったのです。

(下痢はしている、でも何か前の時と違う・・・。)

そうはいっても私を襲う、大きな不安。

また流産してしまうのではないか・・・そんな思いにとらわれ、いてもたってもいられない気持ちでした。

今回の妊娠が分かった時、先生が

「本当はこの時期は1ヶ月に1回程度、診察に来ていただければいいんですが、きっと不安もあるでしょうし、最初のうちは1~2週間に1回診察に来て下さい。
また不安なことがあったらいつでも来てもらっていいですよ?」


と言って下さっていました。

しかし、「もうすぐ毎日ここに来るようになる」と言っていた先生でしたが、まだ正式に毎日くることになっていた時期ではなく、相変わらず週に1回しか診察をされていない時期で、私は悶々としながら数日を過ごさなければなりませんでした。

その頃からトイレに行くと必ず出血がないかを必死に確認してはホッとしていたのです。

そしてそれからようやく先生の診察日の日になり、私は朝イチで病院へ向かったのでした。

診察を受け、エコーで見てもらうと、先生は笑顔で

「大丈夫ですよ、異常はないですから。」

とおっしゃったのです。

私はホッとしながら、またその時に頂いたエコー写真を握り締めていました。

前回の妊娠の時も激しい下痢をしてしまっていた私。

先生にそのことを訴えると、

「確かに下痢はあまりよくはないですけど、結構そういう方はいます。必要以上に怖がることはないですよ。」

と言って下さいました。

不思議と先生にそう言われると、あんなに不安だったはずなのに、何だかとてもホッと出来ました。

そして先生はまた、

「不安でしょうけど、大丈夫ですからね。また何かあったらすぐいらして下さいね。」

と言って笑って下さったのでした。

診察が終わり、病院を出るとすぐにKに連絡をした私。

しかし忙しくて出られなかったのか、数回のコールの後に留守電へと切り替わってしまいました。

心配しているだろうから電話を、と思った私でしたが、仕事で出られないのに無理やり何度も掛け直すまでもないと思い、簡単にメールで説明をすることにし、家までの道のりを歩き始めながら携帯でメールを打ってKに送りました。

それを見て安心したのかどうなのかは分かりませんでしたが、その後Kからの返事や連絡はなく、そのままその日は買い物を済ませ、家で大人しくしていたのでした。








更新が滞っていてごめんなさい。

何だか早く終わらせたい気持ちと、向き合いたくない気持ちとでちょっと悶々としています。

それでも何とか書いて行こうと思いますので、応援お願い致します。

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妊娠初期<2>

2008年08月27日 10時09分03秒 | モラハラ
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今までのエピソードはこちら  目次 





「俺にとってはただの男だっ!!」

そう言われて唖然としてしまった私。

一瞬何を言ってるのかが分かりませんでした。

ほわんと温かなほろ酔い気分も完全に醒め、代わりに冷た~い空気が私の周りを流れているようでした。

私は我に返ると、

「何言ってんの?!弟だよ?弟っ!!」

と必死にKに訴えました。

するとKは、不機嫌な声で、

「とにかくもうこういうのは絶対に嫌だから。」

と言ったのです。

そして、突然、乱暴に電話を切ってしまいました。

「ちょ・・・ちょっと、Kっ?Kっ?!」

私は慌ててKに電話を掛け直しました。

呼び出しコールの間、動揺しながらもKが出てくれるのを祈るような気持ちで待っていた私。

すると、10コールくらいになってようやくKが出てくれました。

「K?何で切っちゃうの?」

私はすぐに言葉を発すると、Kの反応を伺っていました。

Kは低い声で

「何でって・・・。」

とつぶやくように言うと、そのまま黙ってしまいました。

駐車場に車を停めて、実家のマンションに向かっている最中なのかKの歩いている音と息遣いが電話の向こうから聞こえてきています。

いつもマンションの入り口まで来ると、自然と電話を切ることになっていたので、私は焦りました。

「さっきの話だけど、2人でって言ったって、弟だよ?家族だよ?Kにだって妹がいるじゃない。
弟と出かけてそんな風に言われると思わなかったよっ!!」


そう告げると、何だか腹立たしくなってきた私。

あまりの理不尽さに爆発しそうになりつつも、何とか冷静になろうとしました。

するとKは、急にしおらしい声になり

「悲しいよな・・・俺はこんな時間まで仕事で、お前に会いたくても会えないっていうのに。
お前に俺がいない間遊ぶなとは言わないけど・・・。
ただ俺はお前に会いたかったんだよ。
その気持ちを分かってくれてもいいじゃないか。」


