日本刺繍 nuinui のブログ

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作品展 江戸型筥迫「羽衣」

2016-10-20 13:35:56 | 筥迫&筥
作品展のざわめきが、まだ頭の中に残っていますが、作品展の様子は、綺麗な画像と共にアップして頂いた「筥迫工房」でご覧ください (いい加減な主催者で
スイマセン)


江戸型筥迫の下絵を考える時、一つのストーリーを、三面に(表、裏、中)に分けて考えるようにしました

表ー被せの部分
天女の姿を、舞飛ぶ鳳凰の形の蓑で表現





裏の部分
絵にも言えない、美しい音楽を鼓で表現








中ー被せ下
青松、白砂、春の海
魚篭と釣竿で、漁師の姿を表現

三面のまとめ
三保の松原の風景




能の演目 「羽衣」を伝えたくて、作品展では、能面も一緒に飾りました

能面・・節木増(ふしきぞう)
    宝生流の名物面で、女神や天女など
    に使用します
帯・・・鬘(かづら)帯(写真右)
   ・腰帯(写真左)

羽衣の「筥迫」と「鬘帯」と「腰帯」の刺繍制作は、グループ13のお一人、Tさん!

能面の制作は、Tさんのご主人で、能楽師でいらっしゃいます

夫婦合作です 
・・・なんと羨ましい・・・


能「羽衣」のあらすじ

春の朝、三保の松原に住む漁師が釣りに出た折、枝に掛かった美しい衣を見つけます   家の宝にする為、持ち帰ろうとした漁師に、天女が現れ「その羽衣を返して欲しい」と頼みます
漁師は、はじめは聞き入れず、返そうとしませんが「それがないと、天に帰れない」と悲しむ天女の姿に心を動かされ、天女の舞を見せてもらう代わりに、衣を返すことにします
羽衣を着た天女は、月宮の様子を表す舞を見せ、更に春の三保の松原を賛美しながら、舞を続け、やがて、彼方の富士へ舞い上がり、霧に紛れて消えていきました

                  the能comより