リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

鵜飼の愉しみ

2007-05-12 15:50:20 | サツキマス研究会/長良川調査会
 鵜飼開きというのは、心踊るものだ。
ボクは1991年から1997年までの7年間、長良川の鵜飼屋という場所に住んでいた。長良川に面した川沿いのマンションで、そのマンションの裏手に当たるところに、5軒の鵜匠さんが住んでいた。
 住み始めたのは7月末だったから、最初の年には鵜飼開きの日にその場所にいなかったのだが、2年目からは独特な雰囲気を感じることになった。

 緊張と高揚と。普段と変わらない生活の中に、ニュースなどでは報道されることののない張りつめた雰囲気の中で一日が始まっていった。

 今年は久しぶりに河原で鵜飼い開きを迎えた。
 最初の日には、普段よりも上流から鵜飼いが始まる。長良川に来たことがある方が見る鵜飼いは両岸を車が走り、ホテルの前から始まる鵜飼いだ。
 上流からの鵜飼いには、伴走する観光船もいないし、道路からは離れている。そこには、鵜舟のかがり火だけで行われる鵜飼の姿がある。

 ○ 序


 鵜船が並んでいる。現在も「総がらみ」と呼ばれ鵜飼いのクライマックスのアトラクションとして毎日、観光船を両岸に係留して行われている光景だが、鵜飼い開きのスタートは総がらみから始まった。違っているのは、観客はたぶんボク一人だということだ。
 河原に何人かの人が鵜船の通過を待っている。ただ、それは、その後にアユ漁を始めようという人たちだ。鵜飼いそのものを見ようという人間はあまりいない。

 ホテルの明かり、車のライトが視野にはいるのだが、漆黒の闇の中で鵜船を迎える。チャップリンが感嘆したという鵜飼いの世界。


○破



 ひろいトロ場が終わり、鵜船は瀬頭にさしかかっている。
夜の暗がりのなかで、瀬を通過することはとても危険なことだ。浅い部分に乗り上げたら転覆する可能性がある。そして、鵜を12匹連れているがその鵜を舟と岩との間に巻き込んだら鵜はひとたまりもない。
 かがり火で、進路を伺い、手縄を繰って、鵜を配置する。


○急



 かがり火は風を受けて、輝きを増し火の粉を吹く。船頭は漕ぎて、漕ぎゆきて早瀬を越えるのだ。
一気呵成に瀬を越える。これが、鵜飼いの醍醐味なのだとボクは思っている。


 


 




かがり火の中、長良川鵜飼い開幕…レディース専用船も(読売新聞) - goo ニュース

☆テキスト版
かがり火の中、長良川鵜飼い開幕…レディース専用船も
2007年5月11日(金)23:15

* 読売新聞

かがり火の中、長良川鵜飼い開幕…レディース専用船も
(読売新聞)

 1300年余の歴史を誇る岐阜市の長良川鵜飼(うか)いが11日、開幕した。清流を舞台に鵜と鵜匠(うしょう)が繰り広げる伝統の漁法を約1200人が楽しんだ。

 川面が暗闇に包まれた午後8時過ぎ、赤々とかがり火をたいた6隻の鵜舟が現れた。「ホウ」「ホウ」という鵜匠の掛け声で、手縄(たなわ)につながれた鵜が次々と水中に潜り、アユをくわえて姿を現すと、45隻の観覧船から歓声が上がった。

 今年は女性だけが乗船できるレディース専用船も新登場する。市は、10月15日までの期間中に、12万人が訪れると見込んでいる。
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