リサイタル練習日記 27

2011-10-28 | 音楽
25日は一泊で札幌。
友人がやっているダンススクールのパーティに賛助出演してピアソラなどを弾いた。
ダンスはしませんが。
チェロを担いで旅行はなかなかくたびれる。

昨日と今日は作曲に専念。ほぼ出来上がったがまだ最後の詰めができない。
今東京に来ていらっしゃる丹波明さんに電話。
12月9日の本番にご招待しようと思っていたら、その頃はもうパリにお帰りになるそうで
聞いていただけない。
でも是非一度聞かせてほしいとおっしゃるので来月11日に聞いていただく事にした。
という事は後2週間足らずで仕上げなければならなくなった。

今日はこれから少し練習する。しなければ。

リサイタル練習日記 26

2011-10-24 | 音楽
昨日は野平氏と初合わせ。
彼はもうじきパリで、帰ってくるのが来月16日のコンサートの前ギリギリなので無理を言ってなんとか一回リハーサルを頼んだ。
15、6年ぶりでまずはとりあえずなつかしかったが、とにかく始める。

今回のリサイタルではこの前も書いたようにテンポに関してこだわっている。
少し過激で、挑発的な部分もあるかもしれない。
フランスに長く住んでいるせいなのか、そういう演奏をしたくなる。
簡単にいえばたいていの曲が速めのテンポだ。
そういう話をしながら5番から1番まで反対方向に練習した。
彼との練習もそれ以外はあまり言葉が必要ない。
リハーサルは言葉が少なければ少ないほどよいとはある程度経験を積んだ音楽家なら皆思っていると思う。
3時からはじめて6時には終わった。大変楽しい3時間だったが、さすがに少しくたびれたので帰りもタクシーに乗ってしまった。

テンポというのは理想と現実のギャップが常にある。
例えばベートーヴェンの第4番シンフォニーの終楽章は二分音符=80と書かれている。
実際にこのテンポで弾いているのは生では聞いた事がない。ほとんど不可能だからである。
旧友FさんがチューリッヒのトーンハレでD ズィンマンと録音したCD以外は。

チェロソナタも同様でピアノがとてつもなく大変な所がいくつかある。
そういう所はピアニストに本当にお疲れさまといいたくなる。
チェロにもいくつか難所がない訳ではないが、ピアノほどではないと思う。
野平君をして「不可能ではないが、限界ぎりぎり」といわしめる楽章がいくつかあった。
具体的にどんなテンポかを書いてみたい衝動を必死にこらえて、ここではあえて書かない。
知りたい方は是非11月16日 19時 東京文化会館まで御足労願いたい。


リサイタル練習日記 25

2011-10-23 | 音楽
北海道のコンサートはアルペジョーネがまだまだ不満が残るがだいたいうまく行った。
この曲は弾くたびに思うが本当にむずかしい。

北海道から帰ってからは2日間ベートーヴェンばかりさらっている。
今日はこれから野平君と合わせに行く。
テンポについていろいろ考えている。以前少し書いたがベートーヴェンの交響曲に記されているテンポ表示を参考に、
今までの数々の名演、名盤から一度考えをリセットしてみる作業をしている。
自信を持ってこうだろうと言える楽章もあるが、全くそうではない所もある。

もう一つのヒントはピアノである。特に始めの2曲は後期の頃のピアノよりはるかに音の持続時間が短かった事を考慮した方がよい。
アダージョなどのテンポはその辺がヒントになりそうだ。

リサイタル練習日記 24

2011-10-15 | 音楽
昨日は植田克己さんと最後のリハーサル。
17日と18日に札幌と上川町で演奏するアルペジョーネ、ブラームス第2番ソナタ、フォーレのエレジーなど。
植田さんからアルペジョーネでいろいろ貴重な示唆を受けた。

今朝はその反省練習。
もう一度基本に戻って楽譜を読み直す。主観が入り込みすぎていた部分がある。大いにある。
自分の思い込み、自分だけのアルペジョーネに陥っていた箇所がある。
メトロノームで機械的練習を1時間半あまり。これをやると身勝手な解釈や思い込みがあぶり出される。
自分の都合、楽器の都合で音楽をやっていないか、よくわかる。

考えてみたら、この曲についていえばメトロノームの速度を客観的に把握していなかった。
だいたいこのくらいという主観的なものはあったが、はっきりとどういテンポで自分は弾きたいのかが曖昧だった。

