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フィルムカメラの黄金時代--キャノン F-1

2007-01-05 | カメラ
 今回はキャノンが総力をあげて開発した「F-1」を紹介します。
このカメラは、「ニコンF」などに水をあけられていた、厳しいスペックを要求されるプロ用カメラの分野に進出するために開発されたカメラです。

以下キャノンホームページから開発の経緯を引用させていただきました。

「5ヵ年の歳月、数十台分の開発費に匹敵する膨大な投資と労力、キヤノンの技術の総力を結集して誕生した最高級の35mmシステム一眼レフカメラである。
 最高の画質性能を発揮する新FD交換レンズ群、マウントを変えずに、あらゆる測光露出制御方式に対応できる各種の連動・自動補正機構を装備したFDマウントを新開発、カメラ史上初の完全無人自動撮影のシステムを始めとする多数のシステムアクセサリーは、ボディ間とで無調整、即時互換性の機能を備えていた。
 連続撮影10万回に耐える強靭な耐久性能、+60℃から-30℃、湿度90%で耐える耐環境性能などで傑出し、酷使に耐え信頼性あるカメラとして、プロカメラマンを始めとする多くの写真愛好家に受け入れられ、途中部分改良が一度行われたが10年間生産販売された。」



発売当初はとても手にすることはできませんでしたが、気になっていた存在でした。1998年中古で状態の良い物が手に入り、それ以来ずっとそばにおいて使ってきました。その後、大変使い勝手が良く、露出計が好みの測光をしてくれるので、もう一台中古で購入し、2台体制で現在に至っています。同時に発売されたFDレンズも、カラーバランスが統一され大変すぐれた性能です。ニコンのボディーと比べると、若干フィルム巻き上げ機構などが頼りないようですが。私が使い出してからは発売以来20年以上経過したボディーですが故障知らずです。レンズも当時のニコンのレンズは、50mmと28mmなどレンズ交換しながら写した場合、かなり発色に差がありどうにかならぬものかと不満でしたが、このFDレンズはその点良く統一されています。総部品点数も1000点を超え、重量も横綱級です。見た感じでは「ニコン F-2アイレベル」(700g)のほうが重そうですが、こちらのほうが重いので驚きます。(フォトミックファインダー付は830gでほぼ同じ)
このボディーは1976年に発売された「F-1N(後期)」ですが、初期型とは、巻き上げレバー、巻き上げ角、ASA感度対応範囲、シンクロターミナルのソケットを抜け止め式にする等、13項目の細部にわたり改良を施したものです。

 CANON F-1(N) 主要性能 (キャノンホームページから抜粋)

型式 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ

画面サイズ 24×36mm

標準レンズ FD55mm F1.2、FD50mm F1.4、50mm F1.8

マウント 外爪バヨネット式(スピゴット式)マウント内径48mm

フランジバック 42mm

ボディ側に開口信号レバー、絞り信号レバー、自動絞り作動レバー、FDレンズ側にAE切り換えピン、開口信号ピン、自動絞りレバーを備え、マウントの基本仕様を変えずに開放測光、各種の自動露出機能 に対応できる=FDマウント(以下FDマウントと記す)

シャッター 4軸式の金属幕横走行フォーカルプレーン1/2000、1/1000、1/500、1/250、1/125、1/60、1/30、1/15、1/8、1/4、1/2、1秒、B、X、

セルフタイマー内蔵(セルフタイマーレバーはレンズ絞り込みレバーを兼用)

多重露出 可能

フラッシュシンクロ FP、X接点自動切り換え式、ドイツ型ソケット

ファインダー ペンタ着脱可能アイレベル式、倍率0.77倍、視野率97%、スクリーンは中央にマイクロプリズム式距離計をもつフレネルマット式を標準スクリーンタイプAといい、他に交換スクリーン8種完備、視野内に測光範囲、露出計指針および追針、絞り込み測光用定点、シャッタースピード値、 高低警告表示 *露出情報採光窓付き、コンデンサーレンズを斜めに切断し、その傾斜面を蒸着処理で半透明化して張り合わせ、ファインダー用光路と測光用光路を形成するカットコンデンサーが使用されている、

ミラーアップ機構付き

露出制御 CdS素子使用、TTL開放追針合致中央部分測光式/TTL絞り込み定点合致中央部分測光式(中央12%部分)、測光連動範囲はEV2.5~18(ISO 100:F1.4)、フィルム感度使用域はISO 25~2000(3200後期)、1.3VのHD型水銀電池使用、バッテリーチェック機構付き *交換ファインダーのサーボEEファインダー装着時には、レンズ側のAE切り換えピンによりマニュアル測光からAEへと切り換わり、ボディ側の絞り信号レバーを作動させて連続測光・自動制御が可能になるシャッタースピード優先式AEへと機能化する

フィルム装填・給送 ロック機構付き裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー180(後期139)度回転、予備角15(後期30)度(小刻み巻き上げ可能)

フィルムカウンター 裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式、0~40目盛り

フィルム巻き戻し 折り畳み回転クランク式

使用電源 1.3VのHD型水銀電池1個

大きさと質量 147×99×43mm、820g(ボディ)

 写真のレンズは「FD50mmF1.4 」です。初期銀リングタイプですのでこのボディーの時代です。このレンズはキャノン独自の「S.S.C」と呼ばれている優れたコーティング方式を採用し、発色、解像度、など優れた性能で、EOSシリーズのレンズにも受け継がれています。1982年には「New F-1」が発売され、レンズも銀リングはなくなり「New FDシリーズ」になりました。
 「New F-1」はファインダーが大変明るく、暗いレンズでもピント合わせがしやすいのが特徴で、シャッターもハイブリッドになり、AEファインダーなど、より電子システム化が進みましたが、機械式シャッターではないので電池が必要でした。

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