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話題の映画『ひいくんのあるく町』(上映中@ポレポレ東中野)を観てきた

2017-09-12 17:02:14 | 映画
映画『ひいくんのあるく町』を「ポレポレ東中野」で観てきた。



弱冠23歳の青柳拓氏が、学校の卒業制作作品として「明確な理由はないが地元を撮りたい」と思いながら地元を歩いていたところ、そこに「ひいくん」が昔と変わらず歩いていた。

「なぜこの人は、いつも楽しそうに歩いているのだろう?」

青柳氏は気になり始め、「ひいくん」を追いかけるに至ったという。

この映画のチラシに、作家の関川夏央氏が「昔、どんな町にも「ひいくん」のような人がいた。「まれびと」または商店街の「守護神」として愛されてきた」と書いているのだが、私が生まれ育った町にいたひいくんのような人は、どちらかというと冷たい目で見られていた。
知的か精神的なものかはわからないが障がいを持っており、独り言を言いながら町を歩く彼にとまどい、距離を置いていた。

だから、この映画はちょっと衝撃だった。

ひいくんは、お父さんに連れられて、幼い頃から飲み屋さんなど地元の人が集う場所によく出かけていたという。
その結果として、町の人たちが、お父さんが亡き後も、幼い頃から知っているひいくんを温かく受け入れているというのがあるようだった。

障がいがある家族がいると、世間体やら心配やらで家の中に囲い込みがちだ。
だが、そんなことは気にせずに、本人が外へ出たがるならば、好きにさせてあげた方が、本人なりのコミュニティをつくりだして逞しくやっていくのだなと思った。

ひいくんは、日々町に繰り出す。
お母さんいわく「なにかとにかく、手伝いたいんじゃないかしら?」

ショッピングセンターで服のチェックをしているおばさんを手伝う。
田んぼの機械を洗うおじさんを手伝う。
日陰でだべるおじさんたちに交じって佇む。

みんな、ひいくんを自然に受け入れ、声をかけ、コミュニケーションをとっていた。
その“当たり前”な感じに、じわりとした感動を覚えた。

障がいをもっている、もっていない、の間に境界が感じられない。
とても素敵なことだと思った。

ひいくんの住む町も、商店街はシャッター通りとなり、若い人が町を離れ過疎化、高齢化が進んでいる。
元気だった人も病気になってしまったり。

にぎやかだった時代を思えば、一見寂しい、厳しい現実なのだが、そんな中でもひいくんは変わらずに町を歩き続けている。
そこに、ひいくんの「強さ」を見た気がした。

景気が悪いとか、そういうことに振り回されない。
ひいくんは、わが道をいく。
お手伝いを求めて、日々一生懸命生きている。
その生き様が、なんともカッコイイと思った。

姪っ子に「汚い手でさわらないで~!」と言われる。
お父さんを思い出してお墓参りに行ってみる。
ホームセンターで好きな工具を見て触る。
お手伝い後にお茶を飲む。

ひいくんの日常は、きっと私の日常とそんなに変わりはないはずで。

私が、どうあるか。
そこだよな、と思った。

将来なんてどうでもいい。
だけど、日々一生懸命生きたいんだ。
そこなんだよな、と強く思う。

「ひいくんのあるく町」、オススメします

最後に、青柳監督の舞台挨拶もあってラッキーでした



応援しています~




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