夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

ブラック・フォン

2022年07月02日 | は行の映画
Story
コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていた。気が小さい少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に「手品を見せてあげる」と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。気が付くと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。(映画.comより)
2022年/アメリカ/スコット・デリクソン監督作品






評価 ★★★☆☆

これは、かなり凝った作りのホラー。
平和な少年野球の風景が一転して、連続誘拐犯の恐怖に包まれた田舎町の風景に変わるところから好調な滑り出し。
そんな町に、父親と暮らす兄妹。亡くなった母の霊能力を引き継いで予知夢を見ることができる妹。その兄が誘拐されて地下室に監禁されてしまう。
地下室の少年に黒電話を通して犠牲者から電話が掛かってくる。死者からのアドバイスを受けてあれこれの手で脱出を試みる。一方妹は、予知夢の能力を使って彼の居所を探し廻る。

少年を演じたメイソン・テムズの好感度が○で、彼を起用したのが成功の一因だと思います。
野球の腕はそこそこ、自作のロケットを飛ばしたり、科学の才能もあるみたいですが、DV親父の抑圧、イジメっ子の襲撃、振り向いてくれない彼女、といった具合にいまいち突き抜けられない、悩み多き少年を好演してました。

監禁された地下室と、階段を上った先には鞭を持って待ち構える誘拐犯というのは、抑圧された少年の内面をビジュアル化したみたい。脱出の企てはことごとく失敗するのですが、それが最後の誘拐犯との対決の時に全て役に立つ、というのはよくできた構成です。誘拐犯をやっつけて、一人前の男になった彼が自信満々学園に乗り込む所は、昔よくあった青春映画のおもむきがありました。

イーサン・ホークは今回もチャレンジャブルな役を怪演。
それにしても、結局大人たち(刑事、教師、親父)は最後まで何の役にも立たなかったのでした。




映画『ブラック・フォン』公式サイト


(「ブラック・フォン」2022年 7月 立川シネマ1 にて鑑賞。)

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