つれズレ愚抄

ズレ：「日米ともにリアルな記憶のある方がご健在の歴史と言うにはあまりに至近な沖縄戦実話の所以か、信仰に関わる信条を前面に押し出すのがお約束のメル・ギブソン監督作品とは特に注意を促されなければ気が付かないほどにストレートな人道系感動巨編に仕上がってるわな。
この時期にこの題材を取り上げるのにはイラク侵攻から中東紛争にのめり込むにつれ正義の名の下に否応なく好戦的になりつつある風潮への警鐘てな意味合いもありそうで、集団自衛から改憲に前のめってる日本に対しても食材を捌く血潮や腸でさえ画像が自粛される安閑な世間で育った若者を四肢の飛び散る悲惨な殺し合いの現場に送る覚悟や如何と問い掛けられた感じだぜ。
日本軍司令官自決シーンの唐突なインサートに象徴される日本兵の常軌を超えた鬼神の如き戦いぶりへの畏怖が今に至る斯くも長い平和の礎になってるとすりゃ、軽々に戦地に人を出す前に不戦を貫くうえでも正々堂々と憲法を改正して国民に敬愛される軍隊を整えるのが本筋なんじゃねぇか」