組み立てのポイントの続き、今回は「サイドロッド」です。
このコッペルのサイドロッドは”ギヤ連動+はめ込み式”(※)ですが、これは古くは10年くらい前にリリースした「東洋活性白土1号機」で、また、現在密かに(?)販売中の「ガスメカミニ」にも使っている方式です(ただ、これらはHOナローです)。
この方式では、はめ込みが緩いと不用意にはずれることがあるものの、走行そのものに不具合が出るなどの話はこれまで耳にしたことがありませんでした。そのため調整方法について特に解説しておりませんでしたけども、組み立ての基本部分でもありますので、念のため調整が必要になった際のポイントをアップします。
(※)普通の丸穴式もキットに入っています。
・このコッペルの場合、図の程度を目標に(ギヤの遊びの中間点で)ロッドピン間距離(b)をホイールベース(a)に近づくように組み立ててください。動輪それぞれの位相は90°でなくても適当で構いません。ピン間距離が図の程度に合っていれば、何も調整をしなくてもスルスルとサイドロッドがまわってくれるはずです。
ちなみに図は角度が5°ずれた状態です。ヒトの目は平行に対しては精度が高いですから、5°もずれると「あれ、おかしいぞ?」というほどの大きなずれの量かと思います。キットのサイドロッドは、このずれの量に対する余裕を持たせてあります。
・もし5°以上ずれてしまっても、慌てないで、サイドロッドのピン穴を丸ヤスリで左右に少し拡げてください。
普通は0.1~0.2mm程度穴を拡げればOKです。
・ピン間距離は目視で合っているのに、サイドロッドを付けないでスムーズに走り、付けるとギグシャクする時も
同様に穴を拡げてください。もしロッドピン自体が5°傾いてしまったら、0.1mm弱ほどピン間距離が伸びます。また、車軸の穴が大きめになってしまった時もこのケースに該当します。
・以上でサイドロッドに全く力が掛からない状態にしてください。
設計の意図としては、サイドロッドはロッドピンにぶら下っているだけで連動には関係ありません(サイドロッドに連動の力は掛かりません)。ギヤ連動のサイドロッドでは普通はそのような状態を意図しています。
・ピン穴のはめ込みが緩くてはずれやすい時は、図の矢印の方向からペンチで”じわっ”とピン穴を適量分だけ締めてください。
逆にきつくてはまらない時は、ヤスリでピンの下部分(Ωの開口部分)を軽くヤスってください。
以上でうまく走らない時は、サイドロッドが原因でなく、ピン間距離が大きく可変する他の原因があるはずですので、それを解決してください(車軸の緩みなど)。ちなみにイコライジングでピン高に1mmの差が出た時のピン間は0.027mmほど長くなります。動輪の横動やトレッドの接地位置での高低差はそれよりも小さくて、全て無視できるレベルです。
文章にすると大変そうですが、調整としてはピン穴を左右に拡げるだけなので、難しくないかと思いますが・・・いかがでしょうか。(その他の症状で何かありましたら、ぜひご質問ください!)