リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

新村式橋上流下仔魚ネット (タイミング閉鎖式ネット+潜航板つき)

2014-11-11 19:03:19 | ぶりこらーじゅ趣味

高さが20m程度の橋の上からアユの流下仔魚を採集するために開発した新村式橋上流下仔魚ネット (タイミング閉鎖式ネット+潜航板つき)をご紹介します。部品はすべてホームセンターでそろいます。

この仕掛けは、もともとはノルパックネット(北太平洋標準ネット)を使用して、20m程度の橋の上から流下仔魚をサンプリングすることを目的に開発したものです。橋の上からのサンプリングは河原に降りなくても可能なので、複数の川で時間差を少なくしてサンプリングが可能です。

 ただし、採集を行っていると、流下ネットが目詰まりして大きな抵抗となり、水流によって浮き上がってきます。そこで 潜航板(水流によって下向きの力を得るための抵抗板)を付けました。

 また、流下ネットを引き上げるときに、ネットの抵抗が大きく一人では引き揚げることが困難な場合があります。そこで、水面でネットを閉鎖して水の抵抗を減少させる仕掛けをつくりました。

1、潜航板

 この写真のネットは口径30㎝なのでこのサイズの潜航板は大きすぎるのですが、ノルパックネットに合わせて、30㎝のアルミ板に鋼鉄製の杭を角度を固定して細引きロープで縛ります。

 固定には アルミ板に4つの穴をあけ、二つのL字金具を向い合せて固定しています。

杭の棒はこのネットについてはこの長さはいりません。あくまでもノルパック(口径45㎝)用のものです。固定はネットの引き綱を通す穴に引き綱を縛っている部分に、シャックルをはめて、杭を通します。

2、タイミング閉鎖式装置

プランクトンの鉛直分布を調べるときに閉鎖式ネットという任意の水深でネットを閉じることができるプランクトンネットを使用します。閉鎖式ネットは金属の錘(メッセンジャー)を使用してその重さで金具を動かしてネットの口を閉じます。

この装置は現場で急遽作ったことと、ネットをつるしたロープの途中に結び目がありメッセンジャーが使えないことから、引き綱を「しゃくって」ネットの口を閉じることができるように工夫しています。

2-1 ネットの引き綱を固定する部分にシャックル2個を使用してステンレスリング(50㎜径)を付けます。

2-2 ネットの引き綱は潜航板の固定にも利用しているシャックルに縛ります(もやい結びなど、しっかりと固定してください)

2-3 引き綱の途中にステンレスリングを通すためのフックを固定します。(結びかたは、両方からの力につよい八の字結びがおすすめです)

   注)フックが確実に外れるように、フックと引き綱をゴム(ショックコード)で引っ張ることも有効です。この画像ではついていません。

 完成してつなげたところ

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 使用にあたって、フックと引き綱を輪ゴム(5本束ね、3つ連結してビニールテープで固定)を付けた状態。

 ゴムはボクの右手と左手の間に伸ばした状態で見えています。

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 調査 風景

 橋から降ろす時はフックが外れないように注意します。

 特に水面ではフックが外れやすいので、流れに乗るようにスムースに流します。

 ネットを回収するときは、引き綱を5mくらい急激に伸ばして、フックを外します。ダメな場合はこれを繰り返してください。

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  この文章は、プランクトンの調査、流下仔魚の調査を行ったことがある方むけに、内容を端折って書いています。

 不明の場合はメッセージにてお尋ねください。

 

 

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