goo blog サービス終了のお知らせ 

草の名

私が栽培している薬草や、道端の草でセルフメディケーションにも使える類の植物を紹介してゆきます。

ローゼル

2015年07月03日 | 薬草・雑草

  ルビーを思わせるような赤色のティー。

その色素成分は、疲労回復効果があり、眼精疲労の予防と快復に作用します。

 そのティーの名は「ハイビスカスティー」。

 

ハイビスカスティーと云えば、南国の花としてよく知られている園芸種の「ハイビスカスの花をお茶にするの?」と多くの方は思われるかもしれませんが、ティーにするのは同じアオイ科でもローゼルHibiscus sabdariffaという別の種類なのです。

ローゼルはアオイ科の中でも食用として改良された品種なのです。最近では交配種や変種が多く作られており、現在では100種類以上あると云われています。

よく目にすることが出来るローゼルは、花色が淡いピンク色、淡黄色と濃いピンクの3種類です。萼はいずれも濃い赤色ですが、淡い黄色種の萼が、一番肉厚です。

 

一般的なのは淡黄色、萼が一番ふっくらしています。花色の濃い種類はどうも中国産のようで、温室では多年草となり、葉はお茶にも使えます。

東京オリンピックで、マラソンの優勝者エチオピアのアべべ選手が、このハイビスカスティーを愛飲していたことから一躍有名になりました。クエン酸を多く含んでいて酸味があり、疲労回復には、効果があったのでしょう。以来ハイビスカスティーは“スポーツドリンクの王”と呼ばれています。 

 ティーに使うのは、花ではなく萼の部分です。

花後にこの萼が生長し多肉質に肥大化します。この肥大化した部分を収穫し、乾燥させて利用します。ティ-ばかりでなく、ジャムやソースの色づけに使えます。原産地のアフリカでは、茎からは繊維を、種子は炒って調理に、葉も蔬菜として食用にしていたそうです。また生の萼片に、塩を一振りして一晩ねかせてから、水洗いすると梅干しの代用にもなります

試しに葉を(濃い赤花の種類を)お浸しにして食べてみたことがありますが、ごわごわした食感が、どうも・・・でした。調理法によっては酸味のある蔬菜として使えるかもしれません。

本来は多年草なのですが、日本での路地栽培では一年草扱いです。昨年の種を蒔きましたが、種まきのタイミングがよくなかったのか、今年は発芽せずガッカリしていると、それを知った習志野のTさんが、種から栽培された今年の苗を、ピンクの花と黄花の二種を数本ずつ持ってきてくださいました。

ローゼルの苗はあまり流通しておらず入手困難ですから、なんと有り難いことでしょう。

謝謝、感謝・・・です。

早速、目につきやすい場所に植えようとしましたが、未だ茅類、スギナ、ハマスゲなどが我が物顔で占拠しているので、植え場所の確保を優先するとその作業に半日かかり、夕方漸く植え付け完了。

生長が待ち遠しい!!

早く伸びろロゼリ草 出さぬと鋏でちょん切るぞ・・・・・猿蟹合戦のお婆さんの思いです。

先日“隠れ脱水”といって、自分では自覚のない脱水症状のあることを放映していました。

今年の脱水予防は、酸味のあるハイビスカスティーで・・・・・。

皆様も、いかがですか?


パンパグラスの刈り込み

2015年07月03日 | 薬草・雑草

 園の中央に、径2.5mにもなりそうなパンパスグラスがありす。

「あのススキの大きいのはなんて云うの」と度々訊かれます。

  植物名はシロガネヨシ 学名はCortaderia selloana 、イネ科で、原産地はブラジル、アルゼンチン、チリ等の南米大陸に拡がる乾いた広大な温帯草原に生える多年生植物です。

その草原地帯をパンパスpampasといい,それが名の由来となり、一般には英名のパンパグラスのほうがよく知られています。


高さが3m近くになる大型で、茎は垂直に立ち上がり60cm~70cmの長い羽毛のような花穂をつけます。雌雄異種株で、雄株の穂は細長く、雌株の穂は幅は広くやや薄いピンクがかった白銀色をしています。

右の写真は大きくなり、どこから手をつけて良いのか、分からなくなった姿です。

刈らなくては・・・と気になっているうち、新芽は伸びてきましたが、未だ昨年の花穂がそのままになっているのが気になり、思い切って刈って姿を整えようとしましたが、私では手に負えません。

                                                そこで10日程前、職員のSさんの手を借り、刈り払い機で一気に刈って貰いました。

一気にとはいえ、30分近くかかった大仕事でした。おかげで、伸び放題だったのが見違えるようになりました。

 

 

