●座談会の前に「県庁出先の役割」を考える(その1)
新潟県庁の出先機関として新潟県北部の一定地域をエリアに施策の執行を任される新発田地域振興局の局長に着任し、「振興」の看板を背負った意味を考えてみたときに、「新発田地域の振興に向けて、若い人で住み続ける人、この地域に関心を持って関与し続ける人を増やすことへの貢献」が使命として浮かび上がり、出先機関らしく臨場感と具体性のある取組にしたいとの思いから、先ずはターゲットとなる若い人や地元で地域活性化に取り組む人を集めた座談会をひらいて知恵出しをしようと考えてみた。
お忙しい学生さんや地元で活躍する人などの参集を想定したときに、テーマとして掲げた使命に対して、地域振興局として貢献できることは何かを予め認識しておく必要があると思った。単に人を集めて、意見交換の場を回して、「あとは地元の皆さんで頑張って」ということではあまりに調子よすぎるし、個々の住民生活に対して、直接向き合って一義的な責任から逃れられない市町村役場と異なり、少し距離があって地方行政機関としては中二階とも揶揄される県として最も情けない態度になってしまうだろう。
そもそも新発田地域振興局とは何をしてどんな役に立っているのか。
新発田地域振興局は7つの部署で構成されている。組織編制順としては、企画振興部、県税部、健康福祉環境部、児童・障害者相談センター、農業振興部、農村整備部、地域整備部ということになる。
私の独断により、住民生活への影響の広さや大きさ、”稼げる”という論点への近さなどを踏まえて並べてみると、「農業振興部」は、人の生命の基本となる食品を生む農産物が、需要に応えて生産され、盛んに出荷されるように生産技術の改善支援等を行うところであり、「農村振興部」は、そうした面で公益性が高い資産と言える農地の圃場大規模化や用排水路の改良等により農業生産の基盤を強化するところだ。
「地域整備部」は、河川やダムの整備と管理を通じて、水害から生命財産の安全安心を守るという重要な役割のほか、道路の整備と管理においては、交通の安全確保のほか、物流の改善など生産性の向上や地域としての稼ぎにもつなげているところだ。
以上の3部署は、広い意味でインフラ対応といえると思う。
「健康福祉環境部」は、保健、福祉、医療、生活環境と守備範囲が広く、地域住民の心身の安全安心に関わる前線機関である。新型コロナ感染拡大など大事が発生すると一気に矢面に立つのは知られたとおり。「児童・障害者相談センター」は児童の虐待問題などへの対応や障害者への支援などを市町村と連携して担っている。内容は個別の事案なので身内に問題が無い人は関心を持ちにくいが、人口減と少子化にも拘わらず児童相談所が関わる事案件数が増え続けていて忙しさが増しているところだ。
以上の2部署は、正にセーフティーネット対応といえよう。
「県税部」というのは、県民に対して税金を課して徴収して、ここまで述べて来たインフラ整備や各種の施策推進など”表向きの仕事”がしっかり回るように財源を確保する正に”縁の下の力持ち"となる。インフラとセーフティーネットの下支えということだ。
残る「企画振興部」というのが、「振興」に「企画」まで名づけられて大仰な看板となる。実は地域振興局長は企画振興部長が兼務となっていて、ここまで振興とは何ぞやと悩んで来た私は、そのための取り組みの実務担当者ということにもなる。
(「新発田地域ふるわせ座談会4・「県庁出先の役割」を考える(その1)」終わります。「新発田地域ふるわせ座談会5・「県庁出先の役割」を考える(その2)」に続きます。)
お忙しい学生さんや地元で活躍する人などの参集を想定したときに、テーマとして掲げた使命に対して、地域振興局として貢献できることは何かを予め認識しておく必要があると思った。単に人を集めて、意見交換の場を回して、「あとは地元の皆さんで頑張って」ということではあまりに調子よすぎるし、個々の住民生活に対して、直接向き合って一義的な責任から逃れられない市町村役場と異なり、少し距離があって地方行政機関としては中二階とも揶揄される県として最も情けない態度になってしまうだろう。
そもそも新発田地域振興局とは何をしてどんな役に立っているのか。
新発田地域振興局は7つの部署で構成されている。組織編制順としては、企画振興部、県税部、健康福祉環境部、児童・障害者相談センター、農業振興部、農村整備部、地域整備部ということになる。
私の独断により、住民生活への影響の広さや大きさ、”稼げる”という論点への近さなどを踏まえて並べてみると、「農業振興部」は、人の生命の基本となる食品を生む農産物が、需要に応えて生産され、盛んに出荷されるように生産技術の改善支援等を行うところであり、「農村振興部」は、そうした面で公益性が高い資産と言える農地の圃場大規模化や用排水路の改良等により農業生産の基盤を強化するところだ。
「地域整備部」は、河川やダムの整備と管理を通じて、水害から生命財産の安全安心を守るという重要な役割のほか、道路の整備と管理においては、交通の安全確保のほか、物流の改善など生産性の向上や地域としての稼ぎにもつなげているところだ。
以上の3部署は、広い意味でインフラ対応といえると思う。
「健康福祉環境部」は、保健、福祉、医療、生活環境と守備範囲が広く、地域住民の心身の安全安心に関わる前線機関である。新型コロナ感染拡大など大事が発生すると一気に矢面に立つのは知られたとおり。「児童・障害者相談センター」は児童の虐待問題などへの対応や障害者への支援などを市町村と連携して担っている。内容は個別の事案なので身内に問題が無い人は関心を持ちにくいが、人口減と少子化にも拘わらず児童相談所が関わる事案件数が増え続けていて忙しさが増しているところだ。
以上の2部署は、正にセーフティーネット対応といえよう。
「県税部」というのは、県民に対して税金を課して徴収して、ここまで述べて来たインフラ整備や各種の施策推進など”表向きの仕事”がしっかり回るように財源を確保する正に”縁の下の力持ち"となる。インフラとセーフティーネットの下支えということだ。
残る「企画振興部」というのが、「振興」に「企画」まで名づけられて大仰な看板となる。実は地域振興局長は企画振興部長が兼務となっていて、ここまで振興とは何ぞやと悩んで来た私は、そのための取り組みの実務担当者ということにもなる。
(「新発田地域ふるわせ座談会4・「県庁出先の役割」を考える(その1)」終わります。「新発田地域ふるわせ座談会5・「県庁出先の役割」を考える(その2)」に続きます。)
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