カズオ・イシグロの新作「わたしを離さないで」を読み終えました。
彼の最高傑作、との声もあがっているほど評価の高い物語ですが、それも納得できますね。
切なくて、哀しくて、なんと形容していいものやら、私の貧しいボキャブラリーでは
決して適切に評することは出来そうにありません。
素晴らしく、ただただ素晴らしく...ため息とともにこう表現するので精一杯です。
独白する主人公のもったいぶった物言いに、もどかしささえ覚える前半部分から
いっきに物語が動き出す後半部分、そしてあまりにも哀しすぎる結末。
一見なんのつながりもない断片的なパズルのピースが、あるべき場所にあるべき姿で無秩序にはめこまれていき、そこから次第に浮かび上がってくる全体像にはそれまでの甘い雰囲気のかけらもなく、代わりに背筋の寒くなるような真実が姿を現します。
その過程が見事で「あー、そういうことだったのか.....」と謎が解かれていく度に納得することしきり、そして、最後にはその出来上がったパズルの絵も涙でかすんで見えなくなってしまいました。
一文字一文字、一文一文をじっくりゆっくり味わいたい、
終わるのが惜しい、もっと読んでいたい、そんな小説です。
彼の最高傑作、との声もあがっているほど評価の高い物語ですが、それも納得できますね。
切なくて、哀しくて、なんと形容していいものやら、私の貧しいボキャブラリーでは
決して適切に評することは出来そうにありません。
素晴らしく、ただただ素晴らしく...ため息とともにこう表現するので精一杯です。
独白する主人公のもったいぶった物言いに、もどかしささえ覚える前半部分から
いっきに物語が動き出す後半部分、そしてあまりにも哀しすぎる結末。
一見なんのつながりもない断片的なパズルのピースが、あるべき場所にあるべき姿で無秩序にはめこまれていき、そこから次第に浮かび上がってくる全体像にはそれまでの甘い雰囲気のかけらもなく、代わりに背筋の寒くなるような真実が姿を現します。
その過程が見事で「あー、そういうことだったのか.....」と謎が解かれていく度に納得することしきり、そして、最後にはその出来上がったパズルの絵も涙でかすんで見えなくなってしまいました。
一文字一文字、一文一文をじっくりゆっくり味わいたい、
終わるのが惜しい、もっと読んでいたい、そんな小説です。