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新潟久紀ブログ版retrospective

病院局業務課5「久々の県立病院視察と懐かしのカツ丼」

●久々の県立病院視察と懐かしのカツ丼

 不遜ながらも個人的には不本意としか思えなかった古巣の病院局への復帰だったとは言え、業務課長という立場になったからには、かつて在籍した当時の「現場起点」を思い返して、できるだけ速やかに県立13病院の各々の現状を把握したいと考え、着任早々現場視察の日程を組むこととした。
 一方で、同時に転入した病院局長は、医療関係の部局長経験者とはいえ、病院局や病院経営そのものは全く初めてということもあり、挨拶も兼ねて四月早々に各病院への視察巡りをすることとなったので、それに同行することにより視察するという案も出てきた。
 しかし、私は病院局長に随行して視察することはできるだけ避けたかった。病院局のトップといえば新潟県では副知事に準ずる特別職であり、知事の傍を固める庁議メンバーの一人である。そんな人のお付きとして大名行列のように現場に入っては、お客様扱いされて現場スタッフの本音や生々しい話が聞けないかもしれない。
 なので、私はかつて在籍した時に全ての病院を見慣れているからと局長随行は遠慮していたのだが、それでも分担により幾つかの病院へは局長とご一緒ということになった。
 令和2年4月10日の新潟県立十日町病院はその一つであったのだが、新潟県庁のある新潟市から遠路100kmを越えるこの病院の近隣にある新潟県立松代病院へも続けて視察訪問したかったので、公用車の局長とは別に自家用車で現地合流することとした。
 早めに十日町病院を訪れ、実務スタッフからコロナ禍が広まる中においての現場の実情を聴き、局長到着後は会議室で院長ら病院幹部からの概況説明を受けて意見交換ということになった。十日町病院は建替え工事の最終盤であり、新病院施設としての開院に際しての前後の入院患者調整やスタッフの習熟などが今年度の大きな課題で、ただでさえ難度の高いオペレーションなのにコロナ禍による対応リスクが加わって大変なものになりそうだとの話をお聞きした。
 実は、この病院建替えは9年前に私が病院局に在籍した当時に計画されたものなのだが、一般的に病院の建築は数年を要するとはいえ、現地で旧病院を使いながら部分的に壊しながら新しい施設に建替えていくという極めて難しい方法を採用したが故に、今日に至っても工事途上という"サグラダファミリア状態"であると知り驚いたものだ。
 新たに土地を用意したり物理的に離れた箇所への移転に伴うコストやリスクなどを考えた上での現地建て替えだったのだが、やはり実際に進めてみると様々に時間を要する課題が生じてきたらしく、日々病院運営をしながらここまでに至る苦労が容易では無かったことが院長らから切々と聞かされた。現場本位で物事は計画して実施しないと結果として現場の負担が大きくなることを実例をもって再認識させられた思いだ。
 それでも9月には新施設が開業できるといい、8月には関係者の内覧会や式典を開催するということで、前向きなムードに現場の志気は低くはなさそうだ。併設する看護学校の入学式の祝辞のために出席する局長と別れて、私は一人、僻地といわれる山間にある小規模病院の松代病院へ現状視察の車を走らせた。
 途上でお昼となり、もしかして今も在るかもと思いつつ見回すと"あの"「はらたや」食堂が。12年前に病院局に来たばかりの頃、優秀な若い同僚と二人で病院視察回りの際に立ち寄って以来だ。その時と同じ「かつ丼」を頼むと、相変わらず分厚いロースとんかつが卵とじでこれでもかというくらいのご飯に乗っている。赤字続きの新潟県立病院をなんとかしようと本気で考えながら、メシの熱さに汗を垂らしてかきこんだ”あの頃”を思い出した。

(「病院局業務課5「久々の県立病院視察と懐かしのカツ丼」」終わり。県職員として12箇所目の職場となる病院局業務課の回顧録「病院局業務課6「先進的ICT遠隔技術を使え」」に続きます。)
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