新潟久紀ブログ版retrospective

ほのぼの愛車遍歴16「三菱・ギャラン・ヴィエント」(その5)

◇◇◇三菱・ギャラン・ヴィエント
 [1994年10月から2009年9月まで子育て時代を支えてくれた]◇◇◇

▼5トラブル続きの終盤(その1)
 平成20年の夏休み。ホテルグリーンプラザ上越は駐車場入りを待つ車で渋滞していた。スキーシーズンがメインの高原の立地なので満車ということになるはずはないが、全てを停めきれるのか不安になるような車列ぶりだった。目一杯車が詰め込まれた敷地内にホテルマンの誘導に従ってようやく見つけた細い空間にギャランをそろりと向かわせてバックで、3ナンバーゆえ慎重に何度も切り返して、なんとか狭い空間に納めることができて一安心した。混雑した車両を管理に必要だというので車のキーを預けて、先にエントランス前で下ろした家族の元に向かった。
 車さえ停めてしまえば、あとはリゾート気分を満喫するばかり。当時、何かと懸案の多い病院局という部署へ転勤したばかりで春先から緊張の連続だった私は、とにかく何もかも忘れて遊び呆けたかった。それにはホテルに併設されたプレイランドのウオーターパークの「ワイルドリバー」という施設が最適で、それは幅広のゆるやかなウオータースライダーを浮き輪で流れ落ちるものなのだが、仰向けになって水の上をすべり流れ落ちるその間、頭を完全に空っぽにできるのだ。日々の疲れを解消したかった私は、それこそ何度も何度も取り付かれたように繰り返しワイルドリバーを往復して家族に呆れられるほどだった。
 昼はプールと遊園地で大騒ぎ、温泉大浴場で汗を流して、夕食はバイキング形式のレストランで家族みんなで制限時間いっぱいしこたま食べ、腹ごなしに子供向けのささやかな花火イベントなどに興じていれば、夜も更けて眠りこけ、あっという間に朝がやってくる。
 朝食を終えても時間一杯までお土産の購入や散策などで広いホテルの内外で過ごし、いよいよフロントで精算して名残りを惜しみつつ駐車場に向かうまで、愛車ギャランヴィエントのことなど全く意に介することはなかった。昨日苦労して停めたその場所に変わらない姿があることは当然に思うばかりなのだが、乗り込んでキーを回すと始めて異変に気づいた。
 全く何の反応もない。セルモーターが全く動く音を出さない。「ええっ?」と一気に青ざめる。これから長い距離を新潟市の自宅に向けて走っていかねばならないのに、おいそれと三菱のディーラーなどが駆け付けようもないようなこんな山間の高原で、マイカーが突然死というのか。瞬間で途方に暮れそうになった。
 それでも自らを落ち着かせて、今一度キーをひねると、通常はセルモーターが動く前に発光するアラートサインなどのランプ類が全く点かない。それなりのドライバーとしての経験からこれはバッテリー上がり、しかも完全な"干上がり"、と見当が付いた。
 新車で購入して早10年は経ているとはいえ、最低1年に一回はディーラーで点検してきて、このホテルに着くまでの100kmを超える道程も高速道路を含めて快調そのものであった。頭の中で昨日ここに駐車した時までをレビューしてみる。「ああっ!」と思わず声が出た。ここに停める際に、大変な混雑の中でのことゆえに、ハザードランプを点滅させてギャランを操作していた。それが点けっぱなしになっていたのではないか。
 早速エントランス前で私のクルマを待っていた家族の元に行き、状況を話して暫くロビーで待つように指示し、フロントに申し入れて車のエンジン掛けのためのバッテリー接続を対応してもらうことにした。こんな事はたまにはあるのだろう。ホテルの社用車で乗り付けてくれた職員は、私に気遣いの言葉を掛けると、落ち着いて手際よくケーブルでバッテリー同士をつないでくれた。
 セオリー通り、相手の車が暫くエンジン回転を上げ続けた後に、私がギャランのキーを回すと果たして、そのエンジンが元気よく響き始めた。やはりバッテリー上がりであった。完全に上がりきってしまったようなので、この先エンジンを一旦止めてしまえば再起動はできなくなるだろうし、高速道路を含む長い帰路の途上で何が起きるか分からない。バッテリーの交換ができる最寄りの場所はどこかと職員に尋ねると、ホテルの出口からの坂道を下って国道との交差点にホテル提携のガソリンスタンドがあり、そこでバッテリー交換ができるかもしれないと案内してくれた。それを頼みに家族を乗せて心細くも発進することにした。

(「ほのぼの愛車遍歴16「三菱・ギャラン・ヴィエント」(その5)」終わり。ほのぼの愛車遍歴17「三菱・ギャラン・ヴィエント」(その6)」に続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
https://twitter.com/rinosahibea
☆新潟久紀ブログ版で連載やってます。
 ①「へたれ県職員の回顧録」の初回はこちら
 ②「空き家で地元振興」の初回はこちら
 ③「ほのぼの日記」の一覧はこちら
 ➃「つぶやき」のアーカイブスはこちら
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「愛車遍歴」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事