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マクルーハンの未来予測

2022年02月25日 | 研究
教育におけるコンピューターは非常に暫定的な状態ではあるが、基本的には情報へのアクセスを高速化するものであり、それが電話やゼロックスに応用されると、世界中の図書館へのアクセスを、ほとんど即座に、遅滞なく可能にする。そして、コンピューターの直接的な効果は、知識の主題や区分の壁を引き剥がし、全体的な分野、総合的な認識(ゲシュタルト)を支持することである。
The New Education, The Basilian Teacher Vol. 11 (2) 1967, 67

電話をインターネットに、ゼロックスをパソコンに読み替えれば、この説明は完璧である。教育における専門化から学際研究への移行も言い当てている。この記述が書かれたのは、インターネットの前身であるARPANETが一九六九年に開発されるまる二年前のことである。ロバート・ローガンは、「『ニュー・ロマンサー』の著者であるウィリアム・ギブソンがサイバースペースということばをつくったことは確かに評価されるべきだが、『ニュー・ロマンサー』が書かれるよりも、あるいは構想されるよりもずっと前に、マクルーハンはサイバースペース的世界を予見していた」と書いている。
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論理学とレトリック

2021年02月16日 | 研究
ギリシア哲学においては論理学よりもレトリックが寧ろ先位を占めていた。                             
                                   (三木清『哲学ノート』)

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現代はパターン認識の時代

2021年02月16日 | 研究
マクルーハンは、「現代の情報過多時代において最も有効な思考方法はパターン認識である」と言っています。パターン認識とは、個別事象に「共通点」を見出し、それを通じて新しい事態に対処する知見を得る方法ですが、これは後述するように「アナロジー思考」と同じです。
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思考のプロセスよりも良い結果

2021年02月14日 | 研究
水平思考の人は、硬直的なものの見方に縛られず、事態を別の角度から見ることによってピンチを大逆転に変えることができるのです。思考のプロセスの美しさよりも良い結果がでればそれでいいのが水平思考です。
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垂直思考と水平思考

2021年02月14日 | 研究
人間の思考を単純化すれば、「縦に考えるか」「横に考えるか」の二通りになります。いわゆる垂直思考と水平思考です。かつて『水平思考の世界』(エドワード・デボノ/講談社)というベストセラーになった本がありましたが、水平思考は、西洋において支配的な思考方法であった垂直思考、すなわち論理思考の欠点を補う思考です。
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マクルーハンって哲学者?

2021年02月09日 | 研究
マクルーハンは「哲学者」なのか?この問いは重要です。英文学者だから哲学者ではない、と考えるは早計です。マクルーハンは哲学者でした。ただ、一般に考えられている哲学者の系譜とは違った「もう一つの系譜の」です。マクルーハンの思想は西洋の「哲学史」に位置付けて読まれるべきものです。
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人間の変化

2021年02月09日 | 研究
マクルーハンの関心は、メディアによる人間の変化にありました。それは本の副題を見れば分かります。彼の初期の著作、『The Mechanical Bride』―Folklore of Industrial Man、『Gutenberg Galaxy』―The Making of Typographic Man、『Understanding Media』―The Extensions of Man、全部人間がテーマです。
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遊び

2021年02月07日 | 研究
マクルーハンは、「遊びplay」という言葉が好きでした。「メディアはマッサージである」などの駄洒落は言葉遊びword playです。あるいは自転車の車輪と車軸のすき間を「遊びplay」といいますが、この遊びがないと車輪はうまく回りません。マクルーハンは、創造的な仕事について語るとき、この車輪と車軸の「遊びplay」をしばしば例にだしています。
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『マクルーハン・プレイ --- アイデアはこうして生まれる』(実業之日本社)

2021年02月06日 | 研究

第一章 着想(ひらめき) ― 新しい組み合わせを探す

●マクルーハンとドラッカーの出会い
●マクルーハンに影響を受けたドラッカーの技術観
●マクルーハンは発明家だった
●マクルーハン思想を実践した竹村健一
●「いま」を知ることがアイデアにつながる
●マクルーハンを世に出した広告界の重鎮ジェームズ・W・ヤング
●ヤングのアイデアのつくり方
 ◆第一段階 資料を収集する
 ◆第二段階 組み合わせを探す
 ◆第三段階 問題を意識から放棄する
 ◆第四段階 「ユーレカ(わかった、見つけた)!」の瞬間が訪れる
 ◆第五段階 アイデアを現実に適応させる


第二章 逆説 ― クールな言葉が想像力をかき立てる

●マクルーハンの言葉はなぜ、人をワクワクさせるのか
●マクルーハンの言葉は禅の公案
●ノンセンスは「無意味(ノンセンス)」ではない
●印刷本からパーソナル・コンピューターが生まれた
●マクルーハンの警句(アフォリズム)
●情報量が少ないクールな言葉が探求を誘う
●メディア技術はどのように人間を変えていくのか
●銃撃よりも参加(インヴォルブメント)を要求する電話
●ジャンルを横断するマクルーハン
●マクルーハンって哲学者?
●マクルーハンをどう読むか


第三章 類推(アナロジー) ― 非なるものの中に似(に)を探す

●アイデアとは「新しい組み合わせ」の発見である
●現代は「パターン認識」の時代
●レトリックはもう一つの哲学である
●雄弁は知であり力である
●共産主義はサービスである
●駄洒落(だじゃれ)がアイデアを生む
●縦に考えるか、横に考えるか
●ピンチをチャンスに変える水平思考
●現場こそアイデアの宝庫
●思いがけない発見「ユーレカ(わかった)!」をもたらす思考
●スティーブ・ジョブスが傾倒した禅


