リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

”人工”干潟 矢倉干潟

2007-09-10 22:01:36 | アユの流し目/雑記帳
 この場所には行ったことがある。
 かなり前のことなので、詳しいことは忘れてしまったのだが‥。
 用事や仕事がらみで行ったわけではなく、阪神高速道路から遠めに見たことがあって、気に掛かったので、大阪からの帰りにより道して見に行ったのだと思う。

 不思議な場所だと思っていたのだが、なんでこんなものを作ったのかわからなかった。
 このニュースを読んで、あの場所の意味がわかった。
 天災が再生した干潟だったのか!

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大阪・西淀川区“矢倉干潟” 護岸沈下し、土砂堆積(産経新聞) - goo ニュース

 ☆テキスト版
大阪・西淀川区“矢倉干潟” 護岸沈下し、土砂堆積
2007年8月28日(火)16:06

* 産経新聞

 ■震災がもたらした奇跡の自然

 全体の95%がコンクリート護岸で覆われた大阪湾。特に大阪市内は、大規模な埋め立てで自然の海岸線がほとんど存在しない。そんな中、渡り鳥やカニ、小さな生き物にとって“オアシス”ともいえる干潟が、大阪市西淀川区の神崎川河口に広がる矢倉海岸にある。阪神大震災による地盤沈下でコンクリート護岸が壊れた後に出現したという珍しい干潟を家族で訪れた。(社会部 白岩賢太)

 阪神電鉄西大阪線福駅から徒歩で約45分。矢倉海岸は製鉄所や港湾施設が立ち並ぶ工場地帯の一角にあり、車では通り抜けできない場所にある。しかも市販の地図には「矢倉緑地」としかなく、正確な場所も分からないまま妻と5歳の長女を連れて向かった。

 8月中旬。気温35度を超える猛暑日だったが、淀川沿いの歩道を延々と歩いた。目的地まであと半分ぐらいだろうか。自転車で横切った男性(68)に道を尋ねた。

 「干潟? ああ矢倉海岸のね。地元でも知らん人が多いのによう知ってるな」。近所に住むという男性の案内で、20分ほど歩くと神崎川河口左岸の矢倉海岸に着いた。

                   ◇

 「ここが干潟やで」。男性が指さした先は、イメージしていた干潟とは随分異なる小さな湿地だった。長さ約200メートル、幅約20メートル。江戸時代の新田開発で造成された埋め立て地に隣接し、満潮時は海中に沈んでいるが、この日は干潮に合わせて出掛けたこともあり、干潟に足を踏み入れることができた。

 「パパ見て。いっぱいカニがいる!」。生まれて初めての干潟にはしゃぎ回る長女の足下には、たくさんのイソガニが。小さな岩を持ち上げると、一斉に逃げ出すカニの群れも見えた。

 土手寄りの潮だまりには巻き貝のカワザンショウガイ、砂を掘ればゴカイもいる。堤防の上にはコサギなどの野鳥がエサを求めて虎視眈々(たんたん)と見下ろす。こんな自然の姿が都心の真ん中にあることが不思議でならなかった。

 地元の自然観察グループ「西淀自然文化協会」によると、矢倉海岸の干潟は平成7年の阪神大震災でコンクリート護岸が約3メートル沈下。大量の泥や砂が護岸の上に堆積し出現したという。

 同協会が一帯に生息するカニを調査したところ、平成6年は2種類だったが、現在は15種類の生息が確認されている。5年前には環境省のレッドデータブックで「近い将来野生での絶滅の可能性が高い」とされるカニ、ハクセンシオマネキも見つかったという。事務局の村瀬りい子さんは「かつて『どぶ川』と呼ばれた神崎川に、たくさんの生物がすみつくようになったのは震災がもたらした奇跡です」と話す。

                   ◇

 大阪湾の干潟に詳しい大阪市立自然史博物館学芸員の波戸岡清峰さんは「干潟は川から運ばれた栄養分を含む砂が、貴重な底生生物の繁殖を支える。今なお砂や泥が堆積していることを考えれば、近い将来別の生物が定着するかもしれない」と評価する。

 だが、ここを訪れて気になったことが1つある。それは散乱する家庭ごみや空き缶の多さだ。心ない人たちが捨てたのだろう。帰り際、妻や長女と一緒にごみを拾った。

 「せっかくの干潟もこれじゃ意味ないね」。妻の言葉にうなずく。豊かな自然の恩恵にあずかるのは小さな生き物だけではない。人間だって同じだということを干潟は教えてくれた。

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Help (R_Ayu)
2007-09-12 01:38:19
http://amamian.hp.infoseek.co.jp/
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