と言ったのです。

その言葉を聞いてはっとした私。

(そっか・・・Kは自分が一生懸命仕事している間に私が他の人と楽しく遊んできたことがショックだったんだ・・・。
だからあんな言い方をしたんだ・・・。)


と思ったのでした。

考えてみたら私の父も母が常にどこにいるのか知っておかないと気が済まない人で、母は父に断ってからでないと全く出かけられない人でした。

いえ、父がいいと言わないところは絶対に行かれないのです。

それが普通だと思って育ってきている私には、Kが暗に私に求めていることが分かったような気がしました。

(何も言わずにKが仕事をしている間に楽しんできた私がいけなかったんだ・・・。)

そう思った私は、

「・・・そっか、ごめんね。私が悪かったね。もうKが仕事の時には飲みに行ったりしないようにするから。」

と素直にそう思ったことを言いました。

するとKは

「・・・分かってくれたんだね。やっぱりにゃりんたは俺の彼女だなぁ・・・。」

とつぶやくように言った後、

「でも、俺も悪かったよ。俺が仕事の間出かけちゃいけないなんて思ってないから。これからはちゃんと報告してくれよ?」

と優しい声で言ったのでした。

ようやく仲直りできてその後少し話して電話を切った私達。

Kが分かってくれて私もホッとしたのでした。

ところが、翌日からKの様子が変になってしまったのです。

いつものように仕事が終わった後、会う約束をしてKの車で出かけても、なぜか浮かない顔をしています。

話しかけても上の空だったり、不機嫌ではないものの、何か悩んでいるような、迷っているような、そんな感じのK。

私は心配になり、何度も何度もKに

「どうかした?何かあったの?私のせい?」

と聞きました。

しかし、返って来る答えは

「別に・・・。何でもないよ。」

というものばかり。

明らかに何でもないという態度ではないので、私は本当に心配になりました。

理由を考えても全く分からず、仕事で何か嫌なことがあったのかと思うだけでした。

怒っているのではないので、話しかけるとちゃんと答えてくれる・・・。

でも何か変なのです。

そんな状態が1週間くらい続き、週末になって朝からデートをしていると、やはり前日までと同じ状態のK。

出かけていてもどことなく元気がなく、そんな状態で楽しめるはずもありません。

するとKは夕方になって、

「もう今日は帰ろうぜ。」

と言い出し、車を私のアパートの方へ走らせ始めました。

いつもならもっともっとずっと一緒にいたいと言って、そんな時間に帰るなどありえないことだったので、私はとても驚きました。

心配な上、正直そんな雰囲気に段々嫌になってきていた私は、

「ねぇ、K、どうしたの?これがいつものKだなんて全然思えないよ?
明るい時ばかりじゃないのは分かるけど、何か思ってることがあるなら言ってよ?」


と必死に訴えました。

するとKは、黙って私の家とは全然違う道へとどんどん車を走らせて行きました。

そして大きな公園の駐車場に車を停めると、曇った顔をしたままうなだれてしまったのです。

私はKが何を考えているのか分からず、ハラハラしながらKの言葉を待っていました。

しばらくその状態でいると、私は耐え切れずに

「ねぇ・・・どうしたの?」

と聞きました。

するとKはうつむいたまま、急に

「俺、やっぱりお前と付き合っていく自信がないんだ。」

と言い出したのです。

私は思ってもみなかったKの言葉に動揺し、

「何で?何でそんなこと言うの?」

と必死にKの腕をつかんで揺さぶりながら言いました。

しかしKはうなだれたまま首を横に振るだけです。

あまりのショックに呆然としていると、しばらくしてKが、

「俺ってちいせぇ男だなぁ。」

とつぶやくように言ったのです。

私はふと弟と飲みに行った日のことを思い出しました。

そしてやはりKは私が例え家族であっても黙って出かけてしまった事がひっかかっているのだと思いました。

「やっぱり・・・飲みに行った時のこと、気になってるの?」

そう、恐る恐る聞いてみると、Kは何も言わず、黙りこくったままでした。

結局その後も話し合いましたが、Kの本心が分からないまま、私はKに自信を持ってもらえるようにして行くから、という約束をして、その日はお互い自宅に帰ったのでした。

それからの私は、Kと会えない間、自分がどこにいるのかを常にKに連絡するようになりました。

すると次第にKも元通りになり、それからは付き合っていく自信がないなどとは言わなくなったのでした。







久しぶりに付き合っている時の事を思い出し、やるせない気持ちです。

相変わらず一つのエピソードが長くなってますが、よろしくお付き合いくださいませ。

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妊娠初期<1>

2008年08月21日 10時58分40秒 | モラハラ
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晴れて妊婦となった私。

