ほんとにっき

身辺雑記、本の紹介、日々の徒然、サッカー、映画など。。

きょうとあした

2009-02-28 06:03:37 | Weblog
見覚えのある部屋。外は積雪。足跡が残ってしまう。
窓から侵入する。警戒心は全くといってない。
そこに誰もいないのが分かる。それでも息を潜めるような、
まるで泥棒のような努力はする。物色することはない。
何も欲しいものは、盗むものはない。ただ、少し気になっただけだ。
何がというと、あの外観、壁の向こうにはちゃんと誰かが
生活を営んでる内部、部屋はあるのだろうかと。
想像力の不足のせいか、その二つが同時に建造物を形成しているか
僕にはわからない。でも、こうやって部屋に入るとそれが確認できる。
あらゆる家にあらゆる人が生活している。まぁ、当たり前のこと。
これって不法侵入だよな、今気付く。急にあせりだす。
そして玄関のドアに、一目散に逃げようとするが、せっかくきたんだから
記念品を獲得していこうと、そこらへんを物色する。
だが、ない。そうだ、もう玄関に並んでる靴でいいや。
どうせ買い換えようとしていたところだし。それに、運良く
そこに並んでいたのは真新しいスニーカー。サイズもぴったし。
そして、ドアを開き僕は逃げ出す。走り出す。
心臓と肺と筋肉が、悲鳴を上げ助けを求めてきても、耳を貸さない。
見覚えのない、どこに向かっているかも分からないほど。
到着する。そこがどこだか分からないが、帰る場所は、他にはないような気がする。
そうだ。スニーカーどこやったけ。息を整え、ドアに向かう途中、ゆっくり歩きながら考えてみるが、
見当たらない。手に持っていた筈なのに。腕を振る勢いで、何処かに落としてしまったのか。
それが一番妥当な線に思えるが。いや違う、道端に投げ捨てたんだ。露見するのをおそれて。
でも誰に?
ドアを開ける。隙間風が吹く。足が冷たくて、痛い。
眠りにつけば、全て忘れる。

雪をまとった街は美しい。特に夕暮れ時。

2009-02-26 05:09:47 | Weblog
死生観をお持ちだろうか。巷で話題になっている映画のこともあってか、
よく死のことを考える。といっても、頭を巡るのは幼い頃からの、
眠りにつく時に、折に触れて離れない疑問。
僕は、我々は死んだらどうなるのだろう。
もちろん、生きている間は、そんなことは分からない。
しかし、死に対して全くもって未知だとすると、
一転、今僕が生きている、生に対しても漠然とした不安を感じてしまう。
こうやって何かをしている時は、それに熱中できるが、空白の時間、
例えば、一人ぼーっとしている時や、
散歩していて余りにも綺麗な風景が眼前に広がっている時、
ふと、自分が自分でなくなるような、こうやって存在していることに、
なんともいえない感慨に襲われることがある。
何故僕は、ここに生を受けたのだろう。
今までやってきたこと、これからやっていくことにどれ程の意味があるのだろう、と。
人生経験を積むことによって、その人間性は豊かになるどころか磨り減ってしまうのではないか、と。
これ以外の可能性もあったのだ。そんな自分と世界を共にしている。
ケツが青い、若い文章だなと自分でも思う。
しかし、一瞬の違和感、世界との齟齬みたいなものを感じていて
それをなんとか言葉で表したかったけど、上手くできなかった。
どっちにしても、分からない事だらけだ。

誰も求めていなくとも

2009-02-10 04:05:58 | Weblog
深夜3時、街は眠っている。
この目で確かめてきた。いてもいられなくなり、僕は玄関を開いた。
流石に寒かったけど、その空気は僕をときめかせ少し落胆された。
壁で覆われた暗闇の中で、人々は眠っていたり、抱き合ったり
想像力を推し進めるだけの、夢を見ているだろう。たとえ、その眼は開いていたとしても。
孤独がなせる業だ。
自販機で、温かいミルクティーを買って、その温もりが失われる前に飲もうとする。
しかし、そんなことは難しい。徐々に冷めていく、徐々に覚めていく。

このままでいいのか、いや、よくないよ。よくない、よくない、絶対によくない。
少し、混乱する。そして、結局は怠惰に身を任せ、愚かさや自堕落なコミニケーションに
戻っていく、僕の現実に。
自然はただそこにあって、月は闇夜を照らす。長い間眺めていたいと思う。
そうすれば、何かが解決しそうな気もする。それ程に綺麗なんだ。

いつからか闇を恐れなくなった。やがては終わることを知ったからか。
それとも人工的な光が、時間と空間を照らすようになったからか。
僕は、これから何を求めて人生を生きてくだろう。
下らない設問だ。わからない。
誰かが、何かが、求めてくれたら。
それは本当の夢のような出来事だ。
明日から頑張ろうと思う。  一体、なにを

夢の

2009-02-08 03:01:58 | Weblog
バスが走っている。無人のバスが。それは時に霊柩車のようにも見える。
だが、たまには遊園地に連れてってくれる愛嬌のある乗り物にも見える。
僕は、そのバスが結構好きだ。採算が取れているのかは分からないけれど、
出来ることなら、町中を走り続けてほしい。

あのバスに、女性が乗っていて、それは全然不思議なことではないけれど、
その人と目が合う。一瞬でも分かる。特別な人だと。
出来ることなら、声を掛けたい。なんていうのかは分からないけれど、
その人に近付きたい。必死でバスを追って、終点まで辿り着いたのに、
そこには、運転手しかいない。勿論途中で下車したのを見逃した訳でもない。
消えてしまった。

妄想と現実のはざまで、今もバスは走っている。