うた魂（たま）♪

Story
高校女子合唱部のかすみ（夏帆）は、歌っている自分が大好き。ある日、イケメン生徒会長から「歌っている君を写真に撮りたい」と言われ、自分が好きなんだと有頂天になる。しかし、出来上がった写真を見て大ショック。歌っている自分がこんな顔だったなんて。生徒会新聞にその写真が大きく使われ、悲しみと自信喪失で合唱部を辞めると言い出す。しかし、かすみのやる気のない態度に、ヤンキー高校の合唱部から文句をつけに来た男がいた…。（goo映画より）
2007年/日本/田中誠監督作品





評価　★★★☆☆

『天然コケッコー』の夏帆ちゃん主演のコーラスを通して成長する青春映画♪

夏帆ちゃんが異常なまでに自分のルックスと歌声に自信のある、自意識過剰な女の子を好演していました。肝心の歌声はというと、吹き替えなしで熱唱していましたが、いまいち上手いのか？よく分からないです。。^^;　でも、ソプラノの奇麗な声をしてましたね。

かすみ（夏帆）が所属する七浜高校コーラス部は、全国大会の常連というくらいレベルの高いコーラス部。このコーラス部の女子部員たちは、さすがオーディションを勝ち抜いてきただけあって歌が本当に上手で、ルックスのかわいい女の子が揃っているせいか、彼女たちが画面に登場するたびに華やいだ印象がありました。

それとは対照的に、権藤洋（ゴリ）を筆頭とするヤンキー集団：湯の川学院高校のコーラス部員が登場します。ヤンキーがコーラスなんて、というギャップにまず笑わせてくれましたが、市民会館みたいな会場で、尾崎豊の「15の夜」など、世間への反抗的なソングを彼等が熱く熱唱する姿にはとても笑えました。

好きな男性に「歌っている顔が産卵中のシャケみたい」とバカにされて悩むかすみに、権藤がアドバイスする台詞があるのですが、それがとても面白かったです。
「今から真剣十代になるけど、覚悟はいいか？」
「格好ばかり気にしている奴は、一生ダセェまんまだ。」
これらの台詞は、ヤンキー姿のゴリが言うと、妙に説得力があって良かったですね。

そして、対照的な両者の間に、ひょうひょうとした不思議な存在感を放っていたのが、七浜高校コーラス部の顧問を演じた薬師丸ひろ子。実は、彼女は権藤がコーラスを始めるきっかけになった伝説のストリート・ミュージシャンという役柄でもあり、ひさしぶりに薬師丸の歌声（尾崎豊の「oh my little girl」を熱唱♪）が聴けたのもなんだか新鮮でした。

とにかく登場人物のキャラクターが皆、個性的でとってもユニーク！物語の方もコミカルで、青春ものらしいホロっとした展開もあるので、大人が観てもなかなか楽しめる作品に仕上がっています。
ちょっと尺が長いのが難点ですが、その分、コーラスの一曲、一曲をじっくり聴かせてくれるので、歌うことの楽しさが伝わってくる映画です。ラスト、ゴスペラーズの「青い鳥」をみんなで歌うシーンはなかなか感動的でした！


映画『うた魂（たま）♪』公式サイト


（「うた魂（たま）♪」2008年４月　松本市　松本エンギザにて鑑賞）