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メエルシュトレエム(大渦巻き)にのまれて

2013年03月11日 | 研究
「まったく、正気の沙汰ではない。なにしろ、こともあろうに、下の泡の方へいろいろなものが落ちこんでゆくその速さを、それぞれに比べ合わせておもしろがったりしたんだから」
                                                      『メディアはマッサージ』

マクルーハンがしばしば立ち返るもうひとつのエピソードは、エドガー・アラン・ポーの『大渦巻きにのまれて』(1841)の水夫の行動である。大渦巻きにのまれた水夫は、何もかもが泡立つ渦巻きの底に飲まれていくとき、あえてそれに逆らう愚を犯すことなく、超然と渦巻きの流れを観察しているうちに、大渦巻の外に逃れる流れを発見し、ついには脱出に成功したというお話である。マクルーハンは自分の電子メディアの「大渦巻き」に対する態度は、この水夫と同じであると繰り返し述べている。
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