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9割が立ち直る全寮制学校…香港

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
9割が立ち直る全寮制学校…香港 
  • <noscript></noscript>洗濯物がぶら下がった屋外教室で勉強する生徒たちと創立者の林希聖さん(左)=香港の基督教正生書院で、田村充撮影
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  •   香港に、非行に走った若者たちが学ぶ全寮制学校がある。教員が寝食を共にして指導にあたり、卒業生の9割が立ち直る成果を上げている。

      この学校は1998年に創立された私立の「基督教正生書院」。キリスト教に基づき、日本の中学校と高校にあたる教育を行い、歴史や数学、英語などを教えている。香港島の西に浮かぶランタオ島の人里離れた山間部にあり、生徒は11~23歳の男女78人。共同生活を送りながら、社会復帰を目指している。

      9月下旬に訪ねると、男子生徒十数人が、キャンプ活動やヨット体験について感想文をつづっていた。腕などに入れ墨をした生徒も多いが、表情は真剣だ。

      「入校当初はケンカも起きるが、規則正しい生活を3~4か月も送るうちに、友だちができ、学習意欲も高まる」。男子生徒たちと同じ部屋で寝起きする教員、陳世雄さん(28)が話す。かつての不良仲間との接触を断ち切るため、携帯電話の所持は禁止だ。

     

    情熱指導、学習に目覚め

     

      「集団生活で自分を鍛えたい」と、自ら望んで入校する生徒もいるが、違法薬物の使用など非行を重ねた末に、裁判所から保護観察処分として入校を命じられた生徒が大半だ。最低2年間学ぶことが課せられる。

      ところが、教員の情熱的な指導などで学ぶことに目覚める生徒が多く、約半数が強制学習期間を過ぎても自ら進んで残り、学び続けるという。

      創立者の林希聖さん(60)は「生徒たちは薬物を断ち切って健康になり、モラルも養われる」と胸を張る。これまでに100人以上が卒業し、レストランのコックやトラック運転手などとして就職。大学に進学する生徒もおり、今年初めて現役合格者が出た。

      5年前に入校するまで毎日のように違法薬物を使用していたという女子生徒(21)は「自分も社会のために何かをできるのではと思えるようになった。大学で会計学を学びたい」と明るく語る。

      同校について、香港政府で薬物問題に関する委員会の主席を務める石丹理・香港理工大学教授は「過ちを犯した青少年が人生を取り戻すことに貢献している」と評価している。(香港 比嘉清太)


最後の1校でも男子校貫く…<中>

2015-02-09 09:41:50 | キャリア・教育
最後の1校でも男子校貫く…<中> ――柳沢校長は、よく自校のことを「面倒見の悪い学校」と説明されます。その真意は?

  • <noscript></noscript>「いまの時代こそ男子校が求められている」と語る柳沢校長
  •   「それを言葉通りに受け止められると誤解の元になります。生徒の先回りをして、手取り足取り教えませんよ、という意味です。なぜなら10年後、大学を卒業すると生徒には先生がいないわけです。自分で判断しなければいけない社会人になる。ですから、中高時代に自主性を育てて大人になるための準備をする必要があります。生徒の自主性を育てるためには、まず生徒に自分で考えさせ、行動してもらいます。そして生徒が壁に突き当たり、どうすればよいかアドバイスを求めてくれば、手助けをします。自分からアドバイスを求めるということは、自主性の発露ですから」

      ――同様に、「最後の1校となろうが、男子校を貫く」ともおっしゃっています。

      「いまの中学、高校生が育っている環境をみますと、家庭の中では母親が関わる部分が非常に大きいように感じます。そうなると男の子の場合は、異性である母親がその教育を担うことになります。そうした中で私は、同性の子どもと異性の子どもとでは、親の対処の仕方が違うように強く感じています。親は無意識かもしれませんが、おそらく本能的に違うのです。同性の子どもに対しては、親は自分も同じ成長過程を経験をしているので、共感できる部分があり、それゆえに厳しく接しがちです。それに対して、異性の子どもに対しては、わからないことだらけで、その分、どうしてもかわいく思う気持ちが先に立ってしまう。主たる教育の担い手が母親だと、どうしても男の子に対して甘くなってしまいます。

