新しい風を 起こそう!   ~日本をよい国に~

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今 動き出そう!



 

箸先が語るもの

2009-11-23 16:35:50 | 日記
今はなき、明治生まれの僧侶。
その人は生涯肉食妻帯せぬ厳格な人であった。

とにかく弟子にも厳しかったらしい。
そのお弟子さんたち・・もう還暦を超えるほどの年齢だ。
師匠の思い出話をするときは、今も一瞬背筋が伸びていらっしゃる。

あるとき、お弟子さんから、こんな思い出話をうかがった。


***


師匠の御供で食事に行ったときのこと。
有名な日本料理店での食事だった。
食事を終えて、帰ろうとしたとき、料理長が挨拶に来られた。
 「いったいどんな方に、お召し上がりいただいたのかと思いまして・・・」
何のことか最初は分からなかった。
 「お召し上がりいただいた後のお箸を拝見しました。このようなお箸は見たことがありません」
そう料理長は仰った。
師匠のお箸は、箸先わずか一センチが汚れているだけだったのだ。
その見事な食事作法を料理長は、箸先からうかがい知り、敬服されたのだ。

師匠は、弟子だけでなく、信者の方にも厳しかった。
でも、一番厳しくなさっていたのは自分自身に対してだった。

だから、どんなに厳しくされても、弟子をはじめ多くの方が慕い、尊敬していたのであろう。


***


ふと、自分の食事のあとのお箸を見た。
お会いしたこともない師匠のどなり声が聞こえてきそうだった。
思わず恥ずかしくなった。
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2 コメント

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Unknown (事務局(may.))
2009-11-25 17:11:10
日本人として、お箸の文化も大切にしたいですね。
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Unknown (まえちゃん)
2009-11-24 19:06:29
今から食事になるのですが
私のお箸を注意して見てみますね(笑)
返信する

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