しかし実際にはまだ3ヶ月にも満たない状態で病院に行った為、前日までの日々と何かが変わることはありませんでした。

体調が特に悪い訳でもなく、まだ実感などというものもありませんでした。

けれど、ようやく出来た赤ちゃんにウキウキし、嬉しくて踊りだしそうでした。

しかしその一方で、前回のように流産してしまったら・・・そう思うと不安でした。

病院に行って妊娠が分かった翌日、私はとにかく本屋さんで初めての妊娠についての本を探しに行こうと、アパートを出たのでした。

そう怖がることはないのに、心なしかゆっくりペースで歩く私。

慎重に慎重に・・・と歩いて行きました。

本屋さんに着き、中に入ってきょろきょろしながら目的のコーナーを探しました。

そこは小さな小さな本屋さんだったので、すぐに見つかった代わりに、妊娠関係の本は出産や子育て関係の本に紛れ、思ったよりも少ししかありませんでした。

探しても めぼしいものはなく、仕方がなく雑誌のコーナーに行き、妊婦さんが読む有名な雑誌を買おうと手にとって中をさらりと見たのです。

でも、その雑誌は妊娠5ヶ月くらいからのもので、その頃の私には何だか違和感があったのです。

その頃の自分=妊娠のごく初期の状態にぴったりのことが書いてあるような本が欲しいと思っていた私は、ガッカリしつつその雑誌を元に戻すと、静かにその本屋さんを出ました。

そして、お店を出ると軽くため息をつきました。

(妊娠は嬉しい・・・でも、また流産したらどうしよう・・・。)

絶対に大丈夫と思っていても、どうしても拭い去れない不安。

本を読んだからといってその不安が解消される訳ではないことくらい分かっていましたが、それでもいてもたってもいられない気分でした。

ふと

(隣駅の大きなショッピングセンターの中にある本屋さんならどうだろう・・・。)

