今年もコチドリの繁殖時期をむかえ、館山湾でもコチドリの姿が見られるようになりました。
遠く東南アジアから3月頃日本にやって来るコチドリ達は、産卵に適した気温になるのを待っている様子です。
2025年の春は冬のような気温の低い日の多かった印象で、コチドリ達はどのように寒さをしのいでいるのかと気になっていました。
彼岸を過ぎた頃から少しずつ暖かくなり、ようやく春らしい陽気になった感じです。
そして昨日4/30に館山湾南側の海岸ヘコチドリ観察に出掛けました。

海岸へ流れ出る小川でコチドリが1羽で採餌中のところに出逢いました。
以前この辺りは雑木林が広がり、今頃の季節にはキジが現れていました。
私がキジの親子を見たのもこの小川です。
今は両岸にあった雑木林の内、宅地側がすっかり切り拓かれ、それ以来キジの姿も無く、鳴き声も聞こえなくなりました。

別の小川の岸辺にもコチドリ1羽を観察出来ました。

更にコチドリを探して歩いていると、すばしっこく歩くコチドリを見つけました。
しばらく観察しているとうずくまる仕草が見られ、抱卵しているように見えました。

近づいてみると卵がありました。
通常コチドリは4個の卵を産みます。
数日間かけて4個を産むそうなので、産卵途中の状態なのかもしれません。
卵を確認してその場を離れると、親鳥が戻ってきて抱卵を始めました。

別の浜ではオスのコチドリがいました。

オスのコチドリを見ていたら、こちらに向かって近づいてきたメスです。
海藻などの漂着物の間にうずくまり、こちらの様子をうかがっています。
この日は5羽のコチドリを観察出来ました。
館山湾南側の海岸では恐らく3組6羽のコチドリが繁殖している可能性があります。
今年のコチドリ達の子育てはどうなるのか、楽しみと不安が入り混じる感じです。
卵やヒナが捕食されることなく、無事に巣立ちが出来るよう願っています。
私が館山湾に繁殖のためにやって来るコチドリの観察を始めたのが2018です。
2018年は観察と呼べるようなものでは無く、遠くから双眼鏡でコチドリ親子の様子を見ている趣味のような感じでした。
そんな風に毎年コチドリを観察していく内に、様々な問題点が見えてきました。
繁殖に失敗する例を幾つか見てきて、何か自分に出来ることがないかと思っています。
まずはコチドリの存在を多くの人に知ってもらうことが大切だと考えました。
野鳥保護というと難しく思えてしまいますが、個人で出来ることを一つ一つ増やしていければと思っています。
その一つの活動の場として南房総うみはま研究会があります。
たくさんの方に海岸に暮らす生き物達を知って頂き、現状を理解して頂く事を目標に細く長く続けていけたらと思っています。
2025年4月30日館山湾観察記録

キアシシギ1羽

チュウシャクシギ2羽