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草の名

私が栽培している薬草や、道端の草でセルフメディケーションにも使える類の植物を紹介してゆきます。

小さい春 見~つけた!

2014年12月05日 | 薬草・雑草

今日もせっせと野良稼ぎ・・・鍬を入れ、土を掘り返していて、ふと目に入ったのが小さなツクシでした。

「小さい春、小さい春、小さい春みつけたぁ~」

 と、思わず口ずさんでいましたが、夫や息子にも見せたことのないような笑みを浮かべていたかもしれません。


スギナを手繰っていて見つけたものですから、スギナと一緒に捨てなくてはならないのですが、あまりの可愛さに鉢植えに。ツクシにとっては、もう2,3ヶ月は土の中でゆっくりしたいでしょうから、迷惑な話でしょうねぇ。

 「つくし誰の子、すぎなの子」とうたわれますが、本当にそうでしょうか。

 スギナはシダの仲間なので、胞子で増える植物です。ツクシの穂は亀甲模様で堅く閉じていますが、開くとそこから緑色の胞子を飛ばします。他の植物でいえば花に当たるのでしょう。

私はあのほろ苦さが好きで、面倒と思いながらも毎年”煮浸し風佃煮”を作って時期限定の味を愉しんでいます。どんなに時間がかかっても、節のところにある袴(はかま)と言われる”鞘”を取り除かなくては、堅くてとても食べられません。その鞘はスギナの葉が退化した部分だそうです。茎のシャキッとした歯ごたえやほろ苦さを想いながら、一心に袴を取るのですが、慣れないうちは、そこで折れてしまいます。調子よくスルッと取れるようになるころはやっと終了。手は黒くなり、指先は胞子の緑色になりますが、食い気はそんなことには頓着しません。
此処のツクシ、残しておかなくちゃ、食べられないんだわ…と気が付き、悩みが始まりました。

 Should leave, should I remove...

 この悩み、暫く続きそうです。

 
そうそう、ツクシは誰の子と言う話ですが、ツクシはスギナの胞子茎であって、スギナの子ではなかったのです。


枯れ草で冬支度

2014年11月25日 | 薬草・雑草

 もうすぐ12月。コスモスも採種し、冬に向かっているのを感じます。此処では初めての冬期なので、どの程度の寒さなのか予想できないのですが、作業していると、裏門側から吹く冷たい風が相当強く感じられます。

この時期になると、以前の職場である東邦大学では冬支度をしていました。此処でもそろそろ取りかからなくてはならないとは思いつつも、今まで通りの方法では、とうてい叶わないことに気づいたのです。

  冬期に向かい、土壌の表面を稲藁や落ち葉などで覆って対策をすることを”マルチング”といいます。その効果は、地温を上げて植物の生長を促したり、水分の蒸発を防いだり、泥跳ねを防ぎ、そのうえ雑草もある程度は防ぎ、そのうえ有機物を増やして、土壌を改善するという副次的な効果も入れると一石数鳥もあります。追肥をし難いという難点はありますが、マルチングはしないよりする方が良いのは明らかなのです。

 今までは、数百袋以上もの構内で掃き集められた落ち葉や、東邦中・高校で厄介視されている銀杏の落ち葉等と共に、農家と契約して刈り取った稲藁や籾殻を購入して利用していたのです。ところが、今年はそれらのどれも利用できません。藁や籾殻は量販店でも販売していますが、植栽面積分だけでも購入するとなれば結構な額になります。他に代用できる物は無いかと、過去の経験を思い返してみました。古くなり朽ちた葦簀や簾も応用できますが、どこにでも使えるわけではありません。

 さて困った!!

