つれズレ愚抄

つれ：「たっぷり気を持たせておいて、結局石原都知事は不出馬の運びになったねぇ」

ズレ：「鮮やかな奇襲攻撃で天下を取ったことを思うと、油断させといて一転出馬なんてこともあるかもしれねぇぜ」

つれ：「ここまできてそれはないだろうけど、思い起こせば官界一の弓取りとも目された大官僚の首級を上げて一気に都に君臨したあたりはさしずめ信長公のようなお方だよねぇ」

ズレ：「歯に衣着せぬ放言・暴言の類も信長公もかくやてな案配だったしよ」

つれ：「他の方が同じ物言いをすりゃ即落城自刃に追い込まれそうな舌禍でも平然とくぐり抜けてきたのは教養てぇ兵馬の差かねぇ」

ズレ：「石原先生の碩学ぶりもさりながら、昔ならば丁々発止と打ち合う政治家諸公の格調高い論戦が世上を湧かせるものを、今はひとしきり騒いでも一喝されればこぞって煙に巻かれちまうほど世間の知性も低下してるってこった」

つれ：「文力を以て戦を仕掛けても揚げ足をとられるばかりでまともに組み合う張り合いがなくなったってのが勇退を決めたほんとのとこかもしれないねぇ・・」