失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「真冬のデイト」 森下恵理 1985年、竹内まりや 1995年

2013-04-26 | タツローまりや
もうひとつの森下恵理への提供曲。

前回も登場した森下恵理のファーストアルバム『ボーイフレンド』(1985)に収録されている。今回は裏ジャケ。

③真冬のデイト
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:国吉良一
でた、必殺技ハチロク。「ロンサム・シーズン」のが名曲度は高いと思うが、ほぼ「ロンサム冬版」といっていい。ふたつとも1985年なんだな。しっとり歌っても十代のきらきらが眩しすぎる。

アルバム中、まりやさんが書いたのはこれと「Hey! Baby」の2曲。どちらも出来がよく、カップリングシングルでもよかったんじゃない?と思うが、「Hey! Baby」のB面はアルバム未収録曲「九月のERI」であった。松尾清憲作曲・鈴木茂編曲の、中期ビートルズテイストあふれた傑作。逆にこれがなんでアルバムに入ってないのか不思議だ(この再発盤CDには無事収録)。
その他、安井かずみ・加藤和彦コンビによる2ndシングル「私は街のバレリーナ」もいい。武部聡志のアレンジが素晴らしいし、安井かずみの「ハンバーガーして ジンジャー・エールして」「誰か 友だちして」なんて恥ずかしい詞も最高!
オリジナルアルバムのラストはユーミンが呉田軽穂名義で書いた2曲を並べている。最後のバラードもいいけど、その前の「トワイライト」が私のベストトラックかな。淡々として切ない、私の好きなユーミンがいる。作詞は鈴木博文。85年といえば『ANIMAL INDEX』だから、「駅は今、朝の中」「僕は走って灰になる」の頃よ。博文さん+ユーミンの組み合わせって他にあるのかな?ユーミン自身も気に入っていたのだろう、アルバム『ALARM à la mode』(1986)収録の「3-Dのクリスマスカード」に曲を流用した。
この再発CDにはボーナストラック4曲が追加され、ラストは4thシングル曲「サマータイム・グラフィティ」(1986)。タイトルどおり、オールディーズ歌謡の傑作。もう素晴らしすぎて言うことがない。
作家のことばかり書いてるが、やっぱり肝はヴォーカル。森下恵理のキュートな声がすべてをまとめ上げ、夢のアイドルポップスを完成させた。その後は、自作曲を中心にアイドル路線を離脱、Eri名義で現在も活動中。つまり、アイドル森下恵理としてはこのアルバム『ボーイ・フレンド』しか残さなかったのだ。プロデューサー加藤和彦の力技的な人脈、そしてクオリティの高い作品群は、80'sアイドル歌謡の宝石。


10年後のセルフカヴァー。前回と同じくシングルのカップリングで。

①今夜はHearty Party
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山下達郎
木村拓哉の「ねぇ、パーティにおいでよ」の囁き声から入る、アッパーなダンスナンバー。フラれた私を慰めてくれる優しい昔の仲間たち。キムタクは他にも間奏で「パーティやろうぜ」「元気出しなよ」、エンディング近くのブレイクで「愛してるよ」と計4回の台詞&達郎とともにコーラスを担当する活躍ぶり。

②真冬のデイト
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山下達郎
オリジナルが最強すぎてソングライターのセルフカヴァーもかすんでしまう。まりやさんの歌で聴くと、遠い回想のイメージ。これはこれで悪くないけど。「Hey! Baby」と同じく『DENIM』(2007)の初回限定ボーナスディスクにリマスター版が収録された。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。

蛇足ながら、まりやさんの「デイト」つながりでアナログを一枚。

KINYA「涙のデイト」(1982)
A 涙のデイト
B 夏の記憶
「アン・ルイス プレゼンツ」の記載あり。2曲とも作詞・作曲:竹内まりや、編曲:林敏明・丸山雅仁(ストリングス)。
ジャケの印象を裏切らない、オールディーズ歌謡の傑作。エレキがうなる「涙のデイト」もいいけど、「真赤な太陽」的な影のある高揚感が胸に迫る「夏の記憶」が最高!こういう昭和歌謡テイストを書かせたら、桑田佳祐と双璧だな。


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2 コメント

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凄い!!! (尚太。)
2013-05-05 17:02:27
いやー、KINYAの♪涙のデイト まで押さえているとは!!!

でも、この曲良い曲ですよね~。

まりや嬢のベストが出る時に密かに収録されないかな~と期待しておりましたが 笑

nakamura8cmさん、近所に住んでいたら、レア商品の取り合いになってますな 爆
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いやいや (nakamura8cm)
2013-05-06 10:58:29
尚太。さんのマニアぶりにはおよびませんて!
私はCDVとか買いませんし(笑)

KINYAの2曲は『竹内まりやSONG BOOK』に当然収録されるべき作品ですよね。

そうか、まりやさんの仮歌は存在するはず。
聴いてみたい!
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