国際交流のススメ

舞台芸術・海外公演に関する情報をニューヨークから発信します。

FringeNYC フェスティバルって (5)

2009年08月30日 | 海外公演

from Website of Kaimaku Pennant race: http://www.kaimakup.com/


FringeNYCに今年日本から唯一参加していたのが劇団開幕ペナントレース。タイトルは“Romeo & Toilet”

タイトルが示す通りB級です。もし私が東京に住んでいたら、あの分厚いチラシの束からこの劇団をセレクトすることはなかったでしょうし、恐らく観劇の機会はなかったでしょう。(失礼で、すみません!)

しかしこれもNY住む、ある種の面白さとも言えます。実は歌舞伎や能なんかも、NYに来て初めて見た、という日本人が結構います。西欧文化の中で暮らして、日本の特異性に気付くこともあります。歌舞伎や能は伝統芸能ですから、当然、西欧とはかなり異質な様式美を備えています。しかし、これだけ西欧化した現代日本で作られる現代演劇も実はかなり異質な部分を含んでいます。

例えば演技でも、小劇場によく行く人はすでに感じていないかもしれませんが、日本の小劇場演劇での演技というものはかなり異質です。アメリカのそれとは当然かなり違っています。なおのこと、笑いに対するセンスも違って当然です。

恐らく開幕ペナントレースを見たアメリカ人は、ほとんど良く理解できないまま、変な物を見せられたなあ・・・と感じているでしょう。とにかく煩い、しつこい、馬鹿馬鹿しい。ストーリーもへったくれもなく、英語もめちゃくちゃヘタクソ。下ネタ部分はストレートなためか、かなり受けていましたが、とにかくああいうある種暴力的な笑いというのは、アメリカではあまり見られないもので、その異質ぶりは伝わったと思います。

しかしまあ、僕の観察した感じでは、かなり好意的に受入れられていたように思いますし、潔いまでの直球勝負ぶりが、個人的には好感を持ちました。なにより地球の反対側のニューヨークまで来て、アメリカ人に自分たちの舞台を見せてやろうという意気込みを感じました。


彼らのニューヨーク公演の様子がホームページから見れるようです。
http://www.kaimakup.com/



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