直木三十五記念館の日々

直木賞にその名を残す直木三十五の記念館は市民参加型のミュージアム。運営の悪戦苦闘をストレートにお伝えします。

中之島に思いを馳せる

2006年09月21日 | Weblog
 昨日、我が友人にして記念館の運営委員でもあるOMP氏と中之島のことについてメールの遣り取りをしていた。OMP氏は以前から大阪市が建設計画している「舞台芸術総合センター」の中之島への建設誘致には異論を唱えている。
 中之島での計画は美術品の高額購入で批判が多い近代美術館と建物を共有するというものである。氏は演劇や舞台芸術との地縁の薄い中之島に「舞台芸術総合センター」に疑問を持っている。確かに土地にまつわるいわく因縁や歴史を無視した開発は大概はうまくいかない。かつてミナミのグランドゼロとでもいうべき千日前デパートの跡に「プランタンなんば」が出来たとき、私はそんなもの作っても流行らないと直感的に思った。その昔、刑場であって、なおかつ悲惨な火災で多くの人が死んだ場所なので神社とか教会といった宗教施設を誘致するのが正しいと思った。
 余談はさておきOMP氏と私の意見の一致するところは中之島は美術館博物館の集積を推進すべきで、芸能的なものはそぐわない。現在も東洋陶器美術館、国立国際美術館、大阪市立科学館があり、かつては大阪府立現代美術センターもあった。近代美術館は中之島にあるべき事情は理解できるので、単独でも計画を推進すべきである。
 私はもう一歩進んで「知」の集積をするための施設を誘致すべしと思う。できれば郊外の大学のサテライト教室をどんどん中之島の中に誘致するといい。社会人にオープンカレッジとして利用させたり、社会人研究者の育成の場にしていくのがいい。中之島図書館も中央図書館の役割は終えているのであるから、資料展示を主にしたものに変更していくべきであるし、ここはかつて直木三十五が弁当を持って通い詰め読書に励んだ場所でもあるのだから。