と考えた私。

時間を確かめるとゆっくり行って帰ってきたとしても夕飯までには まだ充分時間がありました。

しかしその後すぐ思い浮かんだのはKの顔。

思えば私は付き合っている頃から、どこに出かけるにもKにお伺いを立ててから出かけていました。

Kが行ってもいいと言ってくれれば出かけられ、Kがダメと言われれば不本意ながらもその通りにしていました。

それはあるきっかけがあったからです。







・・・実はまだ付き合い始めの頃、Kに黙って弟と出かけたことがありました。

付き合ってからずっと、仕事が終わってから少しの時間でも必ず会っていた私達。

しかし、その日Kは仕事が遅くなる予定で、会えるかどうかも微妙な状態でした。

昼間、連絡を取り合った時に

「今日は本当に遅くなるから多分会えないな・・・。」

と、残念な声で話すKを思い、ちょっぴり寂しくなってしまった私。

そんな時、人から居酒屋の割引チケットをもらったのを思い出し、私は弟に連絡をし、飲みに行こうと誘ったのでした。

弟とはそれまで割りと仲が良く、大人になってからも何かあると一緒に出かけたり、私も弟もお酒が飲める方なのでちょくちょく一緒に飲みに行ったりしていたのです。

弟はいつも面倒臭そうな言い方をしつつ、それでも時間があると私に付き合ってくれていました。

割引チケットの期限が迫っていたというのもありますが、ちょうど彼氏が出来たばかりで浮かれている私は、弟にもそんな話を聞いて欲しかったのです。

そうして出かけたのでした。

数時間飲んで普通に家に帰って来ると、携帯がけたたましく鳴りました。

お酒が入っている私は上機嫌でKからの電話にウキウキ出ると、Kは疲れた声で

「俺。」

と言いました。

私はKからの電話に浮かれまくり、甘えた声で

「K~~~ぇ♪♪もう仕事終わったのぉ?お疲れさまぁ♪」

と言ったのです。

するとKは機嫌のいい声で

「うん、今終わったとこ。けど、どうした?ずいぶんご機嫌だなぁ~。」

と言ったのです。

私はふふっと笑いながら

「今ねぇ、弟と飲んできたのぉ~。」

と言うと、Kは小さく

「え?」

と言葉を発し、そのまま黙ってしまいました。

私はそんなKに

「あのね、居酒屋さんの割引チケットもらって、その期限が近かったし、K、今日仕事遅いって言ってたから、久しぶりに弟と飲みに行ったの~。」

と浮かれながら言ったのでした。

もうテンションは上がりまくっていて、Kが電話の向こう側で何を考えているのかなど全く考えもせず、居酒屋での話を続けていた私。

しかし、途中でKの反応がないことに気がつき、不思議に思って、

「K?」

と声を掛けたのです。

するとKはちょっと不機嫌そうな声で

「何?」

と言いました。

私はそんなKの反応にびっくりして、

「どうか・・・した?」

と言いました。

しかしKは

「別に・・・。」

と暗い声を出したきり、また黙ってしまいまいました。

ほろ酔い気分も一気にさめる勢いで、私はドキドキしながら

「だって、何か怒ってるでしょ?どうして?」

と言ったのです。

するとKは大きなため息をつくと、

「何で飲みになんか行くの?」

と静かに言ったのでした。

「何でって・・・割引チケットがあったし・・・。」

そう言いながらKがなぜ怒っているのかを必死に考える私。

するとKは

「俺が今どんな気持ちだか分かるか?」

と言ったのです。

私は黙って行った事がいけなかったのだろうと思い、

「あ・・・連絡しないで行ったのは悪かったと思うけど。」

と言いました。

しかしKは

「そんなことじゃないよ。」

と段々不機嫌さを増したような声で言ったのです。

私はさっぱり訳が分からなくなり、

「じゃあ何で怒ってるの?」

と、恐る恐る聞くと、Kはすぅと息を吸い込んで、

「俺が仕事に行ってる間に、誰かと2人で出かけるなよ。」

と言ったのです。

(誰かと2人?私 弟と出かけたって言ったよね?)

不思議に思ったのと同時に、もしかしたらKが弟と出かけたのではないと思っているのではないかと思い、ちょっとおかしくなりました。

そして静かに

「誰かと2人って・・・だって弟だよ?」

と言ってふふっと笑うと、Kはしばらく黙った後、それまでにない大きな声で

「お前にとっては弟でも、俺にとってはただの男だっ!!!」

と言い放ったのでした。







あの時は本当にびっくりしました。

まさか弟と出かけてこんなに怒られるなんて、思ってもみなかったので・・・。

でもその時におかしいと思えていたら、と思うと当時の私がやっぱりイタイ・・・。

でも過去はしっかり見つめて行こうと思います。

励ましてくださってる方、本当に有難うございます。

        
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妊娠 その3

2008年08月19日 11時00分47秒 | モラハラ
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しばらく赤ちゃんのエコー写真を嬉しそうに眺めていたKが、赤ちゃんの写真をテーブルの上に置き、真剣な顔つきになりました。

そして私に向かって

「お袋達に報告しようか?」

と言ったのです。

つい数日前、そのことでとても暗い気持ちになってしまった私は、その言葉でまた思い出し、一気にず~んとした気持ちになってしまいました。

そんな気持ちが表情に出てしまったのか、Kは私の顔をじっと見つめたまま、真剣な顔で

「やっぱりお前の気持ちを考えたら、1人でも多くの人に喜んで欲しいよな?」

と言ったのです。

しかし私は静かに首を横に振ると、

「いい。」

とつぶやくように言いました。

義母に言われた騒ぎすぎという言葉。

その時のことを思い出すと、どうしても報告する気にはなれませんでした。

やっと出来た赤ちゃん。

義両親が喜んでくれない、という訳ではないけれど、今は純粋に喜んでもらえる人にだけ言いたいという気持ちでした。

私から笑顔が消え、言葉がなくなっている様子を見てKも、これはいけないと思ったのか、Kは

「そっか。」

とつぶやくと、そのまま黙ってしまいました。

ところがその表情は何となく不満そうでした。

私は慌てて

「確かに、まだ分からないのだから、もう少し時間が経ってからの方がいいでしょ・・・。」

と口に出すと、とても虚しい気持ちに襲われました。

まだ分からない・・・そんなことは考えてもいないのに、そう言い訳してしまう自分。

とても嫌な気持ちでした。

しかしKはその言葉を聞いて、不満そうな顔を和らげ、

「そうだな。」

とうなづきました。

Kが納得した様子にホッとすると、Kはすっとその場を離れ、キッチンに向かって行きました。

タバコを吸うためです。

換気扇の下からタバコを取り出しながら

「なぁ。」

と話しかけるK。

私のいる場所からは見えないKの声に反応すると、Kは

「・・・お前の実家には言わなくていいのか?」

と言ったのです。

(私の実家?)

