山に癒されて…♪

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夢だった北岳 3 大樺沢二俣~北岳の肩

2019年09月25日 | 山登り 南アルプス
2019年9月15日(日)☀/☁ 北岳


大樺沢二俣からの続きです


二俣への急斜面は 
一気に高度を稼ぐ感じがします

大樺沢二俣の標高は2240m・・・
まだ3000mには程遠い感じではありますが
体は悲鳴を上げだしております・・・


今から向かう北岳の肩
標高3000m
さらに標高を挙げていかなければならない・・・
ここからの標高差を考えると ちょっと辛い・・・

高度障害はいつもの事と思いつつも
今回は やけにしんどい・・・
体調の具合で受けるダメージも
変わってくるのかもしれません
それでも 夢だった山を一つ一つクリアするため
張るしかない・・・

救いは その眺望の素晴らしさ・・・
それに慰められ 重い体を何とか上へと
引っ張って貰っています



右俣コースの草地


ここから右俣コースで暫く
草地の急登を登っていきます

休んでいると 
少しは体が楽になった感じはしますが
登り始めると 
足は鉄の足枷を嵌められた感じです

すぐに息が上がり始めます・・・

大丈夫だろうか・・・

不安は常につき纏います

あそこまで 行きたいの・・・
どうしても・・・

押し問答を繰り返しながら
一歩一歩前に出して登ります



 ヤマハハコ




草地から灌木の中へ続く道
大石が自然の段差となって急坂が続きます

後から登って来られる方に
どんどん追い越され 
チチの姿も小さくなる感じ・・・

それでも 足を止めるわけにはいきません・・・
息は上がっても 汗は出ず・・・
なんだかな感じがいつまでも残ります



 倒木も梯子の一部?
 大樺沢右俣から離れる前に・・・
大樺沢左俣と雪渓


大樺沢を振り返ってみると
まだ残っている雪渓が目に留まります
でも 以前より小さいとチチが呟く・・・


山は静かに見守り
歩む道すがらの景色が
ゆっくりと流れていきます


 オヤマリンドウの四姉妹?




林床には 高径草原が広がり
ダケカンバの樹林帯が待っています


上へ・・・ 上へ・・・
どこまで登ろう・・・
ただ上へ・・・ 上へ・・・
空の天井は抜けて 
さらに遠くに澄み切った青
どこまでも・・・どこまでも・・・
手を伸ばしても遠い 秋の空



 タカネナデシコ
 オヤマボクチ
 コバノコゴメクサ
鳳凰三山方面


今年初になるかしら
コバノコゴメグサ(ヒメコゴメグサ)を見かけます

小さな花が足元で微笑んでいるような・・・
だけど それを見るのが精いっぱい
ごめんね 今日はゆとりがありません・・・


心の中で呟きながら
只管 登る事に集中です・・・



 タカネナデシコ
 ダケカンバ林を抜けると・・・



~ん北岳が・・・!

