ちょいと遅い書き込みですが・・しかもめっさ長いです。あしからず。
この間刀鍛冶の方にお会いして話を伺ってきました。
というのも、とある客演作品で剣を鍛錬するパントマイムが必要になって。
ぼんやりイメージできるものの、細かいところに自信が持てなくていろいろ調べていたんです。だけどなかなかうまくいかなくて。
そしたら堺に刃物組合とかあるから聞いてみな、と言う人がいて。そこに問い合わせてくれたんです。
組合の方から「今でも刀をやっている人がいるよ」ってすぐに返事が返ってきて。
何でも言ってみるもんですねえ。
そこで紹介してくださった『池田刃物製作所』の池田辰男(刃銘 正行)さんにお話をいただいてきました。
刀は年に何回かしか作らないそうなんですが、刃物鍛冶は代々されているそうで、本当にいろんな話をしてくださいました。
まずは刀についてのいろいろ。
太刀と刀の違いや、刀を扱う時の注意と見方、それらにまつわる慣用句(「相槌を打つ」「反りが合わない」「とんちんかん」etc...)など。
武器としての性質はもとより、美術工芸品として、はたまたご神体としての性質も持ち合わせた非常に特殊な存在であると。
もちろん行程についても詳しく教えてくださいました。
長刀を作るには3人必要なんですね。それに地金もかなりの量がいるということも。
こぶしより大きいくらいの地金の実物を見せていただいたんですが、見た目に反して相当重い。
しかもそれだけではせいぜい小刀しか作れないとのこと。
それとただ単に火にくべて叩き伸ばしているのだと思っていたけれど、それを折り返し 叩き伸ばし また折り返し・・という具合に何層にも折り重ねた結果、あの強い刀身が出来あがるということも初めて知りました。
刀を観る時のポイントの一つだそうで、よく見ると確かに線というか折り重ねた痕が見受けられます。
言われなければ全然気づかなかったよ。
また、作業場はかなり高温で、作業中は50°Cくらいになるそうです。
汗かきのシロキハラには無理ですね。よほど体力を必要とするのだろうなあ。
でも、仕上がった刀を研ぐのは別の人になるんですって。
研ぎ師という仕事がきちんとあって、鍛冶師と同じく人間国宝の方もおられるそうです。
刀の錆取りをお願いすると結構な金額を取られるそうで。だからきちんと手入れをするんですね。
毎年1回全国的なコンクールがあって、それに出品し入賞することによって鍛冶師としての腕が認められるそうです。
また、刀鍛冶になるには最低5年のかかるとか。これには法的な定めがあって、修行を4年経て初めて刀を作る為の申請が可能になるそうです。とはいっても師匠の許可が出なければもっとかかることもあるそうですが、そしてそれをコンクールに出品する。そうしてやっと自分の刀の価値が決定されるとか。
なかなか根気のいるお仕事ですね。
鍛冶師としての免許は登録だけで、自動車みたいな証書がないうえに更新もないそうです。そのかわり刀を作るには必ず先述の申請が必要になるので、許可証を持っていること=鍛冶師みたいなところがあるそうです。
ちょっと意外ですね。巻物とは言わなくても、漆塗りの木箱かなんかに大切に保管されていてもいいような・・。
とまあ、ここまで聞いておきながら、実は西洋の剣のマイムなんですよね~。わっはっは。
面白い話だったんで聞き入ってしまいましたが、ある程度まで行ったところでその話を持ち出すと その池田さん、フェンシングのエペ用の剣も作ったこともあるとおっしゃる。
ほんとに言ってみるもんだわ。
それまでの話があったんで和と洋の違いを交えながらの解説となりました。
剣は地金から鍛錬するのではなく、細長い棒を熱し叩く方法をとるそうです。日本刀の固さや強さとは違い しなやかさを求めるため、折り返しはせずそのまま叩き伸ばすのだとか。また攻撃方法の違いから、日本刀のように面で切れるようにはせず、先端の方だけ鋭くするそうです。
なるほど、向こうは剣で叩き付けるようなイメージありますよね。
あと「ふいご」(炉に空気を送り込む道具ね)についても。
和物は箱形だけど、西洋は足踏み型か手動の蛇腹式を使うとのこと。
自分的にはここが一番ネックだったのかもしれない。実物は見られなかったけど、組合の「堺刃物ミュージアム」に置いていたんじゃないか?という情報もゲット。ありがたや。
谷九の生國魂神社境内に「ふいご神社」という鍛冶仕事に関連のあるお社があるのだとか。やっぱり庶民の生活に馴染みのあるものだったんですねえ。今度お参りしておこう。
更に池田さん、今は実演できないからって人間国宝の方が出ているビデオテープまで貸してくださいました。
仕事終わりのお疲れのところ、長い時間お付き合いしてくださったうえにそんなことまでしていただけるとは。感謝感謝でございます。
刀鍛治の仕事に対してプライドを持っている以上に、本当に刀が好きでたまらないというのが伝わってきました。
これをもとにいいマイムを、いい芝居を作りたいと思います。
この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