私はKのその言葉に驚きを隠せませんでした。

私が流産した後に出来ていた実家とのわだかまり。

その後その年に入ってからは一度も実家とは連絡を取っていませんでした。

もちろん母からも何の連絡もありません。

私は半ば意地になって実家との連絡を避けていました。

(Kも もう実家とは連絡を取るなとあれだけ言っていたのに、そんなことを言い出したのはなぜなんだろう?)

全く理解できませんでした。

私がまた複雑な気分になり黙っていると、Kはキッチンから

「なぁ、聞いてるか?」

と声を掛けてきました。

私はその言葉に

「聞いてるよ・・・。」

とつぶやきました。

するとタバコを吸い終わったKが居間に戻ってきました。

そしてぼ~っとしている私の顔を覗き込んで、

「どうすんだ?やっぱり一応連絡しとくか?」

としつこく聞いてきたのです。

私は思わず、

「だって、連絡取るなって言ったじゃない?」

と口に出してしまいました。

(何で今、そんなこと言うのよ?)

そんな気持ちでいっぱいだったのです。

しかしKは平然と、

「連絡するな、なんて言ってない。連絡しない方がお前が傷つかなくて済む、と言ったんだよ。
だからお前がしたいならすればいいんだよ。」


と言い、再び私の横に座りました。

もしかしたら、私の心情を思ってのことだったのかもしれないのですが、その時の私にはそうは思えませんでした。

逆に私の神経を逆なでされているように思えました。

(どうせ妊娠したことを言ったって、空々しく喜ぶ振りをされるだけだろう・・・それよりもなぜ今まで連絡をくれなかったのだろうと思い、それを責めてしまうかもしれない・・・。)

そう思った私は、

「やっぱりいい。実家には出産まで言わないつもりだから。」

とつぶやきました。

この頃の私は母が連絡をくれないことに対して、何も考えずに過ごして来ていましたが、Kの一言で実家に対する怒りの気持ちが溢れ出てきてしまっていたのでした。

Kは私が眉間にしわを寄せながら言った言葉を聞き、静かに

「本当にそれでいいのか?」

と聞いてきました。

しつこいなぁと思いつつ、私もうなづくと、Kもようやく

「そうか、わかった。」

と言ったのでした。

その後、Kは食事の前にお風呂に入り、出て来た時にはまたテンション高くニコニコしていました。

しかし私は、いつまでも悶々とした気持ちを引きずっていました。

Kの買ってきてくれたケーキを食べようと、お皿に用意し、居間でテレビを観ながら2人で食べていても、何となく気持ちが暗くなる私。

大好きなお店のケーキだというのに、何だかあまり味がしませんでした。

無理に作り笑いをしている私に全く気がつかないのか、Kも側でケーキを食べながら、ニコニコしていました。

そんなKの横顔を見ていて、

(こんなんじゃいけない。嬉しい日なんだから、もう考えるのはよそう。)

と思った私。

そしてそっとお腹に手を当てると、

(生まれて来るまで、出来る限り穏やかな気持ちで過ごしたいな・・・。)

と思ったのでした。






何とも複雑な気持ちで終わったこの日。

でもとにかく赤ちゃんが出来ていると分かって、本当に嬉しかった日でした。

テンションの低い時期にそっと下書きをしていたモラ記事ですが、余計テンションが下がってしまい、しばらく遠のいていました。

でも早く終わらせる為、頑張ります。

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妊娠 その2

2008年08月12日 13時41分16秒 | モラハラ
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診察室を後にした私は一旦病院を出ると、急いで携帯を取り出し、Kに電話をかけました。