周りを見渡すと、未だ手をつけていない場所に、手が回らず茅類を刈り取ったままで放置しているのが目に入りました。枯れ草の山です。駆け寄りめくってみれば、種が落ちているとは考えられません。これなら藁の代用として充分利用可能です。しかも費用もかかりません。

 

という次第で、今年は刈り取った茅類の枯れ草で、冬支度します。

果たして良い結果が出るかどうか… 来春になれば分かるでしょう。

鬼に笑われない程度に期待して、春を待つことにします。

 

 

 

秋の日は…… 

2014年10月31日 | 薬草・雑草

植物を譲り受けてから、早くも1週間経過しました。作業中、通りがかりの方々から”楽しみにしている”と度々、声をかけられます。

 

車椅子で散歩中の介護の方が立ち止まって患者さんに話しかけられると、お二人に会話は出来なくとも、見知った植物には、僅かながらも反応されているご様子を見ていると、早く園としての態勢を整えて、道路から見るだけではなく、中に入って植物に触れたり、匂いを愉しんでいただきたいと思います。とはいえ、週2回の就業である私には、一日6時間しかありません。早く仕上げて、患者さんにも介護の方にも、愉しんで貰いたいという思いはあれど、哀しいかな我が身は一つ…そしてもっと哀しいことには

 

”The autumn sun sets as quickly as a bucket dropping into a well…

              秋の日はつるべ落とし”

 

なのです


いよいよ植え付け開始 !! 

2014年10月22日 | 薬草・雑草

作業開始から3か月かかり、漸く植物を植え付けられるようになりました。

 東邦大学八千代薬草園から植物を譲渡して貰えたので、21日に搬入して植え付けを始めたのですが、チガヤ、ハマスゲの根がまだまだ取り切れておらず手間取って、本日は時間切れとなりました。

 それにしても雑草との格闘はこれからも続くだろうと覚悟しました。

有り難かったのは、本日は雨天、予報では明日も雨天なのは助かります。少しばかりの雨なら植栽直後の植物にとっても、植え付け前の掘りあげたままの植物にも水遣りを心配しなくて済むので好都合ですから…

ですが、今朝の雨量は、ああ無情!! 5mm。

これでは作業は持越しです。

 

 

 


薬草園、改園中!

2014年09月19日 | 薬草・雑草

7月から薬草園を担当させていただいております、青山です。作業の進捗状況や、折に触れて気付いたことなどを綴ってゆきたいと思っております。

 

2005年、以前の勤務先である東邦大学薬用植物園から、薬用植物を140種程導入しましたが、その後は雑草に埋もれ、生育が阻まれている状態となっていましたので、この度、徐々にではありますが改園していくことになりました。 一面にハマスゲ、スギナ、チガヤ等がはびこり、植栽した植物はどこに何が残っているのかも分からない状態ですが、周りの雑草を刈って、少しずつ姿が見え始めてきました。

リニューアルするにも、雑草を刈るだけでは何度植物を入れても同じ状態の繰り返しとなるので、目下の作業は鍬と鋤で掘り返し、土ふるいで根っこを取り除くことから始めています。

ハマスゲは、世界の強害雑草のトップにあげられ、種子でも地下部の塊茎でも繁殖する実に厄介な植物です。チガヤは「つばな」とも呼ばれ、金子みすずさんの詩集で『つゥばな、つゥばな、白い、白いつばな。夕日の土手で、つばなを抜けば、ぬいちゃいやいや、かぶりをふるよ。』と読んだとき、”つばな”ってどんな植物かしら?と調べました。その旺盛な繁殖力や根茎からの再生力の強さなどから世界の最重要害草10種のうちの1つとされています。

さて、スギナの別名を皆さまご存じでしょうか?スギナは「地獄の閻魔様の自在鉤」といいます。閻魔様のところまで地中深く根が伸びるというわけです。

 ←これはチガヤの根茎ですが、ご覧のように、まるで東京の地下鉄のように幾重にも張り巡らされた路線図の如き状態です。他の植物の根塊をも貫き通してはびこっています。

とは言いながらも、ハマスゲは香附子(こうぶし)、チガヤは茅根(ぼうこん)というれっきとした生薬でもあるのですから、少しは残しておきましょうか。