      さらに、中学・高校の時期では、男子と女子とを比べると、女子の方の発達が早い。男の子が共学に通った場合、家庭では母親に甘い扱いを受け、学校では女子生徒のリーダーシップのもとで、補佐役をつとめるということになります。そうすると本来そうしたリーダーシップをとる潜在能力を持った男の子が、経験する場がないためそれを十分発揮できなくなってしまうかもしれません。もちろん全員がリーダーシップを発揮する必要はないのですが、男子校の場合はそうした潜在能力を持った男の子が実力を発揮することができる。いまの時代こそ男子校が求められていると思っています」

    クラスごとで引き継ぐ運動会の戦術

     

      ――とかく東大合格実績のような勉強面での実績に注目が集まりがちですが、決して勉強一本やりの学校ではないと聞きます。

      「部活や委員会活動といった課外活動は、大部分が高3になると終わりますが、中1から高2まで約1700人の生徒が、なんらかの形で、課外活動に参加しています。

      つい最近、中学1年生の2学期に調査したところ、その学年の生徒300人が、のべで約600人、課外活動に参加していました。つまり、生徒1人がだいたい二つの課外活動を掛け持ちしているということです。

      高校3年生の課外活動は5月の運動会で終わりとなり、そのあとは一気に勉強モードに入ります。下級生にとって先輩の面々は、よきお手本であり、自らの将来の道しるべ的な存在でもあります。先輩たちは高3の運動会まで課外活動をめいっぱいやるわけですよ。とことん打ち込むので、最後は燃焼し尽くし、達成感を得て課外活動を終える。そこから受験に向けて猛勉強し、志望の大学に合格する姿を下級生たちが見て、自分たちも高3の運動会まで課外活動に打ち込むことができると安心するわけです。そうでないと不安になるでしょうね。

      ちなみに開成では、中1から毎年クラス替えが行われますが、それは高2までで、高校2年と3年は同じ顔ぶれで2年間過ごすことになります。それはなぜかと言いますと、運動会のノウハウを次の世代に引き継ぐためです。クラスごとに伝統的な戦法があって、最近はビデオで分析するなど、さらに緻密なものになっています。その戦術を引き継ぐために、クラス替えをしないのです。クラスごとに8色に色分けされ、OBはそれぞれその色に誇りを持っています」

      ――私学を始め、中等教育の段階での国際化対応については、どのように見ていらっしゃいますか?

      「生徒以上に、その保護者がそれをより強く意識しているように感じます。いまの中学、高校生の保護者は、だいたい40代から50代と、いままさに日本の社会の中の中核として、企業活動などの分野で世界を相手に仕事をしている世代です。そうした中、過去に自分が受けてきた教育を振り返り、そして自分の息子が同じような教育を受けたと考えたときに、いま自分たちが得ているような満足感、豊かさにまで彼らは達することができるのだろうかと、漠然たる不安を感じているように思います。

      とくに日本人の表現力の弱さに危惧を抱かざるをえない。日本は、『沈黙は金なり』の国であり、あからさまに話すことはしない。暗黙の了解の文化は、日本人にとってはとても居心地の良いものです。ただ、文化的・歴史的背景が異なる外国人とビジネスの交渉をするときに、暗黙の了解は通じないわけです。やはり自分の考えていることを、相手にうまく伝えないといけない。そういった背景の異なる外国人と合意を形成できるようになるには、海外経験が必要と考える保護者が増えているようです。

      海外の大学で学びたいという希望を強く表明する生徒も継続的に出てきました。そのような生徒の希望に応えるのが開成の伝統ですから、学校側としていろいろな受け皿づくりを進めています。海外大学のアドミッション・オフィス(AO)の担当者との会合を持つツアーに英語科の教員を派遣したり、在校生と保護者を対象にした海外受験フェアを催すなどして、海外大学進学志望者のサポートを行っています」(続く、聞き手・構成 メディア局編集部 二居隆司)

    <柳沢幸雄=やなぎさわ・ゆきお> 1947年、千葉県生まれ。開成中学校・高等学校出身。81年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。ハーバード大学大学院准教授・併任教授、東京大学大学院教授を経て、2011年から開成中学校・高等学校校長。

     

      

