オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

特選7句/正月句会

2006-01-10 17:22:38 | 1月句会
【高橋信之特選7句】
★さくさくと霜をならして初仕事/篠木睦
初仕事に出かける気持ちが霜を踏む「さくさくと」という音に感じられます。今年一年、いい仕事ができる、そんな朝です。(池田多津子)

★若水の透けて光りてこぼれけり/吉田晃
元旦の朝、初めて使うお水、きらきらとして美しく感じます。手で受けてそれがこぼれてゆきます。今年もお水を大切にしようと優しい気持ちも伝わってきます。(藤田裕子)

★筆太に平和と書きし初硯/古賀一弘
毎日のように報道される事件や事故、書初めにぴったりの言葉と思います。(黒谷光子)
硯にたっぷりと墨をすり、平和を祈り一気に太く平和と書き初めをされたのですね。おぞましいニュースが新聞やテレビを占領しております。平和な日々を願わずには居れませんね。(堀佐夜子)

★海峡の潮の目荒く冬ざるる/篠木睦
「潮の目荒く」が冬の海の厳しさを上手く表現していて、すきな句です。(甲斐ひさこ)

★雪道を揺れつつバスは折り返す/長岡芳樹
「折り返す」は、写生だが、雪国の「雪道」を表現して充分である。(高橋信之)

★一月の光を曳いて鷺の翔つ/藤田洋子
「一月の光」に抒情があって、作者の思いを詠んだ。三が日が終わってのもろもろの思いであろう。(高橋信之)

★みずみずし芹も薺も鍋の中/藤田洋子

【高橋正子特選7句】
★切り口の太き水仙自生の香/河ひろこ
自生の水仙がリアルに描かれている。茎の逞しさ、強い香り、冷たさ。本来の姿があってよい。(高橋正子)

★蝋梅の蕾は黄色を持ち始め/祝恵子
蝋梅の咲き始めの様子が伝わってきます。やがて良い香りもするであろう期待が下五に込められております。 (河ひろこ)

★さくさくと霜をならして初仕事/篠木睦
初仕事に出かける気持ちが霜を踏む「さくさくと」という音に感じられます。今年一年、いい仕事ができる、そんな朝です。(池田多津子)

★抱き来る小籠に揃う七草菜/池田多津子
野や畑を歩き、七草の若菜を摘まれたのでしょう。「抱き来る」に、青々と香る七草菜が揃ったうれしさを感じます。(臼井虹玉)

★初電車窓に翔びゆく白雲よ/岩本康子
初電車の窓の外に流れ行く白雲を、清清しい新年の風景と心に留められた様子が伝わります。(臼井虹玉)

★冬萌に濃き影連れて歩みけり/古田けいじ
冬萌の野に自分の影を重ねながら歩くたのしさ。冬萌の青さに春の待たれる心も感じます。(臼井虹玉)

★雪山のそこまで迫りて風静か/藤田裕子