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僕のチェロ基礎練習法 1 15分のチェロ座禅

2009-12-23 | 音楽
今回から何回かに分けて僕が日ごろから行っているチェロの基礎練習法を紹介する。プロ、アマチュアを問わず参考にしていただけたら幸いです。是非ご感想やご質問などもお寄せください。

座禅を本当にやった事はないが真似事は時々している。本で読んだ事があって真似てみたわけである。経験のある方はお分かりだと思うが、初めの3~4分がとてもつらい。雑念、想念、ラーメン、ソーメン、ありとあらゆる事が頭に浮かんできてなかなか集中できない。こんな事では到底1時間はおろか15分も持たないだろうと思う。ところが7~8分そうして我慢していると少し気分が変わってくる。そしてあら不思議10分も経つとなかなかいい気分になってきて知らないうちに30分くらい経ってしまい、やめる頃にはなかなか心地よくて、まだまだ続けられそうな気分になる。散歩や山歩きの時も同じ経験を良くする。どうも人間の生理と言うか内部構造というかそういうものが、そういう風に出来ているような気がする。

さて、チェロの話。ちょっと見難い画像で申し訳ありません。
基礎練習の第1は4オクターブの何の変哲もない音階を上下するだけだが、その速度がここでは一番大事。8分音符=32~34が理想。子供や初心者はちょっと無理なので初めは50~60位で3オクターブから初めても良い。ただしメトロノームを設定して完全にメトロノームに従う事が肝心。一小節8拍、8分音符32の場合で一音に付きちょうど15秒かかる。これで4オクターブ往復すると14分かかる計算になる。例としてハ長調をここでは掲載したがこれを全24調で行う。指使いはいろいろあって煩わしいのでご紹介しないが、ハイポジションで1と2ばかりのモノは避けて、第3指を多く使う方をお勧めする。初めの数小節は座るのと同じで気分が乗らない時はなかなか厳しいが、14分間断じて中断無しに行う。
この14分と言う数字が非常に示唆に富んでいるような気がする。チェロのソロの曲で14分間中断無しに弾く曲はまずないだろうと思う。知っている曲全てを当たってみた訳ではないので断言は避けるが、バッハで言えば繰り返しを入れて一番長いのは第六番のアルマンドで僕のCDでは確か7分くらいだった。これはかなり長い方。と言うか僕が知っているうちで多分一番長い。協奏曲などは間奏が入るので何回かのソロパッセージを合計すると例えばドヴォルザークで20分くらいだろうか。各々のパッセージは長いところで5~6分、普通は3分程度ではなかろうか。だから、14分は非常にに長いのだ。

基本的には左右の腕、手首、指の筋肉トレーニングと思ってもれえればいいが、これに耳と視覚と集中力をぼくは付け加える。

筋肉トレーニング

良く下手になることを「腕が落ちる」というが、この言葉はチェリストにはものすごくよく当てはまる。チェロを弾く為の基本的姿勢というのはだいたいどの教則本にも載っているのでお分かりだと思うが、右腕の高さ、特にA線を弾いている時の高さは、普段の生活で長時間維持する事はほとんどない。左腕も同じことが言えるが、こちらはいろんな流派があるので一概には言えないが、僕の場合は左腕は親指が棹を越えてハイポジションになった時の高さを下のポジションでも維持する事にしている。この高さはおおよそ右腕がD線上にあるときくらいの高さで両腕がこの時ほぼちょっと開き目の「ハ」の字くらいになる。この腕の高さを、繰り返すようだが14分間維持する事になる。決して「腕を落とし」てはいけない。どの筋肉がどのように働いてこの高さを維持しているかまったく知らないが、この訓練はソフトだがまごう事なき筋肉トレーニングだ。右腕も同じ事で特に高い長(ロ長調のような)の時はA線にいる時間がぐっと増えるのでやり応えがある。これを毎日やっていると背筋はきちんと伸び、両足のかかとはしっかり床にと言う基本的な姿勢は自然に身に付く。と言うよりそれ無しではかなり無理と言っていい。
もうひとつ肝心の指の事も付け加えなければならないがこちらは又あとで書く機会があると思うのでここでは省略する。



耳は当然と言えば当然だが一番重要なことはひとつの音から次の音へ移る時にリアルタイムで次の音が正確な音程を取れること。15秒間もあるからその間に何とか探り当てようなどとは決して思わない事。この為に僕はチューナーを使う。チューナーの針がぶれずにじっとしている音を目指す。高音域はなかなか難しい。ここで問題になってくるのがどういう音程の取りかたをするのか?だ。主音、下属音、属音にたいして長3度音は「小さい」方かはたまた「大きい」方か。ここではこの問題はあまりに複雑になりすぎるので飛ばさせてもらいます。重音の時に書こうと思うが出来れば説明を避けたいくらいややこしい。

視覚

こちらは少し付随的だが、楽譜を使わず行う時は音符を頭に浮かべながら行う。視覚として捉えられた音符と現在耳に聞こえている音を頭に徹底的に関連付ける。テナー記号が苦手な方はこの画像のようにテナー記号を多く使うとよい。チェロの音域は実は多くの場合テナー記号に向いている。譜読みが苦手な方には特にお勧めする。2、3ヶ月で驚くほど譜読みが早くなる事請け合いです。

さて、こうして今朝も14分間の座禅チェロを終えました。気分が爽快になりましたか?


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (えにお)
2009-12-25 07:50:19
初めまして、友だちから教えてもらいました。
練習法のご紹介ありがとうございます。
小生のメトロノームは40からですので、
倍取りの16文音符63でやってみました。
貴重というか、すごいというか、凄まじいというか。
途中から頭がもうろうとしました。
そんなに何度も出来ないかも。
今、弾いている音が何の音なのか、わからなくなりますね。
弓のスピードの調整が悪くて、途中何度も弓が止まり音がとぎれとぎれになりました。
音程感、姿勢の維持、弓のスピード、圧力等々、まさしく「座禅」、「瞑想」のごとくですね。
繰り返す中で何かつかめそうです。
ありがとうございました。
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もうしわけありません (えにお)
2009-12-25 07:52:30
操作方法を誤り同じコメントを二つ投稿してしまいました。
一つは削除お願いします。
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Unknown (津留崎 )
2009-12-25 18:58:04
えにおさん。始めまして。ご感想ありがとうございます。すぐに反響があって嬉しい限りです。

弓のスピードは又項を改めて書きます。一日一度で充分ですが最低12日間(例えば12長調)を目指して見るのもいいかもしれません。
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CD聴かせていただいています (えにお)
2009-12-28 00:05:36
今朝もチェロ座禅、やりました。
まだしばらくはハ長調で慣れてから色々な調に挑戦します。
CD、買いました。お安く買えたんですね。惜しかった・・・・
まだ一枚目だけしか聴いていませんが、
とても生き生きしていて、ライブとは思えないほど完成度が高くて、
素晴らしいと思いました。
2枚目も楽しみです。
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ありがとうございます (津留崎)
2009-12-29 01:26:31
CD ご購入ありがとうございます。

>お安く買えたんですね。惜しかった・・・・

はい。
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