      ▽関連記事
      自主性を育む開成式教育…<上>(2014年7月22日)
      一人立ちのスキルが身に付く教育を…<下>(2014年7月22日) 

      

     


「道徳」が教科化…教員からは歓迎と不安

2015-02-07 10:27:03 | キャリア・教育
「道徳」が教科化…教員からは歓迎と不安 

「指導が充実」「評価難しい」

 

  • <noscript></noscript>道徳の授業で自分の意見を発表しようと手を挙げる児童たち(1月下旬、東京都武蔵村山市立第八小学校で)
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  •   文部科学省が4日、「特別の教科」とする方針を決めた「道徳科」は、小学校で3年後、中学校で4年後に始まる。

      新しい学習指導要領を踏まえた検定教科書での授業に、学校現場や専門家からは「指導を充実できる」と歓迎する声が上がっている。一方で、「評価が難しい」「いじめ防止をどのように教えればいいか」と戸惑いもある。

      「落ち葉を3枚拾って先にゴールした方が勝ち」というかけっこで、先を走る友人が2枚しか持っていなくて、自分は4枚あったら、どうするか――。東京都武蔵村山市立第八小学校で1月下旬、2年生が道徳の授業で、「もみじのはっぱ」という物語を読み、活発に意見を交わした。

      「友達だから、はっぱを1枚あげる」。「勝てるかもしれないチャンスを無駄にしたくないから、あげないで走り続ける」

      授業のテーマは、「信頼・友情」と「努力の大切さ」。担任の伊藤あゆ美教諭(24)は「どちらを選ぶべきというのではなく、どちらを選んでもしっかりと理由を表現できることが大事」と狙いを語る。

      小学校の道徳は2018年度から文章による評価が導入される。文科省の研究開発校に指定されている同校は、4月から独自の方法での評価を検討中だ。伊藤教諭は「授業で子どもの力をどう伸ばすかを真剣に考えるようになる」。牧一彦校長(54)は「授業で理解や自覚がどれほど深まったかを把握し、その成長について評価するしかない。子どもの心の中や、道徳的な行動が実際にできたかどうかの評価は難しい」と話す。

    いじめ防止重点

     

      改定案はいじめ防止に重点を置く。神奈川県内の公立小学校の男性教諭(42)は、いじめに関する話を読ませて考えさせる授業をしているが、児童が模範解答を発表し、議論が活性化しないこともある。「子どもたちに深く理解させるにはどうすればいいかが難しい」と打ち明ける。

      大学の教員養成課程では道徳は2単位しか学ばない。日本道徳教育学会の横山利弘・名誉会長は「子どもたちに道徳的な価値を考えさせるには、教師の指導力が必要で、教員養成の充実や現職教員の研修が重要だ」と指摘する。

      改定案でも児童生徒が主体的に取り組めるよう、体験学習など指導方法の工夫を求めている。道徳の副読本を出版している会社の担当者は「いじめ防止など新しい内容を充実させ、子どもたちが議論しやすいようにしたい」と言い、教科書作りに動き出している。別の会社の担当者も「改定案に沿って教科書の編集を進めるとともに、学校現場からの要望も聞いていきたい」と説明する。

      中央教育審議会の道徳教育専門部会で主査を務めた押谷由夫・昭和女子大教授は「現状では道徳に力を入れる学校とそうでないところで大きな差が出ていたが、新しい学習指導要領に沿って全ての学校で児童生徒が主体的に考える道徳の授業が可能になる」と期待する。

      道徳の教科化の大きなきっかけとなったのは、11年の大津市のいじめ自殺問題だった。亡くなった男子生徒の父親(49)は「いかに教師がいじめについてきちんと教えられるか、実際の問題に適切な対応ができるかを今後も国がしっかりと指導してほしい」と求めた。


就職留年期間の成長、問われる

2015-02-07 10:27:03 | キャリア・教育
就職留年期間の成長、問われる 
  • <noscript></noscript>イラスト・大倉千登勢
  •   「納得のいく就職活動ができませんでした。留年して、再挑戦した方がよいでしょうか?」

