失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「バンボレオ」 ジプシー・キングス 1987年

2006-08-04 | アジア・エスノ
スペイン語で歌う、南仏のグループ。今日の猛暑にはぴったりか。

歯切れのいいギター&ハンド・クラッピングを特徴としたサウンドは、「ルンバ・フラメンカ」と呼ばれている。ブリジット・バルドーの後押しにどれくらいの意味があったかは不明だが、アルバム「GIPSY KINGS」が世界的大ヒット。日本でもCMタイアップが多かった。

左、おそらく日本でのデビュー・シングル。87年のヒットを88年に8cmでリリース。
確かタイアップがついたと思ったが、ジャケには記載なし。コピーは「パリ発信=エスニック・ポップ 噂の300万枚ヒット、遂に日本上陸。」

①バンボレオ BAMBOLEO
(T. Baliardo/J.Bouchicki/N/Reyes)
シャキシャキしたリズムを刻むギターに、あの濁声が明るく哀しいメロディを歌う。それが全て。完成された世界に余計な楽器の入りこむ余地はない。②も同じだが、サビ前に空気が一瞬凝縮する感じ、そしてサビでの爆発力、誰がどうみてもCM向き。

②ジョビ・ジョバ DJOBI DJOBA
(Collectif Gipsy Kings-Los Reyes)
これはタイトル(=サビ)のインパクト絶大。コントグループの名前になったり、最近では「わたしの中のよからぬモノが」でおなじみDAKARAのコピーとして転用(?)されたり。KYON2や山崎努はいいとして、メーテルは許せませんっ!メーテルはそんなの出ませんから!

定価1000円、中古で50円。

右、「二ーニャ・モレーナ」 1989年

①二ーニャ・モレーナ Niña Morena SHISEIDO '89サマー・キャンペーン・ソング
(Gipsy Kings)
ドラムがちょっと現代風になった?まあ、基本は変わらないサウンド。上のシングル2曲に比べるとやや涼しげ。

②ファエナ Faena
(Gipsy Kings)
こちらはインスト。

定価937円、中古で10円。
2枚とも水彩の抽象画。「二ーニャ・モレーナ」の裏を見ると、日本盤「GIPSY KINGS」のジャケットも、(輸入盤と違って)同じ作者と思われる抽象画だったようだ。

ラテン世界でのマイノリティ。フランス発、ヨーロッパに内在するエスニック・ポップ。非英語で歌うグループが、ここまで世界的大成功を収めたのは極めて例外的な事件であった。



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