今日の午前中に帰ってきた。
大糸線(特に南小谷~糸魚川の間)は、列車の本数が少なすぎて、散策は難しいな。
9月3日の夜*(三日月)*、快速『ムーンライト信州・白馬行き』に乗り込み出発。
本日の指定席は満席との事、乗客はザックを持った山屋が多い。
この列車は減光されないので、うたた寝しかできなかった…駅に停まる度に目が覚める。
夜明けの松本駅、ここで半数の乗客が下車していった…彼らの目的は、槍か穂高*(山)*か。
列車は早朝の大糸線内を疾走、田んぼと普通の家が続く…空は雲が出ている。
5時30過ぎに列車は白馬駅に到着…今日は姫川沿いの里山を歩く予定。
ここから先の、南小谷行きの列車が来るまで1時間以上ある…改札を出た。
朝食前に一服を…そう思い、灰皿の前で煙草を吸っていると、
建物と電線の間に、青空に映える白馬(シロウマ)の峰がくっきりと見えた…雲は切れている。
この瞬間、タバコを捨てた…急いでバス乗り場に向かう、バスは2台停まっていた。
1台目の行き先表示板は『八方(ハッポウ)』…それは俺の興味を惹かなかった。
2台目の行き先は『猿倉(サルクラ)』…これだ!ここに行けば、遠くから見るのではなく、すぐに歩ける。
猿倉行きのバスに乗る*(バス)*…猿倉までの道は約30分くらいだったが、長かった。
エンジンで30分って事は…駅まで歩いたら相当かかるぜ?、やっぱり日帰りはキツイな。
猿倉の駐車場には、村営の山小屋*(家)*~にしては、綺麗すぎたが~があって、
パッキングのやり直しをしたり、準備体操をしている人がいた。
ここは、まだまだ暑い…一服した後、出発。
この時の「装備。」は、Tシャツ・短パン・スニーカー・お茶・時刻表…ダートの平道が30分ばかり続いた。
という訳で、スニーカーは思いがけず役に立ったが、時刻表はここでは何の役にも立たなかった。
白馬大雪渓*(雪)*までの、残りの20分間の道は多少の岩が転がっていたが、特に気にはならない。
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OCNフォトフレンド7時30分ごろ『白馬尻小屋』とやらに到着した…「ようこそ、大雪渓へ!」の看板が俺を迎える。
疲れなど全くなかったが、ここで休息…上部を見る、山には多少のガス、しかし透き通るような青空、
快晴といっても良い天候である…雪渓からの風*(クール)*、Tシャツでは寒い事に気付いたが…
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OCNフォトフレンド写真を撮った後、雪渓へと向かう。
途中の道は中高年の集団が、だらだらと歩いている。
彼らはトロ過ぎたが、一向にどかない…抜こうにも道が狭くて抜けない。
譲らない人と抜けない人…大名行列の様な感じの渋滞である…ま、そういう山なのかもな。
雪渓の取りつき上部に達した…彼らは雪渓登りに備え、ブーツに軽アイゼンを装着していた。
驚いた事に…なんでも、白馬駅前や山小屋でアイゼンのレンタルまでやってるらしいよ。
俺はそんなもん、家に置いてきた…里山歩きに必要だとは、思わなかったからなあ。
仕方がないのでスニーカーで登ってみるが…いやあ、よく滑る、滑る。*(スケート)*
まあ、今日は山登りをするつもりなど毛頭無かったからな…戯れですよ。
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OCNフォトフレンドすると突然、遥か上部を歩いていた男が大声で「ラク*(びっくり2)*、ラク*(びっくり2)*」と叫んだ。
見れば上部から大きな岩が転がってくるではないか…雪渓の真ん中辺りを歩いていた連中が逃げ出す。
岩のほうに向かって飛んだ奴もいて、そいつは死んだかと思ったが、岩のほうが避けた。
この滑稽、かつ奇妙な光景を見て、思わず俺は笑ってしまったが、