チチのテンションが更にがった時です

バットレスを懐かしそうに眺めるチチの後ろ姿
昔を思い出しているようです



辿り着いた私に ぽつり
マッチ箱のコルが見えるよ ♪

その声は

嬉しそうに
懐かしむように
まるで青年に戻ったように
生き生きとしたものでした




北岳
マッチ箱のコル



あのマッチ箱のコルから
下界を眺めていたころの自分を思い出したのでしょう
 
チチはどんどん登っていきます


私はただ チチの話に頷きながら
登る事が精一杯でした・・・



 オヤマリンドウ

小太郎尾根の稜線と紺碧の空



小太郎尾根の稜線が
さわやかな秋の空に向かって 
雄大に広がっています


もう少し早ければ 
高山植物を楽しめた草原の急登を
ジグザグに登って 
再びダケカンバの林へと進みます



 鳳凰三山をバックに・・・
 灌木の樹林帯
高嶺 地蔵岳



背後に連れ添う鳳凰三山の姿
樹林の中から見え隠れしつつも
時に開けた中からその雄大な姿が愛おしい


登った記憶と見る記憶
絡み合って何ともいえぬ感情が湧いてきます



 ウメバチソウ
 ダケカンバ林




ダケカンバ林に入り
急坂を登っていくと 短い丸太梯子が現れます
その梯子を登って 開けた斜面をトラバース気味に進むと
草スベリ上部分岐に出ます

そこが白根御池小屋の分岐点です
この時チチが振り返り


もうすぐだ
稜線はもうそこだよ

励ますように声をかけてくれます


ただ黙って頷く私・・・




 白根御池小屋分岐
 急坂は変わらずつづく・・・
 上を見て思わず ふ~・・・
鳳凰三山


白根御池小屋分岐からの登りも なおきつい・・・
高度はどんどん稼げる所だけど・・・

体は重く しんどい・・・
年々 高度順応が難しくなるのか・・・
高度障害は 体力だけの問題ではない・・・

後ろから抜いていく人
羨ましい・・・
その順応能力・・・私も欲しい・・・
妬みともつかない感情が自分を襲う・・・
弱くなると嫌な自分が現れて
もっと嫌になる・・・
それでも登る事は止められない・・・

見上げると 遮るもののない斜面から
小太郎尾根が広がります
あそこまで登らねば・・・


そう思うと溜息が出てしまいます
しかし 振り返ってみれば
鳳凰三山がその美麗な姿を見せてくれます

もう少しだ…頑張ろう・・・・


 丸太の階段を上って
 小太郎尾根の分岐の旧標識



丸太の階段を上って少し開けた所に出ます
そこには古い標識が地面に置かれ
分岐なんだと知る

思わず一休憩を取ろうと
チチの許可も得ずにザックを下ろすと

もう少し上の方が 景色がいい
小太郎尾根の稜線が見えるよ
後ろから来た人が声をかけてくれます


チチも・・・ 

頑張れるんだったら
もう少し上の方が見晴らしがいいよ


鉛のような体で
動く事もしんどくなり始めていても
見晴らしがいいと聞くと
もう一度ザックを背負い出します

そして 緩慢な動作で 
チチの促す分岐まで歩を進めます

すると・・・
涼し気な秋の風が囁いてきます

俯いていた視線を上げてみると・・・

それまで見えなかった
甲斐駒ヶ岳
仙丈ケ岳が姿を現します


あぁぁ・・

歓喜の溜息が漏れます




 新分岐の標識

小太郎尾根分岐



高い秋の空が
周囲の山々を いっそう綺麗に見せてくれます

肩で息をしながらも その眺望に我忘れ
暫く 無の中で見つめます・・・



風が優しく吹き
陽の暖かさが沁みてきて
目の潤いが強くなります
この一時だけは 不安もどこかに・・・
来てよかったと呟いていました




仙丈ヶ岳

甲斐駒ヶ岳
赤岳

地蔵岳 オベリスク
中央アルプス


仙丈ヶ岳の左側に中央アルプスが覗いています

その下から少しずつ雲が湧いて
山の雰囲気も少しづつ変わって見えます


ここからは小太郎尾根の景色を
味わい見ながら歩きます・・・

穏やかなトラバースを・・・
少し元気を貰った気分で歩いていました



 小太郎尾根右斜面トラバース

小太郎尾根 右上ピークは岩登り



ゲッ! 再び急な登り・・・!
それも鎖付き!


だけど ここを越えれば 今日の宿・・・
ふぁいとう~~~


もうひと踏ん張りと頑張って登ります
だけおd・・・岩に取付くと 
なぜ山に来たの・・・と思う自分


情けないけど 
それが今の自分なのだと実感します



 鎖場



綺麗な稜線
穏やかな稜線
どれも歓喜の声を上げて
楽しんで歩いているところ・・・
だけど 今は・・・

ああ・・
北岳の頭が近くになった・・・?
もう少し もう少し・・・

この時心拍は 120を超えていました・・・

元々 52~53ほどの脈拍の私
全速力で走っている時の脈拍以上です・・・



 なんの標識?

富士山


この辺りから目線の高さに
富士山がいる事に気づきます

わたし・・・これからも
富士山は見るだけのお山になりそう・・・

独り呟きながら 
今はただ横目に見ていくだけ・・・



北岳

時折 目線を上げて 景色を眺め 
また俯く そんな繰り返しの中
また目線を上げたその時

北岳が目の前に!
それは まるで手招いているように見えます

その麓に見える辺りが北岳の肩・・・
今夜の宿となる所です

やっと見えてきたのね・・・

急げと思う心と 動かぬ体
ジレンマにかられそうになるものの
見えただけでも 前に進む原動力となります



もうすぐ・・・
もうすぐ・・・




 小屋まで3分!



12時30分 北岳肩の小屋に到着です

まずはテン場の設営場所を確保して
今宵の棲家を設営します

一張り×2人=1400円


つづく


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