ナナッテ先生のおせっかいブログ

自己実現のために……

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『家族の違和感・親子の違和感』春日武彦

2011年06月27日 | 書評
先述したように、母親にとって子どもは愛しい存在であると同時に疎ましい存在でもあります。矛盾した感情を抱くのは、ちっとも不自然なことではありません。人の感情は理性で割り切れるものではないのです。

心理学に繰り返し登場する言葉が「アンビバレンス」。アンビバレンスとは、愛と憎しみなどの相反する感情を同時に、または、交替して抱くことで、家族関係で顕著に表れます。

本書は、「家族の重要さと厄介さ」を、多くのエピソードを交えて説いています。本書を読めば、家族間のストレスを軽減するヒントをつかめるでしょう。

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『赤ちゃんと脳科学』小西行郎

2011年06月23日 | 書評
脳科学は、医学だけでなく、幼児教育の分野にも大いに貢献しているといえます。

本書は、テレビと育児に言及しているのですが、驚いたのはその【害】。てんかん、視力低下といった健康被害をもたらし、言葉の遅れ、自主性の欠如…情緒面でのマイナスもあるとか。

テレビやビデオを用いて幼児教育を行う家庭も多いようですが、内容と視聴時間に無理のないようにしましょう。
熱心に見ているように思えても、自分の意思で目をそらすことができないだけ――という場合もあるのでご用心。

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『親の発達心理学-今、よい親とはなにか-』柏木惠子

2011年06月19日 | 書評
人間は、【不自然な生き物】です。草食なのに肉食を覚えたり、木から下りて二足歩行を始めたり……。そのため祖先を同じくするサルなどと大きく異なる種になってしまいました。

二足歩行を始めたことで子どもが未熟な状態で生まれるようになりました(産道が狭くなったためとか)。そこで、集団社会を形成して共同で子育てにあたることにしたのです。ところが、現代では社会の結びつきが薄くなってしまいました。

本書は現代人の子育てを検証して、その問題点に鋭く切り込んでいます。特に、母子密着:母親だけに子育てを任せっきりにすることの弊害を強調しているのが印象的です。

『親の発達心理学-今、よい親とはなにか-』柏木惠子〔岩波書店〕
(1995年出版 1456円)
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『子育てがつらくなったとき読む本-悩めるママとの対話から-』大日向雅美

2011年06月17日 | 書評
赤ちゃんは愛すべき存在であると同時に、ストレスフルな疎ましい存在でもあります。育児に追われていると、社会との隔たり、夫との隔たりを感じてしまうからでしょう。高学歴で高齢出産のママほどその傾向が強いようです。

本書は、架空の座談会を通して母親たちの様々な悩みを浮き彫りにしています。

著者は、NHKテレビ『すくすく子育て』の解答者でおなじみの大日向雅美氏(発達心理学;恵泉女学園大学教授)です。
優しい語り口が人気を呼んでいますが、本書でも人柄がにじみ出ており、「あなただけじゃないのよ」と悩める母親に優しく寄り添うかのよう――。

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『ヘヤー・インディアンとその世界』原ひろ子

2011年06月14日 | 書評
「日本の歴史は“規範”の歴史」といってもよいかもしれません。法律、条例、規則…どんどんルールが複雑になり、細分化されていきます。

「君が代」を斉唱しない教師は罰せられるとか。たしかに国旗・国歌に敬意を示さないのは問題ですが、そこまでする必要があるでしょうか。昔は、そこまで堅苦しくありませんでした。せいぜい「あの先生は変わっている」と評されるくらい――。

本書は、原ひろ子(文化人類学・お茶の水女子大学名誉教授)が、学生時代のフィールドワークをまとめたものです。北極圏に近い先住民の集落で2年間生活し、彼らの社会観・家族観を分析しています。

同じアジア系でありながら、かくも違うのかと驚かされます。例えば;
「偕老同穴の契りを結ぶ」というような考え方はいっさい存在しない。…「子どもは、育てられる者が育てればいい」「実の母に限ることはない」(p242)
「生みの親に育てあげられなかった子どもは不幸だ」という観念がないし、「親は生んだ子を絶対に育てなければならない」という義務感もない。(p250)

家族関係が柔軟なので、子育ても血縁にこだわらない。だから親殺し・子殺しとは無縁のコミュニティが実現できるという訳です。本書を読んで、我々は子育てに関する限り、退化しているのでは・・・そんな思いに至りました。
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