この間刀鍛冶の方にお会いして話を伺ってきました。
というのも、とある客演作品で剣を鍛錬するパントマイムが必要になって。
ぼんやりイメージできるものの、細かいところに自信が持てなくていろいろ調べていたんです。だけどなかなかうまくいかなくて。
そしたら堺に刃物組合とかあるから聞いてみな、と言う人がいて。そこに問い合わせてくれたんです。
組合の方から「今でも刀をやっている人がいるよ」ってすぐに返事が返ってきて。
何でも言ってみるもんですねえ。
そこで紹介してくださった『池田刃物製作所』の池田辰男(刃銘 正行)さんにお話をいただいてきました。
刀は年に何回かしか作らないそうなんですが、刃物鍛冶は代々されているそうで、本当にいろんな話をしてくださいました。
まずは刀についてのいろいろ。
太刀と刀の違いや、刀を扱う時の注意と見方、それらにまつわる慣用句(「相槌を打つ」「反りが合わない」「とんちんかん」etc...)など。
武器としての性質はもとより、美術工芸品として、はたまたご神体としての性質も持ち合わせた非常に特殊な存在であると。
もちろん行程についても詳しく教えてくださいました。
長刀を作るには3人必要なんですね。それに地金もかなりの量がいるということも。
こぶしより大きいくらいの地金の実物を見せていただいたんですが、見た目に反して相当重い。
しかもそれだけではせいぜい小刀しか作れないとのこと。
それとただ単に火にくべて叩き伸ばしているのだと思っていたけれど、それを折り返し 叩き伸ばし また折り返し・・という具合に何層にも折り重ねた結果、あの強い刀身が出来あがるということも初めて知りました。
刀を観る時のポイントの一つだそうで、よく見ると確かに線というか折り重ねた痕が見受けられます。
言われなければ全然気づかなかったよ。
また、作業場はかなり高温で、作業中は50°Cくらいになるそうです。
汗かきのシロキハラには無理ですね。よほど体力を必要とするのだろうなあ。
でも、仕上がった刀を研ぐのは別の人になるんですって。
研ぎ師という仕事がきちんとあって、鍛冶師と同じく人間国宝の方もおられるそうです。
刀の錆取りをお願いすると結構な金額を取られるそうで。だからきちんと手入れをするんですね。
毎年1回全国的なコンクールがあって、それに出品し入賞することによって鍛冶師としての腕が認められるそうです。
また、刀鍛冶になるには最低5年のかかるとか。これには法的な定めがあって、修行を4年経て初めて刀を作る為の申請が可能になるそうです。とはいっても師匠の許可が出なければもっとかかることもあるそうですが、そしてそれをコンクールに出品する。そうしてやっと自分の刀の価値が決定されるとか。
なかなか根気のいるお仕事ですね。
鍛冶師としての免許は登録だけで、自動車みたいな証書がないうえに更新もないそうです。そのかわり刀を作るには必ず先述の申請が必要になるので、許可証を持っていること=鍛冶師みたいなところがあるそうです。
ちょっと意外ですね。巻物とは言わなくても、漆塗りの木箱かなんかに大切に保管されていてもいいような・・。
とまあ、ここまで聞いておきながら、実は西洋の剣のマイムなんですよね~。わっはっは。
面白い話だったんで聞き入ってしまいましたが、ある程度まで行ったところでその話を持ち出すと その池田さん、フェンシングのエペ用の剣も作ったこともあるとおっしゃる。
ほんとに言ってみるもんだわ。
それまでの話があったんで和と洋の違いを交えながらの解説となりました。
剣は地金から鍛錬するのではなく、細長い棒を熱し叩く方法をとるそうです。日本刀の固さや強さとは違い しなやかさを求めるため、折り返しはせずそのまま叩き伸ばすのだとか。また攻撃方法の違いから、日本刀のように面で切れるようにはせず、先端の方だけ鋭くするそうです。
なるほど、向こうは剣で叩き付けるようなイメージありますよね。
あと「ふいご」(炉に空気を送り込む道具ね)についても。
和物は箱形だけど、西洋は足踏み型か手動の蛇腹式を使うとのこと。
自分的にはここが一番ネックだったのかもしれない。実物は見られなかったけど、組合の「堺刃物ミュージアム」に置いていたんじゃないか?という情報もゲット。ありがたや。
谷九の生國魂神社境内に「ふいご神社」という鍛冶仕事に関連のあるお社があるのだとか。やっぱり庶民の生活に馴染みのあるものだったんですねえ。今度お参りしておこう。
更に池田さん、今は実演できないからって人間国宝の方が出ているビデオテープまで貸してくださいました。
仕事終わりのお疲れのところ、長い時間お付き合いしてくださったうえにそんなことまでしていただけるとは。感謝感謝でございます。
刀鍛治の仕事に対してプライドを持っている以上に、本当に刀が好きでたまらないというのが伝わってきました。
これをもとにいいマイムを、いい芝居を作りたいと思います。
この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。