ナナッテ先生のおせっかいブログ

自己実現のために……

センター試験の英語を解いてみて

2015年01月18日 | 受験勉強
2015年センター試験・英語ついて分析を試み、感想を述べます。

第1問はオーソドックな問題。

第2問
Aでは細かい知識と観察を要求しています。
問3は「~に関して」を示すabout, in, onの違いを問う難問です(ジーニアス999頁左下から3行目)。
問4は、wishは実現しそうにないことを望む場合…を知っているかを問うもの。
問5が異常に易しいのは、たぶん作問者は原形不定詞との混同を誘発すべく(学習の進んだ浪人イジメ?)肢にhappenを入れたのに会議で削除されたものと推測できます。
問6は、,(カンマ)の有無が答を決める細かい問題。
問8~10は去年に続いて複数の空欄を同時に埋める複合問題;
問8はやや難、応用です。did you sayがdo you thinkの混じった疑問文と同じ構造となることを思い至るかがポイント。
問9はやや難、ジーニアス1810頁の[語法]によると時代遅れとか。
問10は愚問、実質的にはtheの有無を問うだけで複合問題とする意義なし。

Bにおける問1の答えは;I would have recognized you for …です。「英作文600」28頁10に似た構文があります。
問2の答えは;you will be charged an extra fee of…です。
問3の答は;because I'm feeling too tired to start cookingです。2つのing形の処理が面倒だったかも。

Cは新傾向の問題、オーラル(会話力)の力量が問われます。
問1で特筆すべきは「a copy」を「1冊の本」と読み取れたか。カタカナに引きずられない頭の柔らかさ、辞書を丹念に引く学習習慣の有無が表れる良問
問2は難問、ポイントはJohn's drivingの「's」が省略されていることに気づくかです。ただ、正解に疑義が出そうです。まだ飛行機に乗り込んでいないので「I'm in time」とは言えないのでは。
問3は残念、ひねりが足りない。ポイントはthink ofと同じく目的語をとるofに気づけるか、この一つだけ。受験生の時間を浪費させるだけの愚問。

第3問
Aはオーラル問題。新傾向ですが、無駄な問題といえます。セリフの展開を予想させる点ではリスニング第2問と同じ形式。従前の単語の意味を類推させる問題の方が筆記試験の意義にかなっていると思います。というのも大学に入ると難しい原書を読みこなす必要がありますが、その際に類推能力が必要になります。高校生に対して今から暗記ではなく、マメに辞書を引いて語感を養っておきなさいというメッセージとなるからです。
Bは去年を踏襲した新傾向問題、英作文能力を測ることができる良問です。しかし問1と問2は内容が陳腐。2度目ですから気のきいた内容にすることもできたはず。
Cは登場人物が減ったことを除けば従来通り、センターならではの問題。議論・ディベートの指針を示す良問といえます。グローバル化が進み講義を英語で行う大学が増えている傾向に合致しています。

第4問
Aは易:
グラフを参照しながら解くスタイルはいつもと同じ。内容の薄さもいつもと同じ。
Bは易:
広告から情報を読み取るスタイルはいつもと同じ。

第5問
従来のスタイルからイラストが消えています。
2通のメール文を読んで内容と合致しているかを問う問題ですが、易しすぎて学力を測ることができないのでは。
容易に内容を把握できる文章の場合、読解よりも英作文に主眼を置くべきでしょう(穴埋め形式にして相応しい表現を選ばせる等)。センターの最大の欠点は、この英作文の力を測る要素があまりに少ないこと。

第6問
従前は「動物園でゴリラと目が合った」「叔母から辞典をもらった」と卑近なトピックを題材としていましたが、2010年から学術的な内容となっています。学問を追求するという大学の存在意義に合致しており好ましい傾向だといえます。
今回もその流れを受けていますが、難易度は最後の問を除き易しくなっています。

全体的な印象は去年と同じです。国語に比べて易しすぎるという批判を受けて、英語はかなり難しくなると予想していたのですが、例年通りのレベルでした。

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