しかし、十年前の造園の時に植えて以来、全く手を掛けていなかったので、内部には立ち枯れた古株がぎっしり詰まっています。

 

この際、中をすかすように取り除かねばなりませんが、うっかりすると葉で手を切ってしまいます。数本除いただけでも、手首から肘には数本の切り傷です。焦らずに取り除かなくては・・・・・ 

 

パンパグラスの花期は9月から10月、ヒガンバナが咲く頃です。園にあるのは雌株なのか、雄株なのか、区別を尽きかねています。下の写真は、昨年の花です。この花はおそらく雌花だと思うのですが、言い切る自信はありません。今年の花期までに、調べておかなくてはなりません。

雌雄の株が揃えば種子は出来るそうですが、、昨年、観察した限りでは種子は目にしていないので、園にある株は雌株だけなのでしょう。

パンパグラスの用途は、鑑賞用で、オバケススキのような花穂は、生け花やドライフラワーに用いられ、公園などで栽培されています。

刈り取った草は、夏の乾燥防止に敷いてマルチングに利用しています。

                

 

 


あの桜に 実がなっていました!

2015年05月09日 | 薬草・雑草

3月12日、倒木になりかけ寸前のサクラのことを書きましたが、その息絶え絶えのサクラに、実がなったのです!!

ふと目にとまった一つの赤い実。たった一つですが宝石のように輝いているのです。

ヤマザクラには、黒い小さい実が沢山なるのはよく見ますが、それとも異なり、小振りのサクランボといった大きさで、周りの緑の中に一際目立っていました。

手を伸ばして触れてみると、いかにもサクランボといった触感です。たった一つですが「どお、私って頑張ったでしょう?」と言わんばかりに、艶やかに光っているのです。まさかこんなに赤い実がサクラに付くとは知らなかった私に衝撃が走りました。“エッ、この木はサクラじゃぁ無かったの!?  どう見ても花は桜だったのに・・・・・”

一つきりの果実ですが、口にしてみないことには判然しません。意を決して“これも役徳・・・”とばかりに食べてみました。食感は当にサクランボ。完熟のサクランボの味です。

“桜の木にも、赤い実が付くのか”・・・と調べてみると、近くに異なる種類のサクラがある場合、ソメイヨシノやオオシマザクラにも、ごく稀に実がつくそうです。未だ花の少ない3月の開花だったので、気の早いミツバチさんに異なる桜の花粉を運んで貰ったおかげなのでしょう。

稀に実を結ぶといっても、1本の木に、1~2箇くらいだそうですから、たった一つの結実といえど、か細いこの木の僅かな花にとっては、結実の確率は相当な高さです。 

しかも実を付けているのは、今にも倒れそうな姿なのですから、この実に出会えたのは、本当にラッキーでした。

見守れば、来年も結実するかもしれません。

こちらは、少し離れたところにあるセイヨウミザクラの果実。同じバラ科ですが、セイヨウミザクラは白い花です。

皆がサクランボの木だと言っているので、おそらくセイヨウミザクラだと思いますが、実の大きさから言えば缶詰に入っているサクランボの方に近い感じですから、ひょっとしたらシナミザクラかもしれません。

沢山結実はするのですが、大半は落下してしまいます。市販の立派なサクランボは、大変な手間がかかっているだろうと思えます。、

どう違うのかなと、こちらも一つ食べてみると、甘さの中にも酸味を少し感じます。サクラの実には無い酸味でした。

鑑賞価値のあるサクラには結実はごく稀、沢山結実するセイヨウミザクラの花はあまり鑑賞価値はない・・・って、

“天は二物を与えす”ということなのかしら。

 


スカボロシュウマイ

2015年04月12日 | 薬草・雑草

カニシュウマイやホタテシュウマイというのは聞いたことがあるけれど、スカボロシュウマイって、そんなのあるの ???  何かの間違いでしょうと言われそうですが、それも当然です。

これは私のネーミングで、市販のシュウマイではないのですから。

 今回は、薬草園なのに、何故シュウマイの話になるのか・・・・・なのです。

 先月、薬草園の見事なコブシが遠くからでも目につき、多くの方が観にいらっしゃいました。写真撮影に来られた方と、植物について色々と話していた時、“ハーブは育ててはいても、どのように使えばよいのか分からない”とお聞きしたので、近くにあったロ-ズマリ-の使い方の例として、私は「“ソーセージもどき”の材料にパセリ、ローズマリーやコモンセージなどをみじん切りにして入れている」と説明したのです。

するとその男性は、「私は、手作りの『シュウマイの成型具』なるものを作り、ネットに載せているのです」と。

その“手作りシュウマイ”いう言葉に私は反応し、HPアドレスを教わりました。

今までシュウマイを手作りしようとは考えたことも なかった私ですが、ページを拝見している内に思わずクリックし購入したのです。

 

