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フィルムカメラの黄金時代--キャノン AE-1

2007-08-03 | カメラ
 久しぶりのカメラシリーズです。
今回はキャノンから1976年(昭和51年)4月に発売された「AE-1」を取り上げてみました。写真のカメラは知人から譲っていただいたものです。大切に保管されていたので、大変きれいで、メーターも正常に作動し、この当時の機種共通の、シャッター鳴きもありません。

 当時の35mm一眼レフ市場は、実用機としてキヤノンFTb、FTb-N、ニコン・ニコマートFTNなどのTTLマニュアル測光機が主流を占めており、AE機能の一眼レフカメラは最高級システム一眼レフカメラとの狭間にあって、生産量も少なく高価格帯機種との位置づけにあった。キャノンF-1がマイナーチェンジし後期型を発売したのも、この年でした。
 AE-1は、設計の根本から見直し、5大ユニットと25の小ユニットに分け、それをマイクロコンピュータが中央集中制御する方式を採用。電子化により部品点数を従来機 種より300点も減らした。また、生産にも自動化を大幅に取り入れ、高機能、低価格を実現した。
AEは「Automatic Exposure Control=自動露出」を略した言葉ですが、「AE-1」には、「Total Automatic System by Electronic SLR Camera=電子化による全自動一眼レフカメラの頂点(No.1)に立つカメラ」という意味も込められていたようです。そして、国内では、「連写一眼」のキャッチフレーズで一世を風靡した。アメリカでは世界的に著名なテニス、ゴルフプレイヤーを宣伝に起用し、日本のカメラメーカーでは初めて全米ネットによるTVコマーシャルを行ない、発売と同時に爆発的ヒットを記録した。

総生産台数は後に発売される「AE-1プログラム」を合わせると700万台を越え、今までの日本カメラの販売記録をあっさり塗り替えてしまいました。





30年以上たった現在、このカメラを改めて使ってみると、大ヒットしたのも理解できます。ファインダーでのピント合わせもしやすく、AE撮影ではシャッター速度優先ですので、別売の「ワインダーA」をつけて気軽に秒2コマの連射ができます。もちろんマニュアルでの使用もできます。
レンズキャップの当時のロゴが懐かしいですね。
後に、プログラムAEを搭載した、AE-1プログラムが発売されました。

  CANON AE-1 主要性能 (キャノンホームページから抜粋)

型式    35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ

画面サイズ 24×36mm

標準レンズ FD50mm F1.4SSC、FD50mm F1.8SC

マウント FDマウント

シャッター 4軸式の布幕横走行フォーカルプレーン1/1000、1/500、1/250、1/125、
      1/60、1/30、1/15、1/8、1/4、1/2、1、2秒、B、X、全速電子制御式、
      セルフタイマー内蔵(LED点滅作動表示)

フラッシュシンクロ X接点、ドイツ型ソケットおよびホットシュー式

ファインダー ペンタ固定アイレベル式、倍率0.86倍、視野率=上下93.5%、左右
       96%、スクリーン中央にスプリットイメージ式距離計、その周囲に
       マイクロプリズム式距離計を備えたフレネルマット式、視野内に
       露出計指針、絞り目盛り、高輝度連動範囲外警告表示赤マーク、
       絞り込み測光用定点兼 バッテリーチェックマーク、低輝度連動範囲
       外警告表示LED

露出制御    SPC素子使用、TTL開放測光シャッタースピード優先式AE/TTL絞り込
       み定点合致式マニュアル測光、測光感度分布特性は中央部重点平均
       測光、露出補正機構=+1.5EV、測光連動範囲はEV1~18 
       (ISO100:F1.4)、フィルム感度使用域はISO 25~3200

使用電源    6Vの4G-13型酸化銀電池又は4LR44アルカリマンガン電池1個

フィルム装填・給送 裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー120度回転、
       予備角30度(小刻み巻き上げ可能)*ワインダーAによる電動自動巻き
       上げ可能

フィルムカウンター 裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式

フィルム巻き戻し 折り畳み回転クランク式

大きさと質量 141×87×48mm、590g(ボディ)

ボディー種類 ブラック、シルバー

発売時価格 81,000円(FD50mm F1.4SSC付き)、4,000 円(ケース)

この時代のレンズは銀リング付FDレンズです。50mmF1.4SSCレンズは開放から十分使え、発色も大変に鮮やかで、各社の標準レンズの中でも特に優れた傑作レンズです。年数もたっていますが、現在でも十分な性能を発揮してくれます。
同時に譲り受けたFD135mmF2.5も大変明るくピントの山もつかみやすいレンズで、ポートレートなどには背景のボケもきれいで優秀なレンズです。



この当時、交換レンズはこの2本と広角35mmか28mmをそろえて持ち歩くのが定番でした。
 先日、姉の知人で、日本に住んでいるアメリカ人の方が、カメラが趣味で花などを撮影していることを聞きました。その方が使っているカメラは30年位前の機種のようだと話していたので、あとで機種を確認すると、このAE-1でした。現在も大切に使っているそうです。日本人は、もうデジタルにいってしまっていますが、案外、海外の方のほうが本当の良さを理解し、使いこなしているのではないでしょうか。

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