仕事が忙しい時期でしたが、内容が内容だけに、メールよりも手っ取り早いという理由で、電話をかけたのでした。

Kもそのつもりだったのでしょう、ありえない早さで電話に出ると、いきなり

「どうだった?!」

と聞いて来ました。

その様子に、Kも興味がない訳ではないんだなと感じた私は、少しほっとし、

「妊娠してたよ。」

と言いました。

するとKは嬉しそうな声で、

「そうか~良かった!!」

と喜んでくれました。

しかし、本当に忙しい状況だったようで、Kは

「今日はなるべく早く帰れるようにするから!」

と言うと、電話は切れてしまったのでした。

それでも嬉しい報告が出来た私は安心し、再び病院の中に入って行きました。

そして、坂本さんに会うため、そのまま診察室の脇にあった病室へと続く階段を上がって行きました。

小さい病院ですから、病室など聞かなくても坂本さんが大体どこにいるかくらいは検討がついていました。

用意してあった小さなお祝いの品を手に、病室を覗くと、そこには本当に久しぶりに会う坂本さんの笑顔がありました。

そして、腕には小さな赤ちゃんが抱かれていました。

私は挨拶もそこそこに、坂本さんに近づくと、腕に抱かれた赤ちゃんを覗き込みました。

目を閉じてすやすや寝ている赤ちゃん。

そのかわいさにうっとりしながらも、もし自分が妊娠していなかったらこんなに素直な気持ちで坂本さんの赤ちゃんを見れただろうかと考えてしまいました。

坂本さんは、

「抱っこしてみる?」

と言って、私に赤ちゃんを抱かせてくれました。

そして写真を撮ってくれました。

姪っ子の時に生まれて間もない赤ちゃんを抱かせてもらったことはありましたが、その時は義妹が退院して随分経ってからのことだったので、こんなに生まれたての赤ちゃんを抱いたのは初めてでした。

