のりひめのひとりごと Monologue of Noriko

2012年からオーストラリアと日本を行き来しています。日常のいろいろを書いてます。

のりひめの過去ばなし21.会計人の会員組織立ち上げ 3ヶ月で60社、月180万円確保

2011-06-29 11:24:30 | のりひめの過去ばなし

●会計人の会員組織立ち上げ 3ヶ月で60社、月180万円確保

 独立して1年半は、社長であるコンサルタントとわたしとふたりしかいない
(私も社員ではありませんが)会社でしたが、
レストランの関係で手伝ってくれたシステム系の人をスタッフに迎え入れる
ことになりました。

 社長は、現在までの事業である個別コンサルと講演執筆から、
会員制事業を立ち上げ、人を雇える安定収入を得ようと考えたのです。

 この事業は全国の会計人(税理士・会計士など)を対象に、
いままで社長が培ってきたマーケティングやプランニングのノウハウを移植し、
会計人が関わる中小企業に活用する仕組みを作るものです。

 中小企業の財政状況をよく知る会計人が売上増、顧客増のノウハウを顧客に
アドバイスするための教育機関であり、コンサルタントが集まった組織
(コンサルティングファーム)を目指すものでした。

 これをまたまた3ヶ月でまずは60社を集め立ち上げるというのです。
会費は3万円、これで60社ということは月額180万円を確保するということです。
まさに誕生日プロジェクトと同じことで、事業の収入の一部を安定化するということは
よく理解できました。

 これが1999年のことでした。

 97年山一證券破綻、98年北海道拓殖銀行破綻など、
今後の厳しい状況がせまりくることをだれもが予感していた年です。
企業は売上減、顧客減に苦しむからこそ、相談相手や解決する具体策が必要となる、
そこに会計人というポジションはぴったりだ、
まさに危機感の時代こそ当社にとって千載一遇のチャンス到来と
社長は読んだのです。

 ダイアナの販売会プロジェクト、フレンチレストラン、そしてこの一年半の
ハードワークで社長のいいそうなことはわかっていましたが、
ではだれが営業するのか、といったら私しかいません。

 社長がセミナーで話し、私が営業でクロージングする。
立場としてはコンサルタント。

 とはいえ、スタッフが私で大丈夫なんですか?
 大体、会計人て、税理士ってなにする人?
と、私も目を白黒。
まずは本屋に行き、「税理士の仕事」という本を購入する始末です、

 一人加わる予定のシステム系の男性は、営業が始まって21日たったところで、
いなくなりました。やめたのです。
 もともと彼を入れるために始まったのに、
システムを作るのが仕事なので、たった3ヶ月間だけでも営業の手伝いはできないと
いうのです。
 人とコミュニケーションがとれないが、いうことだけは一人前の頭でっかち男
でした。

「できるわけないよ、立ち上がるわけない」
「絶対無理」
「君もやめたら」と
これでもか、というくらい、マイナスの言葉をたくさんいわれました。

 悩んでいたときだったら、ぐらぐらしたかもしれませんが、
前段で悩んでいたおかげで悩みへの対処方法を前よりはわかるようになっていました。
そこでむしろ、「絶対たちあげてやる」と奮起してひとりでがんばりました。


 99年8月31日に一斉に会員見込みの会計人にファックスを送り、
9月初旬から会員募集のためのセミナー営業が始まり、
東京、大阪、静岡、福岡、とセミナーを開催、一巡するとまた開催します。
全部で3クール行われました。
 わたしも自分の体験談として、3日で販売会1000万円売上げの販売会の話や、
フレンチレストランの話しをしました。

 セミナーには、ファックスで告知をして集客していきました。
 その告知ファックスには一人でも見込み客を獲得するために、
セミナーに参加する、参加しない、検討する、参加できないが資料が欲しい、
といった項目を設けてあります。
 セミナーに参加しない人も、ファックス返信してくれた人は見込み客となり、
電話や資料送付の対象となりました。

 社長は普段はほとんど会社にいなかったので、わたしのほうでさまざまな
営業の工夫をしなければなりませんでした。

 最初に入会のファックスが入ったのは、9月初旬の第一回セミナーの深夜。
あまりに簡単に申し込みがあったので、一瞬楽勝だと思いました。
それがまったくのぬか喜びで、二枚目の入会ファックスまでこんどは1ヶ月
かかりました。

 会のスタートは、十一月に日程が最初から決まっていましたので、
2枚目のファックスからあと1ヶ月半ほどで58社集めなければなりません。
 気ばかりあせりましたが、ファックス送付、電話での説明を繰り返し、
第2弾のセミナーも行いました。

 そのうちに最初は迷っていた人も、だんだんと心を開いてくれて、
電話でお客様の相談をしてくださるようになりました。

 夜の10時から12時の間などに、遅くに問い合わせのファックスを
送ってくれた人にはすぐに折り返し電話をすると、
「こんなに遅くまで仕事しているの。もう帰ったほうがいいよ」と
ねぎらいの言葉をかけていただけます。

 税理士さんは10人以下の事務所が大半で、その時間には職員さんは
全員帰っていて、外出から戻った税理士先生が一人で残務を処理しているのです。

 こうしたことから、意思決定者である税理士先生がくつろいで話をして
くれるのは、夜8時くらいからということがわかってきました。

 声しかきいていない税理士先生も、2、3度電話をしていると覚えてくれます。
夜8時以降は電話タイムです。
 とはいえ夕方6時までの間に一本電話をしておいて、
あとでかける伝言を職員さんにお願いしておきます。

 「先生、おつかれさまです」から会話が始まります。
「あなたもおつかれさま」なんていってくださるともう顔見知りのようです。
さらに「もう大変でね」なんてぐちをいってくれた人は、
ひそかに「かなり確率の高いAランク見込み客」です。
 その方が欲しい情報があればどんどん提供しました。

 こうしてだいぶこつをつかんできたら、入会申込ファックスも入るように
なりました。

 最後の1ヶ月は急激に入会者が増え、十一月のスタート時には目標達成!
60社の会計人が一同に揃いました。

 会員になった税理士先生が職員さんもつれてきているので、
80名ほどの初回月例会となりました。
会場の後ろからその風景を眺めて、「全員会員さんなんだなあ 嬉しいなあ」と、
しみじみ思ったものです。

 いままではセミナー型営業でしたので、20名集まっていても、
「このうち何人が会員さんになってくれるんだろう・・・」と思うのが
毎度のことでした。

 いままで電話で声をきいていた会計人の皆さんと受付で会えて、
「こんにちは お電話ではありがとうございました!お元気ですか?!」と声をかければ
「いままでありがとうね やっと来たよ」と温かく答えてくれます。
心から感激しました。

 そう、あの販売会の成功以来、2年ぶりの感動でした!
あのときはメンバー一丸となって取り組めたのですが、
今回は孤独な戦いだったので、夢中でありつつ、かなりつらい3ヶ月間でした。

 さて、これからが本番、さまざまな知的なチャレンジ=冒険が
徹夜とハードワークともに待ち受けていたのです。
 翌年は2000年、21世紀が始まりました。
 この会は現在11年目を迎えています。


続きは●会計人向け飲食店クーポンプロジェクト です
読んでいただき、ありがとうございます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