第22話 「シークル艦の攻撃」
「あの様子だと新型デロリデについては何機いるのか分からん」
麻生が困ったように質問する。
デッキにはトキノがきていた。
「デロリデは少なくとも5機は見かけたわ」
撃破されているのはまだ1機。
新型だろうジャイワナーゾはおそらくアストラーダが乗っているのだけだろう。
ゲラザロナは2機いるらしいが、未だに姿を現さない。
離れた位置でベラーナから通信が入った。
流石にもう10時間は経っているのでリキュールの効果もない。
「おい…まだそんなにいるのかよ…」
ベラーナの言葉にトキノが答える。
「施設だけで5機…バミューダには何機いるのか分からないわ」
麻生が言った。
「確か連れて帰った1機がいるとか…ということはあまりデロリデは残っていない可能性もある」
守里は回線を聞きながら答えた。
「突入しますか?」
セイナが止めに入ろうとすると、アル・レレン艦長は思い切ったことを言った。
「シークル艦で攻撃をする」
誰もが驚いていると続けて話し出した。
「こんな大きな戦艦だ。いずれバレる。だったらこっちから攻撃して様子を見た方が良いだろう。シークルレーザー砲がある」
「シークルレーザー砲?」
麻生とベラーナは同時の質問だった。
整備士のサイが答える。
「シークルレーザー砲の威力は凄いからな!施設を破壊までいかなくてもバミューダ海域にいるマイール艦を脅すことくらいはできるだろう」
広報のライも頷きながら返事をした。
「施設が地下なら攻撃は難しいだろうが、バミューダのマイール艦なら脅せるな」
守里が質問をした。
「俺や、ベラーナは何をすれば良いですか?」
アル・レレン艦長は真剣な表情で答える。
「ベラーナ機は施設周辺で待機。Gビャクヤはシークル艦の補佐に回って欲しい。デロリデがきっと出てくるだろう」
守里はイギリス領域にいたのでそのまま後方へ回り込むことにした。
左後方なら間違いないだろう。
クルーのシースが言った。
「デロリデ2機を発見!」
ちょうどシークル艦の射程内だった。
「攻撃開始!」
バミューダ海域に戻っていたシークル艦は、攻撃の準備をしてデロリデに狙いを定める。
シースが言った。
「熱源デロリデの後方に発見!攻撃準備よし!」
発射した時、守里もベラーナもその威力に驚いた。
シークル艦から普通では考えられないレーザー砲が発射された。
デロリデ2機は簡単に巻き込まれて消える。
熱源がどこかはっきりした。
興奮したようにクルーのシースが答えた。
「セント・ジョージ島付近です!」
アル・レレン艦長は島ではなく、新たな地域にいることを知った。
「反撃はあるか!」
アル・レレン艦長の言葉と同じく、守里も準備をするが反撃がない。
ベラーナは言った。
「はっきりしたな。ジャイワナーゾやゲラザロナは発進する気がないってことを」
何を考えているか気になったが、場所が分かったことと施設から2機のデロリデが飛び立ったことを確認した。