小さくて温かくて、自分がそんな穏やかな気持ちになるなんて思ってもみませんでした。

赤ちゃんをそっとベッドに寝かせると、坂本さんはずっと心配してくれていたと言って、私の体調を聞いてくれました。

そこで私は、実は妊娠したのではないかと思ってたった今診察を受けてきたことを話しました。

その話を聞いて

「ええ~?本当??で、どうだったの???」

と身を乗り出すようにして聞いてきた坂本さん。

私が静かにうなづきながら

「うん、出来てたの。」

と言うと、坂本さんはぱあっと顔を明るくして、

「本当?良かったねぇ~~~~~~♪♪」

と思いっきり喜んでくれました。

そんな坂本さんの様子に再び感動してしまった私。

何だかこんなにも純粋に妊娠を喜んでもらえるなんて、と じ~んと来てしまったのでした。

坂本さんが

「1人でつまらないの。」

と言っていたので、しばらく話し込んでしまいましたが、坂本さんの体調もあるので、名残惜しいような気持ちで病室を後にし、病院を出ました。

そして心なしかゆっくり目に、アパートまでの道のりをウキウキした気持ちで歩いて行ったのでした。






その夜、大きなケーキの箱を持って、本当に早めにKが帰ってきました。

そしてここ最近ではまた見られなくなっていたとびきりの笑顔で、

「ただいま!!」

と言うと、私にケーキの箱を差し出しました。

その箱は、Kの実家のすぐ近くにある洋菓子店のものでした。

「え?いつ買いに行ったの?」

靴を脱いで私の横を通り過ぎようとするKに語りかけると、Kは私の方に振り向きながら、

「帰りだよ?」

と言ってニコニコしました。

いつもだったら先輩達と仕事が終わった後ダラダラと話をしてから帰ってくるK。

でもその日、ありえないくらいの早い時間にケーキを買って帰って来てくれたということは、それだけ急いで会社を飛び出したことになるのです。

私はケーキの箱を両手で持ちながら、

「ありがとう。」

と言ってにっこり笑いました。

私が大好きな洋菓子店のケーキ。

私はウキウキした気持ちでケーキを冷蔵庫にしまうと、そのままキッチンで食事の支度の続きをしました。

するとKのいる居間から

「お~い、にゃりんた~。」

と、私を呼ぶ声が聞こえました。

私は作業の手を止めて、軽く水で手を洗うとタオルで拭きながら

「なに~?」

と返事をし、居間に向かいました。

Kが自分の左隣の床をトントンと叩くようにして、私をそこへ座るようにというしぐさをしたので、私は素直にすとんと座ると、Kがゆっくり私に抱きついて来ました。

そして、

「良かったなぁ~。ほんとに。」

と言って、抱きついたまま優しく私の背中をさすってくれました。

私もぎゅ~っとKにしがみつくと、

「うん。うん。」

とうなづきました。

そしてKはそのまま

「今度は絶対大丈夫だ。頑張ろうな。」

と言ってくれたのです。

私はその言葉にじ~んとしながら、うん、うん、とうなづきました。

やっぱりKも赤ちゃんが出来たことを喜んでくれた。

それがとても嬉しかったのです。

しばらくそのままでいましたが、私はゆっくりKから離れると、

「そうだ、赤ちゃんの写真見る?」

と聞きました。

するとKは一瞬で またぱぁっと顔を明るくし、

「見る!見る!!」

と興奮したように言いました。

私はゆっくり立ち上がって、背後に置いてあったバッグに手を伸ばすと、その中から手帳を取り出し、そこに挟んであった白黒の小さな写真を取り出し、Kに差し出しました。

前回の妊娠の時にはあまり見る事のできなかったエコー写真。

Kは両手で受け取ると、じ~っと写真に見入っていました。

そしてその中に黒いはっきりとした影を見つけると、指を差して

「これがそうだよな?」

と言いました。

私もKに近づき、写真を覗きこむと、Kの指差している場所を見て、うなづきました。

するとKはそのまま嬉しそうにニヤニヤしながらその写真を見続けていました。

私はその間Kの横顔を見ながら、赤ちゃんが出来た喜びと幸せに、じ~んとしていたのでした。









このエピソードの時は、本当に幸せな気持ちでした。

こんな風にいい時があるから、変だと思っていても我慢し続けてしまったんだなぁと思います。

ああ、本当に早く忘れてしまいたい。

この頃はそんな気持ちか、思い出すのが本当に困難になってきました。

それでも最後まで続けたいと思います。

そんな私を応援して下さい・・・。

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妊娠 その1

2008年08月06日 16時13分15秒 | モラハラ
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1人キッチンに向かい、シンク前に立つと、さっきまでKが吸っていたタバコがまだ煙を上げていました。

きちんともみ消していなかったせいか、細くたなびく煙が上がっていました。

ぼんやりそれを眺めていると、まるで私のくすぶった心のようで、私は灰皿の中からそのタバコを取り上げると、ムキになってグリグリ灰皿に押し付けました。

(悔しい、悔しいっ!何でお義母さんに言われたからって病院に行くのを待たなきゃなんないのっ???何でKはそんなこと言うのよっ!!)

そう叫びたい気持ちでしたが、自分で様子を見ると言った以上、もうそうするしかないと思いました。

私にとっては義母に言われた時よりもこの時の方がはるかにショックで、その気持ちのやり場をどうしていいのか分かりませんでした。

けれど、もうそんなことを考えていても仕方がないと思い、必死に気分を変えようとしました。

しばらくキッチンでぼ~っとしていると、Kが静かにやって来るのがわかりました。

さすがに私の様子がおかしいと思ったのでしょう、Kはダイニングのイスにそっと腰掛けると、

「なぁ。」

と話しかけてきました。

私は顔も見たくない気分でしたが、Kに背中を向けたまま

「なに?」

と返事をしました。

するとKは、

「何か怒ってるなら悪かったよ。
だけど俺はまたあんな風に言われるのも嫌だろうと思ったからそう言っただけなんだ。
体のことも心配だし、明日にでも病院に行って来いよ。」


と言ったのです。

しかし私はその言葉を聞いても、

(そう思うなら最初からそう言えばいいのにっ!!今更何言ってんのっ!!)

と思ってしまいました。

そしてまた腹が立って来たのです。

けれど何にせよ、Kが謝ってきているというのにいつまでもこんな態度ではいけないと自分に言い聞かせ、何とか冷静を保つように必死になっていました。

しばらくそのままの状態でいた後、少し冷静になってきた私はくるっと振り返り、同じようにダイニングのイスを引いて腰掛けると、Kに

「分かった。でも、やっぱり病院はもう少し様子を見てからにする。」

と言ったのです。

本当はまだ心の中のもやもやは消せない状態でしたが、とにかくそうすることで自分を納得させようとしていたのです。

しかし、Kは私の肩をつかむと、軽く揺すりながら

「何で?何でだよ?病院は明日にでも行ってくれよ。な?心配だから。な?」

と言ったのです。

しかし、私にもゆずれないものはありました。

もうそのままKが

「そうか、分かった。」

とでも言ってくれさえしたら、丸く収めようと思っていたのです。

そうでなければ気持ちなどおさまりませんでした。

しかし、Kはしつこく

「なぁ、そんなこと言わないで、病院に行けよ~。な?いつまでも怒ってないでさぁ~。」

と、ほんの少し甘えるような口調になりつつ、食い下がってきたのです。

私はうんざりしてきました。

私の心情も理解してくれないのだろうかと、また気持ちが沈んできました。

とてもとてもやりきれない気持ちでしたが、そんなことは全く気にも留めていない様子で、Kは尚も

「な?行って来いよ?な?な?」

と続けています。

これは私が首を縦に振らなければ、ずっと言い続けるだろうと思いました。

そしてそのうち、きっと怒り出すだろうと思いました。

妊娠しているかもしれない私。

こんなことで気分を害していたら体に悪いかもしれない・・・私は無理やりそう思うと、納得の行かない気持ちで、ついに

「分かった。」

と、言ったのです。

その瞬間、言いようのない虚しさと、何故か負けた・・・という思いが私を襲ってきました。

それとは対照的にKはホッとした顔をして、

「じゃあ、病院に行ったら明日、連絡くれよな?」

と言って、あっさりとキッチンから出て また居間に戻っていったのでした。







しかし翌日、私はKを見送った後、居間でぼ~っとしながら、重要なことを思い出しました。

私がいつも診ていただいていた先生は、週に1度しかその病院で診察をしていないのです。

そしてその日は先生の診察の日ではありませんでした。

病院に行くと言ったものの、前日のKの言葉で私の気持ちもまだ意地になっていて、どうしても行きたくないと思っていたので、私はその日が診察日でないことにちょっぴりホッとしました。

