のりひめのひとりごと Monologue of Noriko

2012年からオーストラリアと日本を行き来しています。日常のいろいろを書いてます。

もんじゃ焼きの関係★のりひめエッセイ

2011-10-12 10:10:38 | のりひめエッセイ
その19「もんじゃ焼きの関係」

 もんじゃ焼きといえば、下町月島が有名だ
が、もともと駄菓子屋で子供のおやつとして、
提供されていた。寺子屋が起源だという説も
ある。水でといた小麦粉を鉄板の上で文字を
書くようにして遊びながら食べる「文字焼き」
が転じて「もんじゃ」になったそうだ。

 わたしはもんじゃ焼きが大好きである。月
島に住んでいる友人が、いきつけの店で定期
的にもんじゃの会をしている。

 もんじゃには型がある。これを守らないと
正しくもんじゃが出来上がらない。

 最初に、なぜかやたらと小さなボウルに具
材がいっぱいに入って運ばれてくる。
 このボウルをなるべく傾けずに、熱々の鉄
板に具材をあける。とはいっても汁もこぼれ
てじゅうじゅうとはねるので、鉄板に手を近
づけすぎないように気をつける。周囲の人は
てきとうに鉄板からさりげなく遠ざかる。

 具材でドーナツ型のダムを作る。
 この中心に汁を入れ、混ぜながら具材を刻
んでいく。全体にぐつぐつ、とろみがでて、
はじがこげてきたら、各自のへら(ハガシ)
で食べていく。

 食べる前に一定の仕事をしなければいけな
いところが、もんじゃ焼きのよいところだ。
 数ヶ月に一回、この儀式を行う。久々の友
人と時間の経過を確認しあい、「なにしてた
?」「元気だった?」と、話に花が咲く。

 食べていくと、鉄板の上でもんじゃの形が
変化していく。時には形を作って遊ぶ。オー
ストラリアの地図をかたどり、「ここがケア
ンズ、ここがシドニー」などといっていると
「前にゴールドコースト行ったよ。この辺だ
ね」と、話も弾む。

 もんじゃの最後は真ん中だ。このころには
だいぶ煮詰まっていて、焦げ目もおいしくな
っている。「これ、食べちゃって~。一番お
いしいとこ!」というと、だれかが「いただ
きます!ありがとう!」とすくいとる。

 知らない同志とか、気の合わない相手とだ
と、もんじゃはちょっといやだろう。最後を
うきうきと食べられる関係が、もんじゃの友
ならではの親密感だ。

 焼肉は肉が切ってあるし、鍋は直箸でとり
わけなければよい。お好み焼きも、焼きあが
りに切ってしまうので、ほかの人と触れるこ
とはない。もんじゃは全体がひとつで、それ
ぞれに食べたい場所から攻めていく。鉄板の
上の陣取り合戦だ。にんにくたっぷりのもん
じゃもいいし、牡蠣とキムチもすばらしい。
コンビーフやベビースターなどもあり、
B級グルメな見た目と味が、会話を盛り上げる

 さて食べ終わると荷物をイスの下の収納か
ら出す。外に出ると風が心地よく、ついでに
髪にも服にもたっぷりにおいがついている。
 「わたしたち、今日もくさい仲だね」
 それは鉄板の遊び場帰りの連帯感だ。

 もんじゃの友は、たとえ離れて会えなくな
っても、一生ものの盟友なのだ。
(2011年8月25日)

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そういえば10年位前真夏にもんじゃやったね
その仲間で311のあと、月末に集まって
なんかすごく心があたたまったよね
寒くなってきたからまたやろうね~♪
にんにくたっぷりもんじゃ♪

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