失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「幸福なんてほしくないわ」 酒井法子 1990年

2015-08-10 | アイドル系
酒井法子の13thシングル。

①幸福(しあわせ)なんてほしくないわ
作詞:松本隆、作曲:入江剣、編曲:船山基紀
入江剣は吉田拓郎のペンネーム。この曲はなんと松田聖子のために書かれてお蔵入りになったものらしい。時期的には20th「天使のウインク」(1985)の次のシングルとして用意されてたようだ。神田正輝との結婚を前に、さすがにこのタイトルは…ということでお蔵になったのか。松本隆に詞を書き直せとは誰も言えなかったようで、尾崎亜美作の「ボーイの季節」が21stシングルとしてリリースされたのだった。聴いてみると、「結果的にそれでよかったんじゃない?」と思えるようなクオリティ。曲もなんだか昭和チックなどんくさい感じだし、詞は聖子x松本隆で期待されるレベルに達していない。タイトルからはちょっと意外なビートの効いたイントロ。冒頭「いつもかわいい女だった」と宣言(あるいは1番のサブタイトルのように歌われる)。「キスをされても NO と言えずに これが愛だと 自分の胸に 嘘をついてる」時代錯誤ともいえる男の言いなりになる従順な女性像。聖子が築き上げてきたイメージとの乖離は明らか。つづいて最後にもう一度「いつもかわいい女だった」ここまでが1番。
2番も同様に頭で「いつも素直な女だった」と始めて、「プロポーズする あなたの瞳 そっとのぞいて 私の未来 見てしまうまで とても素直な女だった」と展開させる。ここから1番にはついていなかったサビ。「幸福なんてほしくない みせかけの 幸福なんていらないわ 退屈な」とトーンを変えてゴリゴリ迫る。つづいて気分を上向きに「♪アンアン今は 自由な風に~アンアンアン今は 風に吹かれて~いたい~アンアァン」と字面は都はるみクラスのアンアン度。歌詞以外のアンアンで埋める部分が多く、奇妙な印象。聖子だったら、WOW WOWとかもうちょいバリエーションつけて聴かせてくれたかもしれんね。
3番は「いつも明るい女だった」から別れを描く。「あなたの車 見送った後 涙ふいたら 靴を両手に スキップしてる いつも明るい女だった」と落とす。まあ、構成はさすがと思わせるところもあるけど、自分で「~~女だった」ってのが個人的にキツイ。のりピーはこの難曲に対し、ところどころ聖子を思わせる歌い回しもありつつ(普通に影響受けてるだけか)、カッチリした歌唱でGUANBAっていると思うよ。

②ほほにキスして
作詞・作曲:伊藤薫、編曲:船山基紀
こちらは60'sの香り漂う、絵にかいたような清純派アイドルポップス。19歳には清らかすぎ?

③④カラオケ

定価1000円、中古で108円。
唇半開きで微笑んでいるような、泣き出しそうに見えなくもない表情。




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2 コメント

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Unknown ()
2015-08-20 13:48:45
後々のことを考えると、あまりにあまりなタイトルでなんだか別の意味に捉えてしまいます…
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う~ (nakamura8cm)
2015-08-21 01:24:37
それは言わんといて…
しっかり歌えているアイドルだったんですけどねえ…
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