あなたはきっとわたしを忘れていない

昨日の午後の雪に　傘をさして

新しいバッグで　出かけたの

カルティエのハッピーバースデイのショルダーバッグ

気に入って　憂鬱な午後も楽しい　気持ちが軽くなった

ひとりきりを選んだのは　あなたと別れたとき

最後まで恋人でいてくれたこと　ごめんね

あなたはきっとわたしを忘れていない

あなたともう逢うことはできない　

また愛し合うだけの日々が続くだけ

あなたはきっとわたしを忘れていない

最初から意気投合して楽しかったね　

だけどわたしには自分の未来があるから

いつまでも　楽しんでいられない　残された時間が許さないの

あなたはきっとわたしを忘れていない

あなたともう逢うことはできない

また狂おしい悩ましい日々が続くだけ

あなたはきっとわたしを忘れていない

最初からお互いをよく知っていたね

だけどわたしには自分の未来があるから

さよなら

いつまでも　楽しんでいられない　残された自分が許さないの

僕だけの人生だから

正規雇用になってから　職場の空気は緊縛していて

初日から　鬱になる予感　すっかり大人しくなった僕を

彼女だけが憐れんでくれる

バイト生活から　上がれたのはいいけれど

予期しなかった激務と　逃げ出せないプレッシャー

土曜も自分の部屋で仕事して

思っていた人生と違ったなんて　昨日までのことさ

忙殺される毎日　こんな日がいつまで続くの

これから先がまったく見えない

泣きたいよ　誰に泣きつけばいいの　僕だけの人生だから

叫べないよ　よれよれにくたびれた自分　僕だけの人生だから

投げ出せないよ　刻一刻と年を取っていく　僕だけの人生だから

逃げ出せないよ　雑念だらけの頭の中　なにも聞こえないよ

僕だけの人生だから

せっかくの週末に首をうなだれて　彼女に両手で頬に触れられて

涙さえ流れない

ヒマにしてても　ダメになるだけだろう

そんなことを思っていたのも　昨日までのことさ

僕だけの人生だから…