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たまのあしあと

きままな日々の日記などなど。

送り火

2007年03月09日 | 
重松清の「送り火」を読み終わりました。
彼の作品は数年前に「ナイフ」を読んで以来。

この本は9つのお話の短編集。
どのお話にも関連はないんだけど、共通しているのは富士見線という架空の路線沿いに
住む人が主人公ということ。

ナイフを読んだ時にも思ったけど、この方は主人公の心情を描くのがうまいですね。
(作家に「うまい」っていうのも何だけど
引き込まれるように読んでしまいます。文章も読みやすいし。
不思議な出来事は起こるけど、途中特に盛り上がるところもないし、
でもそこが何故かリアルで、通勤中に読んでいると同じ電車に乗っている誰かの
話のような気がしてきます。
疲れたおじさんを見たときは特に・・・

家族とか日常の幸せとかが描かれていて、どれも幸せいっぱいな家族ではなくって、
どこか問題を抱えていて・・・。
でも決して重苦しい感じではないです。読後感がいい作品でした。

この本の表題になっている送り火という作品では、電車の中なのに泣きそうになって
あわててしまいましたよ

そうそう、この富士見線。京王線がモデルでは?って思いながら読んでいたんだけど、
最後の方で「アイボリーの車体にエンジ色のライン」ってあったからやっぱり
そうなのかな?


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