早速Kにそのことをメールすると、

「そっか、それは残念だったな。」

と、珍しくすぐに返事が返って来ました。

こうして私の思いは叶い、その日は行かずに済んだのでした。

しかしその事実がなかったら、きっと病院に行かない言い訳を考えるのに必死だったのでないかと、その後 洗濯物を干しながらそう思っていました。

もう忘れよう・・・私は私の中で何とか区切りをつけて、その日以降は元通りの私に戻ったのでした。






それから数日後、先生のいる診察日がやってきて、ようやく病院に行かれる日がやってきました。

朝、仕事に向かうKに

「今日・・・病院に行ってくる。」

と告げると、Kはニコニコして

「そうか、分かった。気をつけて行けよ?」

と言って出て行きました。

ちょうどその頃、私が流産しかかって入院した時に同室で友達になった坂本さんから、数日前に無事出産したと連絡があったのです。

私が流産して先に退院することになった時、残念そうにしていた彼女に、生まれたらすぐに赤ちゃんの顔を見に行きたいので、連絡をくれるようにお願いしていたのでした。

こうして病院に行くことになったので、どうせなら坂本さんと赤ちゃんの顔を見たいと思っていた私。

面会時間もあるので、午後から行くことにし、午前中は家の中の事をやろうと思っていたのですが、いざ病院に行くとなるとドキドキして来てしまい、何も手につきませんでした。

何とかして午前中をやり過ごし、午後頃合を見計らって家を出ると、外は少し雲が多目でしたが、太陽が照っていて、ぽかぽかとした陽気でした。

病院は思ったより空いており、それほど待たずに診察を受けることになりました。

久しぶりに会う先生は相変わらずニコニコとして私を迎え入れてくれました。

その顔を見ただけで何となくホッとする私。

挨拶をすると、イスに座り、先生の顔をじっと覗き込むようにして見つめました。

段々と心臓が高鳴り、いてもたってもいられない気持ちでしたが、先生は一段と笑顔で

「おめでとう、妊娠していますよ。」

と言ってくれたのでした。

そして、白黒の写真を手渡してくれました。

先生はその中で一番小さい黒い影を指差しながら、

「ほら、袋が見えてるでしょ?」

と言ってくれたのです。

もうその時の私は嬉しいというよりも感動してしまって、何が何やら分からない気持ちでした。

あまりにもぼ~っとしている私に、先生は優しく

「にゃりんたさん、良かったですね。まぁ出産まで僕が責任持って診ますから、一緒に頑張りましょう。」

と言ってくれたのです。

私はただ繰り返しうなづき、写真をじっと見つめていました。

すると先生は、私が持って行った基礎体温表を見て、予定日と週数を教えてくれたのでした。

予定日は12月。

しかし、ふと、

(先生は週に1回しか診察に来ないのに・・・大丈夫だろうか?)

と不安になり、慌ててそのことを聞いてみたのです。

なにかあった時にはどうすればいいのだろう・・・。

またあの初老の先生に診てもらうことになるのだろうか?

とてもとても不安でした。

しかし先生は、

「うん、大丈夫、実は僕ね、もうすぐ毎日ここに来ることになるから。」

と言って笑ってくれたのです。

その時はどういう意味か分からなかったのですが、その後先生は大学病院を辞めてその病院を継ぐことになったと分かりました。

とてもいいタイミングで妊娠した私。

全てがいい方に向いていると思いながら、私は診察室を後にしたのでした。







今回は自分の気持ちをどう表していいのか、ちょっと迷ってしまいました。

意地になって子供のようにかたくなになってしまった自分。

でもようやく妊娠できて、この時は本当に嬉しかったです。

続きも頑張りますので、いつもながらクリックプリ~ズ

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ようやく全部読みました。 

とてもオススメの本です

家庭モラル・ハラスメント (講談社 α新書 400-1A)
熊谷 早智子
講談社

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