第四章 譬え話 ― 人を征服しないで納得させる

●論理思考はソクラテスから始まった
●ソクラテスは哲学者ではなかった
●長広舌か一問一答か
●相手を屈服させるソクラテスの問答法
●ソクラテスこそ詭弁家か
●狂人は論理的な間違いをしない
●現代人が学ぶべき古代ギリシアの弁論術
●人を征服しないで納得させる言葉「マーシャール」
●合理精神が失ったもの


第五章 創造 ― 比喩が現実を創る

●人文学は発見の「術」
●「野生の思考」を回復させる隠喩(メタファー)
●隠喩(メタファー)は感覚器官である
●隠喩(メタファー)なしでは思考できない
●ビジネスは戦争である
●意味の意味
●言葉は中立(ニュートラル)ではない
●メディアはメタファーである
●はじめに言葉ありき
●言語そのものが「思想」をもっている
●隠喩(メタファー)には言霊(ことだま)が生きている
●隠喩(メタファー)は右脳の技術
●言葉には世界をつくり変える力がある
●進行する世界の部族化
●意味をつくっている背景(地)に注意を向けよ
●メディアが人間の経験の意味を変えていく
●「グーテンベルクの銀河系」から「電子メディアの銀河系」への転換
●哲学には二つの系譜があった
●フランシス・ベーコンの「四つのイドラ」
●電子時代の人文主義者(ユマニスト)マクルーハン
●禅とマクルーハニズム
●異種のものを結びつける理性のちから「インゲニウム」
●世界は類比(アナロジー)に満ちている
●類比(アナロジー)の発見が生んだメディア論


第六章 展開 ― 全体を一挙につかみ形にする

●インターネットが吹き飛ばした「専門の壁」
●線的思考を逃れるモザイク・アプローチ
●マクルーハンはインターネット時代の概念の提唱者
●三科(トリヴィウム)の力関係を変えたグーテンベルク技術
●「共通感覚」の回復が西洋を救う
●人間がつくったもの(人工物)はすべてメディアである
●テトラッドで現代(いま)をつかめ
●テトラッドは「マーケティングの近視眼(マイオピア)」から逃れる思考のツール
●デジタル革命の大波をサーフィンせよ

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シャーロック・ホームズ

2021年02月04日 | 研究
ヤングが組み合わせの重要性を語るときに例に出すのが、「シャーロック・ホームズ」です。ヤングはコナン・ドイルの推理小説「シャーロック・ホームズ」を愛読していました。小説には、ホームズがスクラップ・ブックの中に自分が書きためた個々の半端な資料を様々な角度から検索分類して暇つぶしをするシーンがよく出てきますが、ヤングはこのシーンを特に気に入っていました。ヤングは、ホームズのやり方で発想した広告のアイデアが自分の広告の中で最高の成功になったと書いています。実はマクルーハンのお気に入りの小説も「シャーロック・ホームズ」でした。
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ヤングとマクルーハンの発想法

2021年02月04日 | 研究
ヤングの書いた『アイデアのつくり方』を読んでみたら、驚くことにマクルーハンが生涯実践していたことがそのままそこに書いてあったのです。マクルーハンの方こそ、ヤングの『アイデアのつくり方』を読んでいたのではないかと思えるほど二人の発想法は似ていました。
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アイデアのつくり方

2021年02月04日 | 研究
アイデアとは何か、どうやってつくるのかを簡潔に、やさしく説いた小著にして名著『アイデアのつくり方』(ジェームス・W・ヤング/CCCメディアハウス)という本があります。ヤング(一八八六 ~ 一九七三)は米国の広告クリエイターです。生まれは一八八六年ですからマクルーハンよりも二十五歳年上です。この本の初版が発行されたのは一九四〇年ですから今から八〇年前になります。日本語に翻訳されたのが一九六〇年、以来、版を重ねながら今も読まれている名著です。
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「発明家」マクルーハン

2021年02月04日 | 研究
マクルーハンの伝記を書いたテレンス・ゴードンは、「マクルーハンのアイデアは、マクルーハンの会社にお金が入ることなく、クレジットも無いまま、事実上多くが実現されている」と言っています。マクルーハンを「発明家」と呼んでもおかしくないことが分かるでしょう。マクルーハン自身、自分を「アイデア・マン」であると思っていました。マクルーハンの「発想法」には、現代のビジネスパーソンが生かせるヒントがあふれているのです。
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アイデアマン・マクルーハン

2021年02月04日 | 研究
あまり知られていないことですが、有名になる前のマクルーハンは、しがない大学教師の薄給を補おうと近所に住む友人と「アイデア・コンサルタンツ」なる会社をつくり、自分のアイデアを商品化しようと企業に働きかけていました。その中には、赤ちゃんのトイレ・トレーニング用グッズもあれば、バスや地下鉄の中にスポンサー企業の名前を表示する電光掲示板、Television Platterと呼ぶテレビで映画を再生するための後のビデオカセットのような機械、防音用の仮設の内壁、モーター式の鉛筆削り、芝刈り機のヘッドライト、ビジネス問題だけを取り上げてドラマ化したテレビ番組、さらには東西冷戦の緊張を「クール・メディア」を使って和らげるためのアイデアまでありました。
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知識と組織

2021年02月03日 | 研究
知識人は組織を道具として見る。組織のおかげで、彼らは彼らのテクネ、すなわちその専門化された知識を生かすことができる。                               
                            ドラッカー『ポスト資本主義社会』
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