吉見義明中大教授が指摘する
マクドゥーガル報告書の問題
1999.6.2.
日弁連主催
ゲイ・マクドゥーガル氏(国連人権委特別報告者。
Gay J. McDougall, Special Rapporteur)講演
弁護士会館
シンポジスト
──吉見義明、ゲイ・マクドゥーガル、前田朗、大森典子弁護士、日弁連
■ 吉見義明氏(中央大学教授)発言
マクドゥーガル報告は政府調査に基づくといっているが、若干の問題がある。
以下、じつは政府資料にない。
1.「慰安婦」総数20万人以上
…は、ハッキリしない。私(吉見)が5万から20万人と推計したもの。
2.民族別で朝鮮人が多数
という確証はない。朝鮮人が多かったが、他のアジアの女性も多数いる。
3.生還が25パーセント
という根拠となる資料はない。
4.年齢が11歳から
という資料はない。公文書では14歳がもっとも若い。
21歳未満が半分を超えるということはいえる。
課題については、刑事訴追──処罰をいう人たちがいるが、事実調査、真相究明ができていないのだから、これをきちんとやる、そして謝罪と賠償。私はそのアプローチを考える。
ともかく、事実認識の内外格差がある。被害者の声から考えていきたい。法認識にも内外格差があり、「フィリピン」判決には唖然とした。
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吉見氏はシンポジウムの壇上で、ゲイ・マクドゥーガル氏の前で、以上の指摘をしたが、当人はまったく無視。他の同席者も触れなかった。(触れようとしなかった。)
ものを書き、発言するときに、事実考証に誠実に向き合わず、「運動」のために肝心な事実を無視し曲げるテクニックを使うようでは、まともな「報告」とはいえない。それをかついでいる運動はなんの運動にもならない。
── http://www.zephyr.dti.ne.jp/~kj8899 ──から