      今の時期に、よく寄せられる質問です。就職のための留年(就職留年)については、慎重に検討する必要があります。

      留年すれば、その分、卒業が遅れ、学費を支払わなければなりません。就職留年する学生の学費を軽減する大学もありますが、生活費なども含めた金銭的な負担が増えることに変わりはありません。それでも、「どうしても入りたい企業がある」などの理由で留年を考える場合、次のことを意識すべきです。

      「景気は回復傾向なので、来年度の方が求人倍率は改善するのでは」などと期待しても、実際にどうなるかは、わかりません。また、経営戦略の変化で、企業が求める学生のタイプや選抜基準が、前年と異なる可能性もありますので、第1志望の企業に入れるとは限りません。

      就職留年は、リーマン・ショック後に増えたと言われ、企業も以前より寛容になっていると感じます。とはいえ、選考では留年した期間にどんな成長、変化があったのかは問われます。

      一方、留年せず、卒業した人に門戸を開く企業も増えてきました。ハローワークなども既卒者向けの支援を充実させています。もちろん、門戸を開いているからといって、必ず採用されるわけではありません。大学との接点が少なくなり、居場所がなくなる可能性もあります。

      夏が過ぎても、求人はまだあります。よく考えて決断しましょう。(人材コンサルタント)

      (2014年9月9日の読売新聞朝刊に掲載)


(6)「食育の教材」大きな役割…授業と連携

2015-02-07 10:27:03 | キャリア・教育
 

食器や姿勢、和室で学ぶ

 

  給食を通して、食に関する理解を深める食育の取り組みが進められている。

  東京都小平市の市立小平第六小学校で11月10日、3年生と保護者約50人が、給食の時間に校舎内の和室に集まり、正座した。一人ずつお膳が置かれ、左手前に高野豆腐入り混ぜご飯、右手前に田舎汁、右奥に魚のネギソース焼き、左奥にはおひたしが並ぶ。

  食器はススキや雪など四季の風物の絵柄があしらわれた強化磁器。使い込まれた食器の味わいも知ってほしいと、焼き魚用には古い角皿をそろえた。

  「こういう食器だと、いつもの給食よりおいしい気がする」と、子どもたち。保護者にも参加を呼びかけ、「食器の並べ方や食べ方の勉強になる」と好評だ。

  同校では伝統的な食文化を知るため、全学年の児童がクラスごとに年1回、和室で給食を味わう。栄養教諭の白井ひで子さん(60)は「料理だけでなく、食器や姿勢、和室でのふるまいを身につけてもらえれば」と狙いを話す。

 

トビウオ、大根…生産現場知り、食の大切さ実感

 

 

  白井教諭と外部の専門家、担任教諭らが協力し、給食と教科の授業の連携もしている。

  4年生の社会では、八丈島の漁業関係者を招く。島の近海で取れたトビウオを揚げて給食で食べ、漁業と学校給食の食材のかかわりを学ぶ。

  総合学習では、3年生が小平市内の農家の畑で大根を栽培。収穫した大根は、給食で中華煮やカレースープの具になる。5年生は今春、校庭横の人工の小山に完成した棚田で稲を植え、10月に収穫した。田植えから稲刈りまで体験することで、毎日食べる米に関心を抱くようになるという。

  2005年施行の食育基本法で食育の推進が定められ、09年施行の改正学校給食法で食育が給食の目標の一つになった。栄養教諭らでつくる「全国学校栄養士協議会」の長島美保子会長は「給食は食育の教材として大きな役割を担う。工夫しながら子どもたちに食の大切さを伝えたい」と語った。

 

「食べ方のセンス」後押し

 

 細井壮一・全国学校給食協会代表(69)

  学校給食法が施行された1954年に、協会の前身が月刊誌「学校給食」を創刊し、全国の給食について紹介してきた。同法では学校給食の教育的側面が掲げられていたが、食糧事情が悪かった60年前は、とにかく食べさせることが中心だった。外国から贈られた小麦粉で作ったパンを食べ、脱脂粉乳を飲むようになり、子どもの成長が促された。

  家庭、地域、学校が一体となって給食を充実させ、最近は食育に果たす給食の役割が注目されている。子どもにとって大切なのは、食に関する自己管理能力を持つことだ。将来は、自分で食べるものを選び、生きていかなければならない。「食べ方のセンス」が身につけられるよう後押ししたい。

  (この連載は泉田友紀、名倉透浩が担当しました。)