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南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

4月の海浜植物の花 2024年

2024-04-21 22:15:54 | 植物
春一番に咲き始めるのはハマエンドウ。
群落を作るハマエンドウの紫色の花が咲き揃うと、海岸は華やかな景色になります。
マメ科のハマエンドウは後浜の砂丘の手前側で群落を作り、斜面が一面ハマエンドウで覆われ葉の緑色と花の紫色が離れて見てもよく分かります。


砂浜の最前線にあるコウボウムギ。
白い花を咲かせているのは雌株です。
カヤツリグサ科のコウボウムギはスゲ類では珍しい雌雄異株だそうです。

砂丘を歩くと黄色いハマニガナの花も咲いています。
ハマニガナはキク科の植物ですが、砂に埋もれるように茎が短く葉も地面から直接出てきている感じです。
千葉県ではレッドリストのカテゴリーD一般保護生物で、個体数が少ない、生育環境が限られ自然環境の構成要素としての役割が著しく衰退する可能性があるとしています。


カヤツリグサ科のコウボウシバは茶色く長い穂の様な頂小穂が雄性で、その根元に見える白色の花を咲かせるのが雌小穂と呼ばれるものだそうです。

海浜植物の代表とも言えるハマヒルガオ。
ヒルガオ科の植物でピンクの美しい花が満開になると、海岸全体がピンク色に染まっているかと思うくらい綺麗です。


ハマボウフウの花も咲き始めています。
光沢のある緑色の葉の中央に花芽がありました。

セリ科のハマボウフウは白い花をたくさんつけています。
千葉県ではレッドリストのカテゴリーC要保護生物で、個体数が少ない、生育環境が限られ、放置すれば著しい個体数の減少は避けられないとしています。


海岸性低木にも花が咲いていました。
マルバグミの白い小さな花が満開です。

グミ科のマルバグミの花は近づくとふわっと匂います。
他のグミと比べると丸い葉をしているのが名前の由来だそうです。


トベラの花の匂いも潮風で辺りに良い香りが漂っています。

トベラ科の植物で葉を揉んだり切ったりすると悪臭がするそうで、節分の時に魔除けとして門戸にトベラの枝を挟んでいた風習があったそうです。
その事からトビラと呼ばれたのが名前の由来だと言うことです。

個人的にトベラの花の香りが大好きなのですが、葉から悪臭がするのは知らなかったので、今度葉の匂いも確かめてみようと思います。

海浜植物は潮風の塩害や強風による飛砂等の環境にも適応している力強さがあります。
特殊な環境ゆえに海岸が開発されれば、その数を減らしてしまうこともあります。
その他にも人が海岸へアクセスするために歩く場所には、人による砂浜の踏み締めにより植物が生えなくなってしまいます。
人の立ち入りを制限するのは難しい事なので、植物にとって良い環境を保つのはなかなか大変です。
砂浜を出来るだけ歩かなくてもいいように、木道を砂浜や砂丘に設置すると言う考えがある事を知りました。
遊歩道を作り、そこだけを人が歩けば植物や小さな生き物にも負荷がかからず素晴らしい事だと思います。
いつか南房総の海岸でも木道の遊歩道が整備されれば嬉しいです。

















6月の海岸に咲く花

2023-07-01 09:52:14 | 植物

梅雨の雨の合間の晴れの日に海岸を歩くと、ネコノシタが咲き始めていました。
その花の蜜を吸いに来ていたウラナミシジミはこの時期の海岸でよく見られます。


小さなヒマワリのような花を咲かせるネコノシタは、別名でハマグルマとも呼ばれています。


海岸の岩場にはスカシユリが咲いています。


同じ場所に咲いていたボタンボウフウの花。


まだ蕾が多く、白くて小さな花が咲き始めていました。


グンバイヒルガオの紫色の花は海岸でも一際目を引きます。
沖縄〜四国では普通に花が咲きますが、南房総では限定された海岸で開花する珍しい植物です。

一足先に花を咲かせて実が熟し始めていたハマボッス。




ハマボッスはこんな感じの白い花なのですが、日本原産の多肉植物だそうです。


紫色のハマゴウの花。


自宅近くの海岸にはハマゴウ群落があり毎年海岸清掃の一貫で刈り取られてしまうのですが、今年はまだ残っていました。
海岸整備されずに済んだ植生は自然が残された貴重な場所です。
潮風、日照りなど特殊な環境の中で、忍耐強く逞しく生きる海浜植物は、ずっと昔からここに居て全てをみて来た存在のような気がします。



夏の海浜植物の花々

2022-07-07 21:35:06 | 植物

今日は念願だったハマナタマメの花に出逢えました。
数年前にこの海岸の群落のことを知ってから気になっていたのですが、今年やっと開花の時期に間に合いました。
間近で見ると本当に美しい花です。



オレンジ色のスカシユリ



白色のボタンボウフウ



黄色のネコノシタ



紫色のハマゴウ



ハマゴウは真上からの花の形が好きなのです。



ハマユウの花は近づくと、とても良い香りです。
夏の海岸は様々な海浜植物の花が咲き、とてもカラフルでした。



そして今日のビーチコーミングではシラタマガイとマメウニ。




ハマボッスとインク瓶

2022-05-03 20:42:31 | 植物

海岸ではハマボッスの花が咲き、初夏の雰囲気です。


いつものゴールデンウィークなら半袖で過ごせるくらいなのですが、今日は晴れて暖かな日差しの差す海岸ですが、冷たい風が吹いていて3月を思わせるような陽気でした。


大潮の満潮時の波打ち際だったところを歩いていると、インク瓶が打ち上げられていました。何かに当たったのか瓶の口の部分が少し欠けていて、表面も波に洗われてザラザラとすりガラスのような感じになっています。
このインク瓶は古瓶とかレトロ瓶と呼ばれていて、アンティークショップなどで売られているそうです。


こちらは今日拾った貝殻。
ピンク色のウズイチモンジがお気に入りの貝殻です。


ミヤコグサの花畑。
黄色い花は夏を待ちきれない様に見えました。