こうしている間にも、岩は俺の方へ向かってくる。
付近の連中が、蜘蛛の子を散らす様に逃げ出す…大混乱の中、俺は全力で右へ飛ぶ。*(ダッシュ)*
岩は、俺の左手約5mを掠め*(驚き)*、鈍く低い音と共に下の岩にぶつかって減速、停まった。
↓雪の付いた真ん中の岩、大きさ約80cm…こいつが今回の殺人未遂事件の容疑者だ。
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OCNフォトフレンドこの様な事もあって、ついつい長居をしてしまったのだが、
列車の本数が少ない大糸線の北部は、1本逃せば集落1つも散策出来ない恐れがある。
時計を見ながら急いで猿倉まで下るが、可愛い女が結構来ていて、遅くなった。
挨拶がてら、まず女の顔を見る…可愛い顔であれば、次に胸を見る*(酔払い)*、最後はケツ。
猿倉でバスを待っていると、タクシーの運ちゃんに声をかけられた。
本当は「5人一纏め。」で乗せたいのだが集まらず、「バスと同料金で2人でいい。」という。
格安で乗せてもらったタクシーの中で運ちゃんは
「最高の天気だろ、下からも山が良く見えたからな…この天気は中ごろまで続くってさ。
この道は冬は雪崩の巣なんだ、だから除雪はしないよ。」
タクシーは予想外に早く白馬駅に着いた*(車)*、これなら数服する余裕もある。
「タクシーにして良かったですよ。」俺がそう言うと、運ちゃんは笑っていた。
暫くして南小谷行きがやってきたので、これに乗った…南小谷で少し待つ。
続いて、糸魚川行きのヂーゼルカーに乗る…今までの車両は引退してしまい、味気ないステンレス車。
キモすぎる鉄ヲタが多数乗り込み、写真をとっていたが、ステンで満足しているとはな…
所詮は国鉄時代を知らぬ、若輩…鉄ヲタでも無い俺ですら、そう思うね。
1両のヂーゼルカーは、こいつらのおかげでギュウギュウ詰め…キモ過ぎたので次の駅にて下車した。
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OCNフォトフレンド中土(ナカツチ)駅は無人駅だった、片側の線路は草が生えるままになっており、廃線跡のようだ。
駅舎はあるが、がらんどう…1冊の駅ノートが寂しそうに置いてある。
駅前に観光タクシーの会社を兼ねた商店が一軒あったが、人の気配は無い。
実際、駅前では1人も見なかった、帰りの時もね…暑かったせいもあるだろうが。
ここでは緩やかな流れであった姫川(ヒメカワ)沿いの道を歩く…車も1台も来ない。
道も解らないし、先まで歩いても当分、集落はなさそうだ…そう思い、戻る。
駅から続く坂道を上ってみる…くねくねした峠道の様な感じ、炎天下の中でこれはキツかった。*(汗)*
日陰を見つけて休んでいると、車が降りてきた、そして10分後にまた上ってきた。
駅までの送り迎えか…上には集落がある筈だと思い、歩きを続行する。
しかしなかなか集落は見えない…1時間くらい歩いて、ようやく集落に出くわした。
集落に囲まれる様に、黄色く色付き始めた田んぼが広がる*(庭)*…さっき見た車も見える。
ここでは数人の人を見たが、元気が良さそうなのは吠えている犬だけだ。
田んぼの用水路の水のせせらぎ、セミと虫の鳴き声と風の音…長閑な集落である。
田んぼの1つでは、手造りの可愛らしい小さな水車がまわっていた。
この集落からは、丘が邪魔して北アルプスは望めないが、戸隠(トガクシ)方面*(山)*の山を望む事ができた。
経済的には厳しいだろうが、同時に日当たりと展望が素晴らしい立地でもある。
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OCNフォトフレンド飾る必要が無い、普通の田舎風景…それが原風景というものでは無いのか…?
この集落を見て、その思いが確信へと変わってゆくのだった。