詳細は、ジジフクさんの『愉しくシュウマイを作りましょう』http://www.jijifuku.com/をご覧ください。

お話を伺ったとき、私は、“ソーセージもどき”と名付けて作っていた材料で応用できる!! と閃いたのです。それには、“ロ-ズマリ-、コモンセ-ジ、チャービル、パセリなど”を使いますが、若い頃聴いた「スカボロフェア-」の歌詞を唐突に思い出したからです。それは、「卒業」という映画で使われていた曲の題名で、歌詞にある"Parsley, sage, rosemary, and thyme"と同じハーブを使えば・・・・・と、スカボロシュウマイと名付けました。自身の卒業とその思い出を含めてのネ-ミングです。

  繰り返し出てくる"Parsley, sage, rosemary, and thyme"のフレーズは、その意味がよく分からなかったのですが、どうやら民謡などの“相いの手“らしいと分かり、今までの疑問が解決できたことは、大きな収穫でした。

『ソ-ラン節』でも「あぁどっこいしょ、どっこいしょ」が出てきますね。また、『オリンピック音頭』では、「ヨイショ コーリャ 夢じゃない」や 「ソレトトント トトント 顔と顔」等がよく出てきます。

"Parsley, sage, rosemary, and thyme"は、こういったかけ声のようなものらしいのです。いくら考えても分からなかった訳だったのです。

早速試作してみました。
ところが、初回は、思うように器具を使いこなすことが出来なかったのです。
そして昨夕、習うより慣れろとばかりに二度目の挑戦!  首尾は上々でした。
その手順はこんな具合です。


① 入れるハーブを、みじん切りにします 。 
スカボロの歌詞にあるのは、パセリ、セ-ジ、ローズマリ-、タイム。今回はタイムは市販のハ-ブスパイス・タイムを使用。分量はお好みで・・・・・  

  

② 豚挽肉とよく混ぜ合わせ、形作ります。 
調味料は、塩、コショウ、カルダモン粉末、オールスパイを使いました。
これもお好みで。

 

③ 蒸し器をだすのは面倒だったので、中華鍋で。
 水と②のホ-ロ-のパットをそのまま鍋に入れ蓋をし、沸騰したら中火にして、6,7分。肉色が変われば充分です。

                     

④出来上がり。 
   一応シュウマイらしく。

しかも、お味は、上々。 

 

 

 

同じ材料を使っても、形によって食感の違いがこんなにあるのかと驚きました。

“ソーセージもどき”の形より、ずっと食べやすく、しかも美味しくて、私の得意料理になりそうです.

慣れたら、人差し指と親指で輪を作り、シュウマイの皮を載せて具を詰めるやり方の方が、手早く出来ました。

 

 「ハーブは幾つか育ててはいるけれど、使い方が今ひとつ分からない」とおっしゃる方は多いのですが、ハーブもこのようにして使ってみれば、育てる楽しみも拡がりますよ。
ご参考までに「ソーセージもどき」、の作り方はこちらから。→ http://goo.gl/MJtbVw


梅は咲いたが桜はまだかいな 

2015年03月12日 | 薬草・雑草

 

構内の梅は盛りを過ぎたようです。唄の文句ではありませんが、梅は咲いたが桜は未だかいな・・・

桜の開花予報は、今月末から4月上旬だそうですから、開花が待たれます。 

ところが、先日(3/10)、ふと目に入ったのが写真の桜でした。数えるほどしか花はついていないのですが、とにかくは開花していたのです。その木は、今にも倒れそうな哀れな姿になっていて、いっそ伐採しようかと数ヶ月前に考えた木なのです。

 しかし伐採するには忍びなくて、今にも倒れそうな木の根元に、左右というか前後というべきか、とにかく補強の意味で、石を立てかけ動かないようにしておいた桜なのです。当然見た目にも良い姿とはいえませんが、取りあえず時間の経過をみようとしていました。 

隣には桜の大木がありますから、伸びた根から萌芽したものかもしれません。よく見れば幹は空洞になっているのですが、そこから枝を出して花をつけています。

ここまで痛んではいても、このまま命限りとはさせたくないありません。手当をどうしたらよいか考えなくてはなりませんが、樹木のことは勉強不足なのが悔やまれます。

 今伸びている枝を活かせるような対策を、どなたかに教わろうと思っています。健気な桜が、これからも生長できるように・・・と希います。 

 懸命に花を付けている桜は、自転車置き場の傍にありますので、近くを通られるときは、ちょっと目を掛けて励ましてやってください。