特に本番前は感情や、体調にこういう事は左右されやすいものなので、数字という絶対的な客観性は助けになる。
今朝の練習ではじめて考えたことだった。

うかつだった。

リサイタル練習日記 23

2011-10-12 | 音楽
忙しい一日だった。
この数日楽器がならなくて練習がはかどらず少しイライラしていた。
今朝は植田氏と2回目のピアノ合わせなので少しナーバスになっているのかとも思ったがそれにしても。
昨日はあまりはかどらないので早々と練習を切り上げてしまったのでなおさらだ。
8時半に芸大で合わせ。あらかじめ植田さんに楽器の調子が悪いのであまりはかどらなかったら今日は早めに切り上げて楽器屋さんに行きますといっておいた。
いい訳だが。
ところが初めて見るとそれなりに何とかなるもんだ。やはりピアニストがピアニストだと、こっちもつられてという所もあるのだろう。
結局予定の11時半まで綿密にリハーサルができたばかりか充実した時間が取れた。
早めに切り上げるどころか植田さんが11時半に予定が入っているのを忘れてそれを促されるしまつ。

しかし楽器は変だ。ならない。音がひっくり返るし普段の倍の労力がいる。
僕の楽器はいつも天候に大きく影響される。そういえばこの数日暑かったり寒かったり雨が降ったりと安定していなかった。
思い切って芸大時代の旧知のK君に教えてもらった大久保のSさんという楽器屋さんにこれから伺いますと電話した。
大久保の駅をおりて雑然とした繁華街の中のビルの中にSさんの工房はあったが、
案の定飾り気のない見るからに職人気質のSさんが働いているアトリエが入るなりあってここは信頼できると直感。
東京ではこういう楽器屋さんは少ない。取り次ぎの人がいてマスターとじかに話ができない所が多い。K君に聞いてよかった。
マスターとしばらく話してその直感はほぼ確信にかわったので、好きなようにやってくださいと夕方まで預かってもらった。

その後、マネージメントのプロアルテで「音楽現代」のインタヴュー。これで5誌目のインタビュー。
プロアルテに感謝。

それが終わってからまた大久保のSさんに戻って楽器を受け取った。
ちょっと弾いてみてくださいといわれて楽器を手にして弦を少しはじいただけでもうOKなことははっきりしていた。
僕は本来楽器の調整に関しては四の五のいわない方である。なっていれば後はオレの責任だ。

チェロを担いで東京中を(大袈裟だが)歩いてくたくたになって家に帰ってビールがうまかった。

リサイタル練習日記 22

2011-10-04 | 音楽
今日は植田さんとピアノ合わせで母校芸大に行ってきた。
今月札幌と上川町でもほぼ同じプログラムで演奏するので早々とあわせにつきあってもらえた。
芸大は今日は開講記念日だそうで休校日。しんと静まり返っていた。
数日前も音楽雑誌「ショパン」の取材を渡辺健二さんと受けるためにいったが同じように静かだったが、その日は大学院の試験だった。

母校は懐かしい反面自分がまた学生にかえったみたいで教官室とか学部長室とか入るのは変なものだ。

合わせは10時から3時間。やはり植田さんのピアノはハイグレードである。
練習にお互い言葉が少なくてすむのはとてもありがたい。多くの音楽感を共有しているという安心感が弾きながら感じられるのが何よりうれしい。
もちろん、違うところもある。ブラームスについては僕の今回のアプローチは所々かなり特殊かもしれないのでその説明と多少の論議はあった。
いや、ほんとはもっともっと論議すべきかもしれないが、反対にできるだけ言葉ではなく音でやり取りするのが最高なのかも知れない。

アルペジョーネが準備不足だったのでかえってからもう一度じっくりさらい直す。
やっぱりこの曲は何度弾いても難しい。

東京

2011-10-01 | 東京日記
先月21日台風がくる前に成田空港に到着して、10日あまりすぎ、文京区の仮住まいにもだんだんなれてきた。
いろんな意味で初めてのことばかりでなれるのに時間がかかる。

HPにもいろいろ情報をいろいろアップしようと思っていたが、ソフトが不具合で使えないことが判明。しばらくはこのブログを代用いたします。

その1)リサイタルシリーズの案内のページが壊れて読みにくくなっていました。上記のようにソフトを持っていないので直せません。しばらくお待ちください。

その2)ホームレッスンも開始しました。リサイタルまでは時間が充分には取れませんができる限りレッスンは行います。まだ若干名の余裕がありますのでお早めにお申し込みください。

ご連絡、お問い合わせはこちらでも結構です。naoki-tsurusaki@mail.goo.ne.jp
naokitsurusaki@free.fr も今まで通り使えます。